インフレ+生産量=価格暴落?:コーヒー和訳記事


ラジオでも散々お話しているようにコーヒー価格の高騰が止まりません。しかしみなさんご存じの通りこの高騰は一時的なもので、ひどい場合はこの後暴落する可能性もあるのです。


今日は今後のコーヒー市場価格についてコロンビアコーヒー生産者組合連合会のロベルト・ベレス代表のインタビュー記事を和訳したいと思います。実はこの記事、8月に見つけて面白いなと思って保存したままずっと放置してました(´・ω・`)前も書いたかもしれませんが、このベレス代表。天下りの肩書代表ではなくて現場の現状をちゃんとよくわかっている方だなぁと毎度思います。


元記事はメデジンに本社を置く新聞、El COLOMBIANOのものです。


https://www.elcolombiano.com/negocios/se-preve-menor-consumo-de-cafe-y-caida-de-precios-roberto-velez-presidente-fnc-HK18474012




「インフレと生産量の増加によるコーヒー消費量の減少と価格暴落が予測される」;FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)


~FNC代表のロベルト・ベレス氏は世界的なインフレとブラジルの生産量増加が、コーヒーの需要とコーヒー市場価格に影響を与えるだろうと説明している~


 


コロンビアのコーヒー農家たちは生産量に大きな影響を与える雨期に直面した。FNCによると今年の現時点での生産量は2021年よりも8%減少しているという。さらに7月の生産量は前年月と比較して22%減と、ブラジルの生産量回復を前に不安がつのる結果となった。


El COLOMBIANOがロベルト・ベレス代表に行ったインタビューで、代表は生産量減少の原因や国際価格への影響、業界で懸念される点などについて触れた。


 


ー現在のコーヒー業界の状況(パノラマ)はどのようなものですか?


うれしいことにコーヒーの市場価格に関して我々は現在とても興味深い時期を迎えています。パンデミックが始まった2020年あたりから、生産者にとってコーヒーは注目すべきビジネスとなったのではないかと考えています。コーヒーの国際市場価格はブラジルの霜害と干ばつの影響をもろに受けています。例えば市場価格は125キロあたり230万ペソと記録的な価格をたたき出しましたが、起こっていることすべてがバラ色とは言い切れません。平均値を上回る降水量の長雨が2年間続いており通常1400万袋(袋/60キロ)が期待できる我が国の国内生産量に大きな影響を与えているのです。今年は通常の予測値を200万袋下回る1200万袋の収穫しか見込めないとのことで、市場価格が高騰してうれしい反面、生産量の面では喜べないのが現状と言えるでしょう。


 


ーなぜ生産量が減少しているのですか?それはどれほど懸念されるものなのでしょうか?


これは大きな心配要因となります。国内で15%から20%の生産量減少は一般的なのですが、アンティオキア県のように特に大きな被害を受けている地域では40%の生産量の減少が報告されていたりするのです。これは長雨と在庫の不足が原因となっているでしょう。


 


ー国際価格はこれからどうなっていくと思いますか?


今年は125キロ当たりのコーヒー市場価格が240万ペソと歴史に残る高騰を遂げました。これには国内の価格を構成する3つの変動が関係していると考えています。コーヒー1ポンド当たりの価格は2.4ドルとなったうえにドル高が起き、マイルドなコロンビアコーヒーに加算されるインセンティブは80セント近くまでにのぼりました。


今後のことについては、私はいつも占い師の水晶玉をもっていると言っています。9月10月はブラジルのコーヒーの木の開花の時期にあたります。開花量をみれば来年の収穫量がどれくらいか、収穫量は回復するのかどうかが推測できるようになるでしょう。


さらに私は世界的なインフレの動きにも注目しています。すでに人々が消費に消極的になっているという話を耳にします。しかたがってコーヒーの消費が減少し生産量が回復してくる可能性があり、市場価格はこの需要と供給に反応することが考えられるでしょう。それは、価格の暴落に直面するということになります。


 


ー農村の高齢化が問題になっていますが、将来コーヒーは誰が植えるのでしょう?


この問題はコロンビアのコーヒー農家に限った話ではなくアメリカや日本でも同じ現象が起こっています。人々が農村に残るようにするためには何が必要なのでしょう。まずは自然に愛着をもってもらうことではないでしょうか。18歳以下の若者が田舎で労働してはいけないという法律がありますが、コロンビアにおいてそれはうまく機能していません。また、農業という職業が都会で働くのと同等に儲かる職業にする必要もあるでしょう。学校教育、インフラ整備、保険や公共サービスが必要ですし、国がそれらを提供するべきです。


 


ー農地改革の可能性に関して不安はありますか?


新しい政府の提案には目を通していますが、意見する前に今後どうなっていくかの全体的なパノラマをしっかり見据えたいと思っています。例えば土地区画整理のことであったり、それによって税金はどうなるのか、農地にどう影響するのか、コーヒーの収益性はどうなるのかなどです。今のところは政府のあらゆる機関と話し合いを行い、それからどうしていくか考えていきたいと思っています。


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