マガジンのカバー画像

創作の糧(皆様の気になった記事を紹介)

98
ライティングや創作のヒントになるような記事。特に再読したい記事をスクラップしています。素晴らしい記事を集めています。ご参考になれば幸いです。
運営しているクリエイター

#詩

言葉はどこに

ボードレールは、「詩人が一人の批評家を含まないことは不可能だ。私は本能にのみ導かれる詩人たちを憐れむ。私は彼らを不完全なものと思うのだ」と言葉をのこしたし、「哲学について勉強するのではなく、自分で哲学しようとすれば、哲学でも芸術論でも同じことだ。丁度、あなたが彫刻を作るのと同じだ。それは、哲学論文風にではなく、詩のようにしか表現出来ないものだ。ぼくら文筆家にとって、言葉は粘土のようなものだ。それをこねあげて、真実に迫る。それは詩人の仕事です」と矢内原伊作が言うと、ジャコメッテ

まいにちが平和であってこそ稲穂

季語▷いなほ( 三秋 ) 現代俳句

「なるほど、本か!」

 英国の代表的なロマン派詩人ワーズワース(William Wordsworth)の"The Tables Turned"(邦訳「発想の転換をこそ」)は、本を捨てて自然に出ようというメッセージを力いっぱいに押し出した痛快な詩である。岩波文庫の『イギリス名詩選』(平井正穂編)に収録されているこの詩に出会ったのは学生時代だったが、生活が苦しかったうえ、本分たる研究(の真似事)のための文献解読にも四苦八苦し、文字通り書物の海に圧倒されている若きわが身を朗らかに笑い飛ばしてくれたものだ

河合隼雄さんの『こころの処方箋』より(4)人間関係について

『こころの処方箋』をあちこち「つまみぐい」のように紹介するシリーズ4回目です。 今回は、人間関係を保つ会話について。 うそは常備薬 真実は劇薬 人間関係を維持することは、あんがい難しいことである。 (一般にひとは)適当なうそを上手に混じえて、人間関係を円滑にしている。しかし、そのような常備薬としての「うそ」も、いつもいつも用いていると、中毒症状がでてくる。 お世辞ばかりで、会話がしらじらしくなり、周りも不愉快になるというのです。 中毒症状に陥らぬためには、われわれ

自分の感受性くらい自分で守ればかものよ。

詩人茨木のり子氏の詩、「自分の感受性くらい」の一節。 自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ 初めてこの詩に触れたとき、衝撃を受けた。 自分が鈍くなっていくこと、 ぎすぎすしていくこと、 目指すところと離れていくこと、 すべてを「何か」のせいにするな、という詩。 厳しい… 厳しいけども。 納得。 人のせいにしたり、環境のせいにしたり、時代のせいにしたりして、「仕方がない」って言いがちだけれど。 何を「感じ」て、何を「感じない」かは、自分で選べることなんじゃないだ