デザイナーがユーザーインタビューをやったお話(準備/実行/分析まで)
みなさん、こんにちは!こんばんは!CAMPFIREコミュニティのデザイナー砂田です。
CAMPFIREコミュニティのデザインチームでは、サービスをご利用いただくユーザー(コミュニティオーナー・コミュニティメンバー)に快適に楽しくコミュニティ活動に励んでいただく為のプロダクトの開発・改善に日々取り組んでいます。
この記事では日々の取り組みのひとつ、実際にサービスを使っていただいているユーザーの声をキャッチアップする「オンラインユーザーインタビュー」を実施したことについて、お話しします。
私たちがユーザーインタビューを実施するにあたって実際どんな準備をして、どうやって実施したか、学びなどを記していきます。
ユーザーインタビューの目的
今回の目的はCAMPFIREコミュニティを利用するユーザーの行動や実態の把握をすること。何に価値を感じていて、潜在的な課題はなにかを把握することに焦点をおきました。
CAMPFIREコミュニティにとってのユーザーの定義は大きく2種類に分かれます。コミュニティに参加する「コミュニティメンバー」と、コミュニティを運営する「コミュニティオーナー」です。コミュニティメンバー・コミュニティオーナーそれぞれ、何がモチベーションになっていて、何に困っているかをキャッチアップし、プロダクト改善や意思決定の手がかりにすることを目的としました。
開発中の機能のユーザーテストなどは次のステップで行うことにして、今回はフォーカス外としました。
実際にどうやって進めたか?
準備、実行、分析の3つのステップに分けてご説明します。
1.準備
インタビューに向けてまずは準備をします。
【目的のすり合わせ】
一緒にインタビューをするチームメンバーで今回の目的をすり合わせ、このインタビューによって何を得たいかをNotionに記しておきました。
【質問の設計】
あらかじめ聴きたい内容をGoogleスプレッドシートに記載しておき、隣の列に回答を記載できるようにしておきます。
質問設計はなるべく順序だてて話が進むように、時系列やトピックごとにまとめておきます。
【ターゲットのピックアップ】
なるだけ広い属性のユーザーからの声を集めたかったので、以下のような手法でユーザーを抽出し、メールでインタビュー依頼をしました。
●コミュニティオーナーの場合
コミュニティの運営期間別、メンバー数別、アクティビティ利用頻度別でユーザーをredashで抽出した上で、偏りなく幅広い層へ声かけ(CAMPFIREコミュニティのチームではデザイナーやセールスなど職種関係なくSQLを学び、業務に活かせる機会があります!)
●コミュニティメンバーの場合
コミュニティ参加完了ページにアンケートを設置し、インタビュー参加に同意いただけるユーザーを抽出
【同意書の作成】
インタビューにあたり、機密保持や個人情報保護に関する規約などを記載した「参加同意書」を法務と相談して作成しました。インタビューに同意いただいた方には同意書と同意フォームを事前にメールで送付し、記入をしてもらう形をとりました。
【インタビュー参加のインセンティブの設定】
他社のインセンティブなどを参考にし、Amazonギフト券やサービス内ページ掲載などユーザーに選んでもらいました。
2.実行
さて、準備ができたら日程を調整して、実際のインタビューを行います。私たちはZoomを使ってインタビューを実施しました。
【役割分担をして、いざ実施!】
当日、どんな役割分担でインタビューを実施するか社内の参加メンバーですり合わせを行います。私たちはメインインタビュワーと、サブインタビュワー+議事録係というフォーメーションの2名体制で実施しました。
【モチベーショングラフを書いてもらうことも】
インタビュー参加者には任意で、サービス利用開始前〜現在のモチベーショングラフを記入してもらいました。モチベーショングラフを書いていただいていたユーザーのインタビューでは、モチベーショングラフを一緒に見ながらその時の気持ちや印象的なエピソードを話してもらいました。
【インタビューする上で心がけていたこと】
・参加いただいたことに感謝と敬意の気持ちをお伝えする
・事前に同意をとってから録画・録音をする
・当日のお名前の呼び方について、インタビューの冒頭に確認をする(ニックネームやユーザーネーム、苗字や下の名前など)
・日々のお仕事や生活の中時間を割いてユーザーは参加してくれているので、インタビューの参加環境(家、移動中、カフェなど)やデバイス(パソコンやスマホ)はさまざま。臨機応変にに対応する。
【対話や質問の仕方で気をつけたこと】
・誘導尋問をしない(〜ですよね?)
・沈黙を怖がらず、相手が黙っている間も待つ(相手の方は一生懸命考えてくれている)
・YES/NOで終わる質問ではなく、広く聴く(その時の気持ちを教えてください、〜の時のエピソードを教えてくださいなど)
・質問リスト通りに進まなくても、無理やり戻そうとしない
・インタビューの終盤ほどリラックスして言葉数が増えてくる傾向。じっくり聴く
【印象的だったエピソードたちのご紹介】
日々インタビューする中で、たくさんの印象的なシーンに出会いましたので、その一部もご紹介したいと思います!
# Zoom繋がらず、電話に切り替えも
当日Zoomの接続環境の関係でうまく繋がらず、急遽電話インタビューに切り替えることもありました。
当初の案内とは違う手法のご提案にも快く応じてくれたユーザーのおかげで無事にお話しをきくことができました。
#たくさん聞いてくれてうれしかった!逆インタビュー
「CAMPFIREコミュニティの中の人が日々どんなことを考えているか」「コミュニティというものに対してどんな考えを持っているか」などに興味をもってくれて、たくさん私たちに質問をしてくれるユーザーもいました。私たちも普段社内でしか話さないサービスのことを改めて言葉で伝える、すごく光栄な機会でした!
#普段のお仕事や生活の話、地元の話題などで盛り上がること多々!
ユーザーがコミュニティでの活動以外に普段どんな日々を送っているか、CAMPFIREコミュニティは普段の生活のどんなシーンに使っているかなど答えていただける範囲で質問をしていました。その中で地元の話や共通の話題で盛り上がることもしばしば。普段直接顔を見ることができないユーザー像がリアルに、ぎゅっと距離も密になる体感がありました。
【インタビューが終了したら】
・インセンティブの案内、お礼の挨拶をしてZoomを終了します。
・インタビューの内容を、ざっくりとしたサマリレポートにまとめておきます(早く書かないと忘れるのでなるべく当日に書いておくのがおすすめです)
・すぐに対応や解決できそうなお声や課題は、関係者などにシェアし即時に対応しました
3.分析
さて、ユーザーの声がある程度あつまってきたら分析を行います。インタビュー後の分析はメルペイのみほぞのさんがご紹介されていた方法を参考に3つのステップで分析を進めました。
1)インタビューで得た1人ずつの発言や行動の印象的だったものを抜き出します
2)「この発言は言い換えると〇〇な価値・○○な課題ではないか?」という気づきや考察を出していきます
3)そうするとユーザー同士の共通点が浮かび上がってきます。共通するるのをグルーピングしていきます。
【まとめた内容はGoogleスライドでレポート化】
・インタビューの中で浮かび上がってきた課題
・ユーザーが感じている価値
・定性的なデータ
・定量的なデータ
・考察
をレポート化し、チームでシェアします。
【出てきた課題に対する打ち手をチームで考える】
分析で出てきた課題に対する打ち手をチームで考えていきます。これはFigJamを使ってワークショップを行いました。
分析結果から、どのようにプロダクト開発に落とし込むか、今目の前で動いている開発タスクなど含めてどのような重要度、優先度で進めていくかなどを話し合いました。これからこのワークの内容をもとに施策を進行していく予定です。
ユーザーインタビューをやってみて、よかったこと&気づき
・意思決定の際の判断材料になった(他のデータとも組み合わせながら)
・自分たちが想像している想定外の使い方や利用のきっかけなどターゲット層の深堀りができた
・CAMPFIREコミュニティを利用してくれているオーナー、メンバーどちらにもインタビューを行うことで共通の課題や価値を感じていることを発見できた
・CAMPFIREのことを応援してくれている生の声が励みになる
参考にした記事、書籍など
インタビューのHOW TOに関してはこちらをかなり参考にしました。
どちらも具体的な進め方を丁寧に説明してくれているのでおすすめです。
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回の一連のインタビューの中でもたくさん学びがありましたが、今後もっともっとユーザーリサーチ、インタビューに関して深掘りしていきより心地よいサービスづくりに繋げていきたいと思っています。
CAMPFIREコミュニティに、こういう機能があったらいいな、ここを改善してほしいな、というアイディアをお持ちの方は是非こちらのフォームよりご意見をお聞かせください!
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