【句集紹介】俳句納経慶聖寺 伊丹三樹彦句集を読んで
・紹介
仙人のようだーそれが小生が伊丹三樹彦に抱いた感想である。伊丹三樹彦は小生の俳句の先生の先生。小生が伊丹三樹彦の句を本格的に詠むようになったのはつい最近のことだった。小生の先生から、「読んでみなさいと」贈っていただいた二冊の三樹彦句集。その内一冊を精読できたのでアウトプットしたい。
伊丹三樹彦は「東の(金子)兜太、西の三樹彦」と呼ばれるなど、現代俳句界の旗手として常に先頭を走っていた。作風は従来の俳句のそれとはずいぶんと違う。「分ち書き」と呼ばれる、句の中に意図的に空白を作ることによって、句に奥行きをもたせる技術の名手であり、先に述べたように句はまるで、仙人の如く飄々としていて、変幻自在である。(ついでに言うならご本人の風貌も仙人のそれである)
小生厳選10句を読んでいただき、興味があれば是非ご一読していただきたい。
とおもったら非売品だった。吃驚である。興味のある方はお声がけいただきたい。
・厳選10句
結飯喰う宵闇 沙羅も落花音
酒気帯ぬままの一生 沙羅の花
涅槃釈迦 一番星を愛で給う
森林浴 鳥声浴の 涅槃釈迦
ひきつづき食器出す音 雨蛙
この村の戦没碑林 沙羅紅葉
寝仏の足の裏登頂 雨蛙
誰の素魂 寺門を入りたる一螢火
ふむふむと 先師が彫りし不動撫ぜ
永遠の髭はこれぞと 涅槃仏
・作者略歴
伊丹三樹彦。1920年兵庫県伊丹町(現伊丹市)生。13歳から句作開始。1949年、日野草城主宰の「青玄」創刊に参加し、編集、発行を行う。草城没後は「青玄」を継承し主幹となる。以後、第二次「青玄」においてリアリズム・リリシズム・リゴリズムの「三リ主義」を標榜し、超季、分かち書き俳句を推進。1970年、写真と俳句の相乗による「写俳」運動を創始。2003年、現代俳句大賞受賞。現代俳句協会顧問歴任。2019年永眠。享年99。
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