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「やりたいこと」が見つからない時は「やりたくないこと」を探してみる【短期離職】【HSP】
今の仕事辞めたいなぁ、と思ったことがある人はきっと少なくないと思う。同時に、でもやりたいことないんだよなぁ、と思ったことがある人も決して少なくないのではないかと思う。
かくいう私ももれなく両者に当てはまり、「やりたいこと」という人生史最大の大発掘を目指している発掘調査員の一人である。
この発掘調査は途方もない時間を要する。一発でここだ、と見つけ出せる確率は限りなく低い。広範囲に渡ってたくさん穴を掘り起こさなければいけないかもしれないし、一箇所を深く深く掘り進めないといけないかもしれない。大発見の手掛かりとなる欠片を見つけたと思ったらただの石ころだったり、長い時間をかけて掘ってもそもそも何も見つからなかったりするのだから、もうお手上げだ。
私のキャリアにおける発掘調査歴は約5年に及ぶ。もちろん現在進行形。
まだ正解こそ見つかっていないものの、自分なりに得た「やりたいこと」発掘のコツと、私のこれまでの調査レポートの共有を行いたいと思う。
発掘調査が本格的にスタートする少し前、社会人5年目のこと。
新卒で入社した会社での接客という仕事が肌に合わず転職を考え始めたが、第二新卒と呼ばれる就活のアディショナルタイムを過ぎてからの転職は職種の経験やスキルが求められるという現実を知った。営業経験もなければPCスキルもない私にとって異業種で新たなキャリアを積むことは無理なのだと諦め、これまでの業界経験を活かせる接客以外の職種に絞り転職活動に励んでいた。この頃は「やりたいこと」こそないものの「やれること」ベースでキャリアを模索していたから選択肢は限られていたし、「やりたいこと」について漠然と頭を悩ませることもほとんどなかったため、今考えると楽に将来を考えていた時期だった。
2社目に転職して1年半が過ぎた頃、会社をリストラされることが決まった。リストラの理由は、新型コロナの影響による業界全体への打撃をうけてのものだった。
そう、ここから私のキャリアにおける「やりたいこと」発掘調査が本格始動するのだ。
業界経験を活かすことができなくなった以上、同じ場所で発掘作業を続けることはできない。他に見当がつく場所を早急に見つけねば……。私が持っている道具はというと、できれば使うことを避けたい接客というドリルと、まだまだ使い慣れない営業事務というスコップのみ。
後者を使ってなんとか異業種の会社に転職することができたのも束の間、わずか11か月で退職した。理由は、社風が合わなかったことと、仕事内容に全く興味関心を持てなかったから。
仕事をする上で、業種であろうと職種であろうと少なからず「やりたいこと」に繋がっていないと自分はモチベーションを維持できない=続けられないのだと、この時初めて知ることになる。
でも、肝心な「やりたいこと」の探し方が分からない。手当たり次第に穴を掘ってみても欠片の一つさえ見つからない。
生活のためには一刻も早く働かないといけない状況だったが、「やりたいこと」を無視してとりあえず就職できたとしてもまた同じことを繰り返すだけ。もしかすると働いていく中でそれが運良く見つかるかもしれないが、そんなギャンブルに自分の人生を賭ける勇気は私にはなかった。
ジレンマを抱えながら転職サイトを朝昼晩と1日3回以上見漁る日々を続けていたとき、ふと繰り返し行っている自分のある行動に気がついた。
それは「通勤30分以内/在宅ワークあり」の項目にチェックを入れる、「営業/接客」の項目からチェックを外す、といった転職サイトで検索条件を絞る作業だ。
……待てよ。自分の「やりたいこと」はよく分からないけど、「やりたくないこと」ならすでに見つかってるんじゃ?
私は慌ててスコップを持ち直し、発掘調査を再開した。今回はいきなり大発掘を狙うわけではない。周りの石ころを片っ端から拾い上げ、丁寧に穴を掘り固め、来たる大発掘に備える。土台作りの時間を惜しまないこと。
「やりたくないこと」を拾い上げていくと、まぁ次から次へと出てくることに驚いた。
早起きしたくないから始業時間は遅めがいい、満員電車に長時間乗りたくないから通勤時間は30分以内がいい、毎日人と顔を合わせたくないから在宅ワークがある仕事がいい、ガチガチに管理されたくないからある程度裁量権のある業務がいい、などなど……。
もちろんこれら全てを一気に実現できるほど私はハイレベルな人間ではない。スキルも到底足りない。でも5年後、10年後、いや、あわよくば3年後にはこれらのほぼ全てを叶えるような働き方をしていたい。ならば、どんな職業が、どんな職場がそれを実現してくれるのか? 一つずつ体験し、検証していくしかないと腹を括った。
前述したような、私が希望する働き方を叶えられる仕事で手短に思いつくのはWebデザイナーやエンジニアなど、PCさえあればどこでもできる職業。もちろん今まで仕事でかじったことも勉強したこともない。ならば、まずは知識を蓄えるしかないが、金銭的余裕もないので地域最安で比較的サポート体制が充実しているWebデザインスクールを徹底的に調べ、入学を決めた。
そしてスクールに通ってみた結果、プログラミングはどうも仲良くなれそうにない。エンジニアという選択肢はとりあえずなしにしよう……。Webデザインは割と楽しいかも? でもコーディングはしたくないからデザインだけで稼ぐにはどうすればいいだろうか。実践も全然足りない。
経験を積むなら制作会社に就職するのが手っ取り早いが、激務と言われる現場だ。体力的にきつい。ならば、本業にするのはやめて、まずは副業で探してみよう。私の今のレベルでクラウドソーシングをやっていくにはあまりにも単価が低いだろうから、時給で委託してもらえるような求人はないだろうか。
……こんな風に「やりたくないこと」をやらなくて済む工程を一つずつ試していき、その中でまた一つ「やりたくないこと」を見つけてはやらなくて済む方法を探すということを繰り返していった。自分でも注文の多いやつだなぁと思う。しかし、自分の人生だ。とことん深掘りしてやろうじゃないか。
その後、肩書きとしてはWebデザイナーではないものの、Webデザインの経験も積ませてもらえる副業になんとかありつくことができ、少しずつであるが実績を積んでいった。現在は駆け出しのフリーWebデザイナーとして完全在宅勤務を叶えることができた。
これらの発掘調査を進める中で気がついたことは、ただの石ころだと拾いもせず放置していたものは穴が深くなるにつれ、どんどんと下に敷き詰められていくということ。それは「やりたいこと」の発見を妨いでしまっていた。こういう時は、まず「やりたくないこと」を探してみる。それこそが実は石ころなんかではなく、「やりたいこと」の欠片なのかもしれないから。
現に、私と同じような仕事や生き方に息苦しさを感じている人に寄り添った場所を創りたいという想いが涌いたのも、このサイトを立ち上げることを決めたのも、「やりたくないこと」を拾い集めた先に「やりたいこと」のヒントを得ることができたからだと思う。
そして、この先も私の「やりたいこと(完全体)」発掘調査は続いていく。
「心の休憩所」始めました
自分を周りと比べたり、偽ったり、認めてあげられなかったり……毎日が少し苦しい。そんな "心の痛み" を抱えながら働く大人たちにとっての、ほんのちょっと一息つけるような居場所となることを目指しています。
*現在工事中のため、2024年7月頃リニューアルオープン予定となります。
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