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4歳から一眼レフで写真を撮っています

 かれこれ10年ぐらい前の話になります。娘が一眼レフで撮影をしていると、驚かれることがよくありました。子どもが一眼レフを持ち歩く姿はまだあまり見かけなかったし、まして小柄な娘が持っていると、目立ちますからね。それに、自分の顔と同じ大きさのカメラを構える姿はなかなか滑稽でしたから、いやでも人目を引くわけです。

 「何歳から写真を撮っているの? 」 と、時々聞かれます。写真を撮り始めたのは、3歳すぎぐらいだったと思います。いまどきの小さい子は、携帯カメラやコンパクトデジカメを、よくいたずらしますよね。娘も初めはそんな感じでした。ただ、娘が初めて一眼レフで撮影をしたのは4歳のときで、東京都写真美術館で行われたワークショップでした。

 当時、私はデジタル一眼レフの購入を検討していて、一度、試しに使ってみたいなと思っていました。この時のワークショップは、Canon EOS kiss の貸し出しがあり、しかも、参加条件が、「家族またはグループやカップル」となっていて、子連れでも参加しやすく、私たちには好都合でした。

 ワークショップの1日の流れは、午前中に各自ガーデンプレイス内で撮影し、昼食をはさんで、午後には気に入った写真をプリント、最後に、みんなの写真をカメラマンの方が講評してくださるというものでした。

 参加者への簡単な説明の後、ひとり1台カメラが貸し出されました。私と夫は、それぞれガーデンプレイスへ向かい、撮影を始めました。私は2歳の次女をモデルにシャッターを切りました。2歳児、モデルとしては最強だと思います。私のような初心者でも、自然な表情を撮りやすいですから。ポイントは目線です。子どもの目の高さにレンズを合わせてシャッターを押すと、素敵な写真が撮れますよ。

 そして夫はというと、早々に娘にカメラを奪われてしまったようです。カメラを首からぶら下げて、とても軽快にシャッター音を響かせているカメラ小娘がそこにいました。

 その日、彼女は2時間で約500枚を撮りました。午後、撮った画像を確認してみると、子どもらしい視点の面白い写真が数枚ありました。それをプリントして提出したところ、最後の講評で、講師のカメラマンから『ヤングカメラマン賞(特別賞)』 を授与されました。確かにその日、一番若いカメラマンでしたから。

 そうやって、自分を表現する方法を手に入れた娘は、その後も、写真を通じて、様々な学びの機会を得ることになりました。その一方で、カメラと子どもと育児について、私は考え始めました。娘を観察しながら、娘の友達を巻き込んで、みんなで撮影会をしながら、子どもたちの撮った写真をながめながら。子どもとカメラの可能性について、考えれば考えるほど、このツールを育児に使わないのは、もったいないと思うようになっていったのです。


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