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【句集紹介】白熱灯 東國人句集を読んで

・紹介

 房州オンライン句会にもご参加いただいている、東國人先生がこの度第一句集『白熱灯』を上梓されました。ご恵贈いただき誠にありがとうございました。

 滅多なことをいうとお叱りを受けてしまうかもしれませんが、先生の俳句は限りなくロックに近いものだと小生は考えています。そもそも俳句自体が17音のみで詩性を表そうとする、かなり尖った表現手法であります。故に俳人は句を作る時、間延びする言葉を嫌う傾向にあります。「~です」とか言葉自体に奥行きや、余情がないと言葉は言葉の無駄遣いと感じてしまうのです。

 しかし先生の俳句は、そういった言葉を恐れずに、というより自然に17音の中に取り入れます。それでいて、俳句らしい奥行きや詩性が保たれ、むしろオリジナルな世界観が表現されているのだから不思議です。そんな先生の句を小生も詠めたらと思い、俳句に励んでいます。

 本書の帯の言葉が小生が先生の句柄について感じていたことを端的に、情熱的に示されていました。とてもかっこよかったので記しておきます。是非本書を手に取っていただき、「東國人」ワールドを感じてもらえればと思います。

俳句は青年たちだけの文学ではない。
過激な高齢者たちこそ、
この詩型を支えてくれると期待している。
清新な感覚 vs 重厚なキャリア
――そのせめぎ合いが現代俳句を再生する。

筑紫磐井(俳人・評論家)

 東國人先生にご参加いただいている、房州オンライン句会についても紹介させてください。毎月のんびりとしたペースで催している、完全文字ベースのオンライン句会です。登録だけしてもらえたら、参加も自由です。気になった方はお気軽にご連絡ください。

・厳選10句

若者のへへへと笑う雪が降る

君が今君達となり青葉燃ゆ

急ぎゆく蟻を乗り越え蟻急ぐ

花満開肩の力をおぬきなさい

いつまでも平べってえな干鰈

蝉時雨掲諦掲諦波羅掲諦

ピカチュウが転がっている夏休み

どこまでも青田育っている平和

憲法記念日山椒魚は動かない

バイク音残して帰る夜学の子

・作者略歴

 1960年千葉県鋸南町生まれ。幼少から少年期、父親の仕事の関係で、愛知県安城市、静岡県磐田市、鳥取県大山市、北海道今金町などで生活。1988年「青玄」入会。伊丹三樹彦・津根元潮に師事。1995年「青玄」同人。2018年全国俳誌協会第24回全国俳句コンクール協会賞受賞。俳誌「青群」「ペガサス」「蛮」「祭演」に所属。

(本書著者略歴より抜粋)


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