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ケンブリッジ、ぼんぼん多すぎ問題

日本でよく「学歴偏重な社会」とかいう話聞きませんか?

日本に限らず、イギリスでも学歴は大事です。ただ両国で学歴にまつわる問題意識は多少異なるように思います。そんな中、英国の学歴意識の微妙なニュアンスに迫る手がかりが最近現れたので紹介します!

「自白掲示板」

ズバリ、Facebook上の学生掲示板です!これは学生が匿名で、日々の悩みや面白かった事件などを共有し合うネット空間で、confessions pages(意訳:「自白掲示板」)と呼ばれています。

例えば、ケンブリッジならFacebook上に"Camfess"と呼ばれる掲示板があります。ケンブリッジの学生は約2万人ですが、Camfessのライク数は約1.5万人にものぼり、多くの学生が確認していることがわかります(卒業生や一般人も含まれると思いますが)。

こうした「自白掲示板」はイギリスの各大学にありますが、今回新しいのは、全国の大学を集めた掲示板"Unifessions UK"が誕生したことです(2021年3月)!日本にも同じような役割を果たすメディアがあるのか気になります(かれこれ5年も前のことなので・・・)。

オックスブリッジに対する偏見

この全国掲示板ではすかさず、オ◯クスフォード・ケンブリッジ(略してオックスブリッジ)の学生はお高くとまったぼんぼんだ、といったイメージに基づいたネタが多く飛び交いました。以下に二つ例を紹介します(全て勝手な意訳)。

「オックスブリッジに行かなかった学生たちはなんでオックスブリッジに行かなかったの?どうせなら一番いい大学に行けば良いのに:オックスブリッジの学生より」

「学生が抱える金銭的な問題に関する投稿をみたオックスブリッジの学生の反応:ごめん、それは何か庶民的なジョークかなにか?私には意味がわからない。」

どれも恐らくオックスブリッジの学生ではない方が投稿したジョークですが、だいたいのニュアンスが掴めたのではないでしょうか。つまり、オックスブリッジの学生といえば、上流階級の白人系イギリス人で代々家族がオックスブリッジ出身のエリート金持ちクソヤロウという印象があるわけです(半分冗談で半分本当)。

実際どうなの?

実際に、オックスブリッジは社会的に恵まれた学生が大半を占めており、未だに閉鎖的な空間だと指摘されることが多く、大学側はイメージの回復に躍起になっています。

例えば、近年の調査でいえば、オックスブリッジ合格者は、8つのエリート高校が占める割合とその他約3千の高校を足し合わせた割合が同じで、大きな偏りがあるという報告がありました。

大学側は地方の高校生へのアウトリーチを行うなどで、開かれた存在であることをアピールするほか、毎年公立高校の合格者が何割になりました!と必死に宣伝することでイメージ回復に努めています。例えば、2020年度のケンブリッジ大学の入学者は約7割が公立高校出身と、過去最多になる見込みであることが報道されました

コロナ禍で残念ながら街中で学生をあまりみかけないので、ぼんぼん学生の存在を私自身あまり感じないのですが、そういえば、英国式ダブルブレストジャケットをまとった学生が散歩をしているのをみかけたという目撃情報もありました(普段見かける学生はだいたいジャージです)。

今もそんなヤツ本当にいるのかと思ったものの、日本の大学にも高下駄を履いたバンカラ学生いたな〜と思い出し、その点ではそう違わない気もした。

学歴に関する日英の違い

こうしてみると、イギリスでは社会的な格差により、機会の不平等があるために受験が公平ではない、という意識があるように思います。故に、オックスブリッジ出身者は社会的な身分のおかげで入学することができてズルい、といったニュアンスのジョークが成立するわけです。

一方、日本において学歴について問題とされているのは、勉強という限られた評価軸だけで他人を評価(例えば就活)するのはおかしいんじゃないか?ということじゃないでしょうか(もちろん、塾に通えないと良い大学に入れず、塾には金が必要だ、という議論もありますが)?

つまり前提として、日本ではT大に入ったこと自体は、勉強を頑張った証だと認めていて、それ自体がズルイという意識はさほど(イギリスほど)ないように思います。

と、あくまで、SNS上の限られた意見をもとに勝手に考察した程度ですが、個人的には現実の一側面を表しているように思いました。私としては、そんなにぼんぼんがいるなら、早く会いたいんですがね。

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