知識をアップデートする方法ーこたつフォトグラファー用

フォトグラファー、特にフリーランスは自分の知識や技術が古くなっていないか、ふと気になる瞬間があるのではないだろうか。もちろん全てについて取り入れていく必要があるわけではないだろう。しかし柔軟な思考を維持していくことは最低限必要ではないか。

自分の経験で言えば、たくさんあるものの、例えば動画とドローン。この二つは需要が増えていった時期に本格的に勉強する、という判断もあったかと思うが、動画は自分で勉強、ドローンには手を出さなかった。もちろん他に時間や資金を投入したいことがあったのだが、こっちに進んで行った人たちの中にはパンデミック中もそこそこうまくやっていた人もいる。

もう少し細かいことでは、スマホの積極的な活用がある。例えば高い位置からの絵が欲しい時には以前は脚立の上に立つ、カメラのモニターのバリアングルを利用したりというのが個人でできる対策だったと思うが、今は一脚にカメラをつけ、スマホの画面を見ながらシャッターを切るというのもよく見かける。さらには撮影した写真はパソコンを通さずそのままスマホで選んで編集、キャプションを付けて送るまでやっている人もいる。

もっともこうやってすでにやっている人の真似をしてもそれで仕事上のアドバンテージが得られるかというと少々疑問でもあるし、正直「自分が撮りたい写真を撮りたい」という思いもある。

さて、前置きが長くなった。

いろんな事情で撮影現場でも一人だったり、講習会に参加しようにも遠かったり、純粋に家庭の事情で時間や資金が割けないこともあるだろう。そんな時はインターネット上で学べることも多い。

「ブラインドマガジン」というサイトを最近見つけたのだが、この中でもっとも興味深かったのは、自分でも知っているような有名なフォトジャーナリストの実践をビデオで追っているシリーズ。ヌーアイメジズという著名エイジェンシーに所属するフォトジャーナリストがどんな機材を使い、現場でどう動き、被写体にはどう声をかけ、帰ってからどう編集するかまでを動画で紹介してくれている。

写真に興味を持ったことのある人なら、著名なフォトグラファーの機材は一度は気にしたことはあるのではなかろうか。まして現場での動き方とかRAW現像の仕方なども気になるはず。それを解説付きで見せてくれる。しばらくは画面に釘付けで見入った。

しかし一応説明を加えておくと、これはエイジェンシーのマスタークラスのPRなのだろう。もっとも大事なことはじっくりは説明してくれない。全部は見ていないが、エディターとの関係の作り方やクライアントへの売り込み、新しい作品のアイデアなんかはおそらくない。フォトグラファーやアシスタント、被写体以外に動画スタッフが入っていることを考えれば、実際の現場で起こりうるトラブルなどは起こり得ない現場なのだろう。

それとフルサイズデジタル一眼は全てニコンだが、おそらくエイジェンシーがニコンと契約しているのだと思う。すでにディスコンとなっているフィルムカメラなどはそれぞれのフォトグラファーが自分で選んだ機材なのかも知れない。

フォトグラファーにとって現場に勝る学習の場はないかも知れない。しかしそれだけでは同じことの繰り返しになっている可能性もある。たまにはインターネット上でもいいから他人の仕事ぶりを覗いてみるのもいいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?