【知っていたら得する?】俳句大会白杯の選者の一人である小生が重視してみる俳句の3つのポイント
*こたつぶとんさん。また画像お借りします!
白杯。近づいてきましたね。近ごろは俳句100本ノックなど、note界隈が俳句で盛り上がっていて、俳句愛好者としてとても嬉しいです。
今回は白杯の応募開始を前に、選者の一人を務めさせていただく小生が、
「選句の際にはここを必ずをチェックする!」
という、俳句の要点を簡潔に3点お伝えいたします。小生の好み云々というより、俳句という文学にある決まりみたいなものです。
勿論、ここでお伝えする点をクリアーできていなくても、圧倒的に素晴らしい1句があったら選ばせていただきます。しかし、同水準の句が何個かあった場合は、チェックポイントを満たせていない句を候補から落とします。その点ご留意いただけたらと思います。
それでは、
・ポイント1
季語は1句に1つ
俳句は17音しかない詩です。故に感動したものをあれもこれもと詰め込むと、作者が一体何に感動したのか読み手に伝わりにくくなってしまいます。そして、俳句は17音しかないという性質上、「言いたい気持ちを季語に仮託する」という手段を多く用います。ですから、投句の前に「1句の中に季語が2つ以上入っていないか」確認しましょう。これを守るだけで、かなり締まった句になります。
・ポイント2
意味の重複する言葉は避けよう
例えば「台風の雨が強くて心配だ」という句があったとします。言いたいことは伝わりますが、そもそも「台風とは猛烈な雨風」のことなので、「雨が強くて」はまるっきり意味が重複しています。また、台風という季語の中には、人間の自然に対する畏れや、人間の存在の無力・脆弱さが感じられるので、「心配だ」という言葉も、あえて言う必要がないように思います。夏井先生風に言えば、「台風を前に心配な気持ちにならないやつがいたら出てこい」というやつです。そうするとこの句は17音を使っていますが、結局「台風」の説明しかしていません。こんな句になっていないか、チェックしてみてください。
・ポイント3
オリジナリティがあるか
当たり前の話ですが俳句は17音しかない文芸なので、自分の作った句と似た句なんて世の中に山ほどあります。特に毎日俳句を作って、毎日色んな俳句を見ている俳人からすると「ああ、またこんな感じの句ね」と既視感に溢れた句によく出会います。別にそれは悪いことではないのですが、そんな中でたまに「個性にあふれた句、独特な感性の句」に出会うと、嬉しくなりますし目に留まります。小生が尊敬する俳人北大路翼の一句「電柱に嘔吐三寒四温かな」。寺山修司の一句「わが夏帽どこまで転べども故郷」なんかはその最たる例だと思っています。難しいことだとは思いますが、是非自分らしい言葉使いをしてみてください。
・終わりに
言うまでもないことでしょうが、俳句の大会なので
・概ね5、7、5の17音で出来ている。
・季語が入っている
という、条件は満たしてください。
そのうえで、お伝えした3つのポイントに気をつけてみてください。
また、これは選者の一人の判断基準です。他の先生には他の先生なりの判断基準があります。そのことはお忘れなきよう。
まあ、いろいろ言いましたが、最終的には皆さんが満足して、楽しんで俳句を作ってくれるのが一番嬉しいです。あまり気負わずに句作してみてください。
それでは皆さんのご参加心よりお待ちしております。
また告知ついでに、現在、ハッシュタグ、
として、ほぼ毎日、今時分の季語を用いた拙句を紹介しています。よろしければご覧になられて、お気に入りの秋の季語を見つけてみてください。そしてその季語でぜひ一句を作ってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。また、小生の記事は全て投げ銭形式になっています。お気に入り記事がありましたら、是非よろしくお願いします。サポートやスキも、とても励みになります。応援よろしくお願いいたします!