キャノンのお爺さん
【キャノンのお爺さん】
このお爺さんをぼくは、「キャノンお爺さん」と呼んでいる。察しの良い方はもうお分かりと思うが、彼はキャノンのコンデジをいつも持っている。
機種名は忘れたが望遠の付いたちょっと大きめのやつだ。野鳥撮影には快適なタイプだろう。
ぼくがこの春、根室の明治公園で野鳥撮影を開始してから、現場でいろいろとアドバイスをもらってきた。いわば大先輩であり大恩人と言ったところか。
今朝は現場で数か月ぶりに会ったせいか鳥話に花が咲いた。ぼくが「ユキホウジロ」の話をすると、彼が若い時に春国岱の砂州先端までスキーで行って写真を撮った話をしてくれた。
「自分も若いころはあちこち行ったが、最近はおっくうになってこの公園だけさ」と話すその目の奥に未だ青年のような輝きが残っていた。
ぼくはこの老人の後ろ姿に、自分の未来を見たような気がした。
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