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海外移住の前に日本で済ませておくべき10のこと

わたしたちは、現在カンボジアで生活していますが、その前はインドネシア・シンガポールにも計10年ほど滞在していました。

東南アジアは、基本的に気候が穏やかで、食事も日本人にとって馴染み深いもの(米食)が多く、近年では移住先として注目が高まりつつあります。実際に長年暮らしてみて、不便を感じる部分もゼロではありませんが、デメリットを上回るほど「ここでの暮らしが好き!」と思うことが多いです。

もちろん人・場所・タイミングなどによって、海外移住は「合う/合わない」も様々ですが、少しでも海外移住に興味のある方のお役に立てればと思い、自分たちの実体験をお伝えしたいと思っています。




今回は「海外移住の前に、日本で済ませておきたいこと」というテーマでまとめてみました!

海外に移住する際には、移住先での手続き以外に、日本でいくつかの手続きや準備も済ませておくことが大切です。

ここでは、一般的な手続きについて説明しますが、具体的な渡航先・状況によって異なる部分もあるため、個別のケースに合わせて確認をなさってください。

各項目のさらに詳しい内容については、参考ページのリンクを貼っていますので、そちらをご覧ください!



1. 住民登録の転出手続き

1年以上海外に滞在する予定であれば、現在住んでいる市区町村の役所で「海外転出届」を提出する必要があります。「海外転出届」を出すことにより、現住所での住民票は「除票」され、住民税の支払いの必要がなくなります。

海外転出届は、転出日の約2週間前から届出が可能です。住んでいる市区町村の役所で手続きをしましょう。

届出には、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カードなど)が必要になりますので、忘れずに持っていってください。

【例】横浜市の場合の海外転出届
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/todokede/koseki-juminhyo/touroku/kokugai-tensyutu.html

2. 税金関連の手続き

移住前に税金関連の手続きを済ませておきましょう。国税庁や地方税務署で確定申告を行い、未納の税金があれば清算しておく必要があります。

自分自身は、大学を卒業してすぐ(新卒)のタイミングで、海外の会社に就職したため、税金関連の手続きは必要ありませんでした。税金関連の手続きが必要な方は、ご自身で確認されるか、専門の方に相談してみてください。

▼国税庁ホームページ「給与所得者の方で国外転出を予定されている方へ」
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/kokugai/

3. 健康保険の手続き

海外に移住すると、国民健康保険から抜けることになります。上記の住民登録の転出届と同じタイミングで、保険料の清算や手続きを行いましょう。必要に応じて、ご自身で海外での医療保険への加入を検討してください。

【例】江戸川区のホームページ
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e053/qa/kurashi/kokuho/kokuho10.html

4. 銀行口座の整理

不要な銀行口座を整理し、残高を確認しておきましょう。原則的に、多くの銀行では海外居住者は日本の口座を維持することができません

ただ、ソニー銀行は日本国籍の方であれば、海外に移住した後も、引き続きソニー銀行の口座を利用することができるので、気になる方はチェックしてみてください。

また、海外に移住すると日本の証券口座はほとんどのケースで解約が必要になります(放置したままで、海外在住であることが発覚すると、最悪口座が凍結される可能性も……)

▼ソニー銀行「海外転勤・留学などをご予定の皆さまへ」
https://moneykit.net/visitor/support/support01.html

5. 運転免許の国際免許化

海外で運転する予定がある場合は、日本での運転免許を国際免許に切り替えておくと便利です。「海外で運転する予定はないかな」という方は、そのままで問題ありません。

ちなみに、海外に転出すると日本で使える身分証の大半が使えなくなります。健康保険証やマイナンバーカード、公共料金の支払い控えなど、こういった証明書は、海外在住者は持つことができません(*今のところ、マイナンバーカードは海外転出の際に返納することになります)

パスポートでは身分証として認めてもらえないケース(役所など)があるので、そうした際に運転免許証を持っていると非常に便利です。

▼警視庁「外国免許・国外運転免許証関係」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/kokugai/

6. 重要な書類の保管

重要な書類をきちんと整理しておくことも大切です。日本にいる間しか申請・取得できない(もしくは取得に手間がかかって大変な)書類は、出国前にあらかじめ準備しておきましょう。

移住先の申請内容によっては、戸籍謄本(抄本)や無犯罪証明書、大学の卒業証明などの提出が必要になることもあります。海外から申請すると非常に大変なので、日本にいる間に前もって準備しておきましょう。

7. 年金手続き

海外に移住すると、年金の支払いは「任意」となるため、基本的に払う必要はなくなります。そのため、日本の年金を払わないという選択も可能です。

一方で、日本国籍の方であれば、国民年金に任意加入することができます。将来の受給額も変わってくるので、ご自身でどちらのパターンが良いのか吟味してみてください。

どれぐらいの期間で海外に滞在するのか、といった部分にも大きく関わってきます。国によっては、永住権を取得することでその国の年金システムに加入することもできるので、移住先によってパターンはさまざまです。

もしくは海外で個人年金に加入する方法もあります。日本と比較し金利・利回りが高いことから老後資金確保として需要がありますが、リスクはゼロではないので、この辺りもご自身でよく吟味なさってください。

▼日本年金機構「海外への転出/海外からの転入 海外在住の皆さま」
https://www.nenkin.go.jp/service/scenebetsu/kaigai.html

8.健康診断&歯科健診

出国前に健康診断を受けておくことを強くおすすめします。海外の移住先では、日本と同じような医療サービスを受けられないこともありますし、海外で受診すると医療費が高額になる可能性もあります。

不慣れな言語で受診するのも簡単なことではないので、できるだけ日本で必要な治療を済ませておきましょう。

また、歯の治療に関しても同様です。虫歯などの治療は、保険が適用されないこともあり、特に治療費が高額になりやすいです。

親知らずがある方は、出国前に日本の歯医者さんで抜歯の必要があるのか相談しておきましょう(わたしは移住までに親知らずを3本抜きました……)。親知らずの生え方によっては、抜歯に時間がかかることもあるので、早めに受診するのがおすすめです。


9.日本の電話番号の取得

場合によっては、日本の電話番号の維持が必要になるケースがあります。特に、銀行・クレジットカード関係で、登録情報の確認・認証のためにSMSを受け取る必要がある場合があります。

そのため、わたしの場合は日本の電話番号をひとつ維持するようにしています。

登録情報の変更は、それほど頻繁にするものではありませんが、銀行やクレジットカードに紐づいた情報となるため、自分自身で管理できるようにしておかないと、ひじょうに厄介です。

私自身、海外生活を始めた当初、銀行に紐づいた携帯番号をそのまま解約したため、いざSMS認証が必要になった際にとても苦労しました。
(窓口に電話し、携帯番号が変わった旨を伝え、登録住所にはがきが送られ、はがきに記載されたパスワードをネット上で入力という手順を踏みました)

現在は「ジャパンSIMカード」を購入して、この電話番号で登録をしています。

初回の購入にはSIM代金が必要になりますが、使わなければ使用料なしで電話番号の維持が可能です。(年間維持費8USD)

電話番号を維持するサービスは他にもいくつかありますが、どれくらいの頻度で日本へ一時帰国をするかで選択が変わってくるかと思います。(私たちの場合は、年に1回程度です。)

以下のリンクより「ジャパンSIMカード」を購入すると10USDのクレジットがもらえます。ぜひご利用ください。

10.本人証明が必要な登録

フリーランスとして仕事をするために、クラウドソーシングのサイトに登録をする必要があります。その際、本人確認書類の提出が求められます。

サイトによって確認書類は異なりますが、たいていの場合以下の書類となっています。

  • パスポート(※2020年2月4日以降に発行されたものは対象外)

  • 運転免許証 / 運転経歴証明書

  • 健康保険証+住民票

  • 住民基本台帳カード

海外に転出する前に、本人証明をしてしまえば問題ないですが、転出後に手続きする場合は、自身が持っている身分証にご注意ください。

上記のうち、健康保険証、住民票、住民基本台帳カードは、海外への転出手続きをすると、同時これらの書類を返納することになります。

「パスポートを持っているから大丈夫」という方も、そのパスポートの発行日に注意が必要です。

2020年2月4日以降に発行されたものは、パスポート最終ページにあった住所記載欄がないため、本人確認書類として使用できません。

以前のパスポートの住所記載欄は、自分自身で手書きで記入するものでした。「自己申告で記入する住所」は認められるのに、記入欄がなくなったパスポートが認められないという謎のシステムになっています。

そのため、海外在住者にとって、日本のサービスを利用する際に身分を確認する唯一の手段が「運転免許証」ということになります。

運転免許証を持っていない方は、「原付免許」だけでも取得しておくことをおすすめします。(きちんと勉強すれば1日で取得が可能です)

免許の有効期限にも注意が必要です。

近年、日本への出入国の際、税関でのスタンプが廃止されていますが、更新期限外での手続きをする場合、出入国の記録を確認されることがあります。

パスポートへのスタンプ押印をしてもらっておくと安心です。
(スタンプがない場合、法務省へ開示請求を行わないといけません)


これらの手続きは一般的なものであり、具体的な状況によっては他にも様々な手続きが必要となります。

移住先の国や地域の法律や規定を確認し、移住計画に合わせて必要な手続きを進めるようにしましょう。また、日本での手続きには時間がかかることもあるので、余裕をもって計画的に行うことが大切です!


ただでさえ、やることの多い海外移住。
少しでもスムーズに進められるよう、事前に必要な情報を整理して、見落としのないように注意してくださいね。



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