思い出デジカメ『オリンパス OM-D E-M5』
こちらは2012年3月に発売されたオリンパスO-MD E-M5。約1600万画素のマイクロフォーサーズマウントの実力はいかがだったのでしょうか?
…それでは当時の感想と実機で撮影した作例のレポートをどうぞ!
『コレ、買いました。』
すみません。結論から言っちゃいましたね。このあといろいろぐじぐじ書いても「コイツ、結局買ったんだろ」的なバイアスをかけて読んでくださって構いませんのよ、うふふ。
ひと目出会ったその場で恋に落ちるなんて運命の赤いストラップで結ばれているに違いないわあたし達。で、選んだのが黒ボディ。実はいまでも黒いほうを選んだのが正解だったのか悩んでます。おしとやかな銀ボディのほうも捨てがたし。なぜいっそのこと両方買わないのか俺よ?
妻妾同衾で面倒を見る剛毅豪胆資金潤沢さが欲しいでごわす。
このOM-Dはオリンパス歴代デジ一眼中最強の1605万画素。さらにシリーズ最強の高感度特性を備え、そのISO値はなんと最大25600!OM-Dから「高感度域はちょっとね」的な評判は払拭されてゆくはずです。まあ、個人差はありますが作品として許容できるのはだいたい最大感度の半値八掛けと思ってください。それでもなお素晴らしい高感度描写なのではありますが。一升炊きの炊飯器でも五合くらいまでが旨く炊ける目安だな、が僕の経験です。そもそもそんなに感度上げる前にストロボつけろと。
で、このOMDに同梱されている小型ストロボが優れモノ。この小型ストロボはオリンパスのワイヤレスストロボネットワークのトリガーとしても機能しますので多灯撮影も実に簡単。面倒なシンクロケーブルやスレーブユニット無しで調光操作ができるのでこれからはストロボを使用する機会が増えると思います。
そして、そのストロボを装着するペンタ部が主張するカメラデザイン。どこからみても一眼レフカメライメージそのまま。でも正面からが一番格好いいの。あまりカメラのデザインにこだわるわたくめではありませんが、これにはまんまとズッキンドッキンと来ました。
そしてひとたびアイレベルで構えると反応の素早いビューファインダーがこのOM-Dの最大の魅力となっているのであります。両手でカメラを離しながら背面モニターで写真撮るのはいいおっさんには気恥ずかしいものがあったのです。さもなければミラーレス一眼に後付でビューファインダーなんか売りません。このあたり、メーカーも心苦しく思っていたことでしょう。
「せめてファインダーを覗かせたい」と開発が夜なべをしてせっせとこさえただよ的なこのありがたい電子ビューファインダーは約144万ドット。オマケに背面液晶はタッチパネル採用の3.0型可動式有機ELモニター。ボディ内手ぶれ補正は新たに5軸式となり、回転ぶれまでカバーしてシャッター速度換算約5段分の補正パワー。
さらになんと今なら連写速度は約9.0コマ/秒。
もとい、これからもずっと1秒で約9コマ。ちょっと前のプロ用高級一眼デジカメの性能であります。十数年前はどんなプロでもだいたい5コマ/秒くらいで勝負していたもんだぜ若いの。
また、11種類のアートフィルターとアートフィルターブラケット機能が優れモノ。一度のシャッターで全てのフィルター効果写真が撮影されて、どれか一枚くらいはいいやつに当たるだろうよという数撃ちゃ機能でボクはこれが大好き。もちろん好みのフィルター選択にも絞れます。
このOM-Dの確かな描写の魅力を満喫するためにM.ZD ED 12-50mm F3.5-6.3 Ezがキットレンズの任につきました。35ミリ判換算広角24ミリスタート、望遠側はきっかり100ミリ相当という取材撮影に丁度ぴったりの画角をおさえたレンズであります。このレンズのウリのひとつが駆動音の静粛でスムーズな電動ズーム。これは動画を撮影するのに非常に効果的で、HD動画の画質精細からいっても我が家ではもうビデオカメラを買うことはないだろうなと思うクオリティ。スチール写真の場合はズームリングを手前に引くとマニュアルズームになりますので直感的に操作も可。
そしてもうひとつのウリがマクロ機能。
レンズの最短撮影距離が短いのでグッと寄れますよ、というオマケ的なものでなく鏡筒のロックを解除し、ズームリングをマクロ位置に合わせると43ミリ位置で固定され、マクロレンズとして機能します。このとき、レンズ内部でなんらかのトランスフォームが行われたのではないかと思うほどの豹変ぶり。マクロレンズと比べても遜色無い最短撮影距離は20センチは実際にマクロレンズとして使用できる感覚です。寄れるズームという認識ではなく便利ズームと単マクロがドッキングしたようなもんですね。
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