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本 | 生きることとは

ニーチェに関する本を読んでいて、これはすごく私の頭の中と似ているなと思う部分があったので、紹介します。

その時に読んでいた本は、『教養として学んでおきたいニーチェ』です。

そもそも生まれない方がよかったのか?

『悲劇の誕生』の中で、半人半獣の神に「人間にとって一番良いことは何か?」と問うたとき、半人半獣の神は「聞かないほうが良い」と前置きして、「生まれなかったことだ」と答えます。それは質問している時点で不可能なことなので、それでは二番目に良いことを問うと、「すぐ死ぬことだ」と答えるのです。これがギリシャ時代以来のひとつの大きな知恵として伝えられてきたのです。

『教養として学んでおきたいニーチェ (マイナビ新書)』
岡本裕一朗著

私たちは何かと、目の前にあるものは当たり前の当然として考えがちです。
そしてその流れで、生きることは当たり前なことだと考えがちです。
それゆえ、生まれないという発想にまで行き着くのは、思考力が必要なのかなと思いました。

生きることは苦しみなのか?

本書では、半人半獣のエピソードを次のように言い換えています。

「生きるということは苦しみであり、この世界に生まれるというのは、非常に悲惨な出来事である」

『教養として学んでおきたいニーチェ (マイナビ新書)』
岡本裕一朗著

この文章を読んだ時に、これこそ私が時たま感じてしまうことそのものだなと思いました。

私の場合はという前提で話すと、
「どんなに一生懸命に生きたとしても、結局はいつか命は絶える」
「こんなに沢山の人々の努力で積み重なった文明も、いつかは白紙に戻されるかもしれない」
という思いが根底にあります。

そのため、どうせ生きていても、何をなしとげても、結局は無意味なのでは?と考えることがあります。
そして、生きることに意味がないのであれば、なぜ生きるのか?と思うのです。

また、そうして、生きる理由がわからなくなるということは、生きることが苦しいと感じる時間が増えるということだと私は思います。

夜、ひとりでに思考を始めて、
「なんで生きているんだろう?」
「私の人生って何のためのものなんだろう?」
などと思い始めた暁には、もう何もかもが嫌になって苦しくなるイヤーな時間が待っています。

そういった意味でも、生きることは苦しみなのかなと思ったりもします。
そして同時に、生きる苦しみを味わいながら、人生を楽しんでいくことが、最大限人生を活用する方法なのかもしれないと思います。

オワリ

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