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娘に真実を伝えた話

注)中学生以下のお子さんは読まないでください。

中学生になったから

長女が中学1年生のクリスマス前。
私は、娘に真実を伝えることにした。
もう、中学生だし、受け止めてくれるだろう、と。
たまたま、次女も早く寝て、リビングには私と長女だけ。
私は、意を決して、口を開いた。
「ちょっと、話があるんだけど」
娘はちょっと身構えて、
「なに?」と私を見た。

真実の告白

「中学生になったし、そろそろ、本当のことを言っておこうかと思って」
私が切り出すと、娘は、ちょっと眉をひそめた。
「実は・・」
そういったところで、娘は自分の耳をふさぎ、大きく頭を振った。
「嫌!聞きたくない!」
まさか、そこまで拒絶されると思っていなかったので、私は少し狼狽えた。
「聞きたくないって。何の話が分かってるの?」
すると、娘は
「小さいころから、ずっと、お母さんにもお父さんにも似てないって言われてきて、もしかして、って何回も思ったけど、はっきり聞きたくはない!そんなん言われたら、どうしてええかわからん!」
と、叫びだした。
私は、娘の両肩をしっかりとつかみ、真正面から娘の目を見て言った。
「サンタクロースはおらん!」
は?
娘のポカン顔が、次第に笑顔に変わっていく。
「なに、それ・・」
「中学生になったし、いつまでも、お母さんがサンタクロースやるのも大変やし、真実を告げて、楽になろうかと思って」
そう私が言うと、

真実の向こう側

娘は、あっさりとこう言った。
「お母さんがサンタクロースなんて、だいぶ前から知っとるよ。」
今度は私がポカン顔
「知ってた?いつから?」
娘はマウントを取ったように
「えー、4年生の時かな。朝早くにお母さんがプレゼント置きに来たとき、起きてて、あー、やっぱりお母さんなんだ、って思った。」
それを今まで黙ってたってこと?
私は、疑問をぶつけてみた
「なんで、知ってて言わなかったの?」
すると、娘は、さも当たり前のように
「だって、お母さん、サンタ信じてないと、プレゼントはもらえん、ってずっと言ってたやん。」
と言われ、確かに、そう言ってたと反省。

娘からの逆襲

「ところで、お母さんに注意したいことがあるんよ。」
と娘。
「なに?」
と身構える私。
「M(妹)のクリスマスプレゼントのどうぶつの森、スマホで検索してたろ。」
「なんで、知ってるん?」
と慌てる私。
「この前、Mがお母さんのスマホでなんかを検索してたら、検索履歴にどうぶつの森が出てきて『これ、お母さん、なんで調べたんだろ、やっぱりお母さんがサンタさんなんかな?』って聞いてきたから、『ちがうよ、私がどうぶつの森、ほしくて、いくらするか調べたんよ」ってごまかしたから、今後からは気を付けて、検索履歴消した方がいいよ」
と、どっちが親がわからない状態に。
「わ、わかった、気を付ける、ありがとう。」

終わりに

こんな形で、娘にサンタクロースの真実を告げた結果、
逆襲にあってしまったというお話です。
(事実を元に、ちょこっとだけ、脚色しました)
これは、もう10年前の話。

しかし、娘が私や夫に似ていないことを、そこまで気にしていたと
思っていなかったので、正直驚きました。
自分が本当の子供ではないかも?と長いこと不安にさせてしまったこと、
なにげない「どっちにも似てないね。」という言葉が、娘を傷つけていたことを知ることになりました。

私に似ていいところなんて何もないので、似てなくてよかったと思っていたのですが、今でも、娘は嬉しそうに
「この写真の私とお母さん、似てない?」と言ってくるたびに、
この子にとっては、それは嬉しいことなんだと、つくづく実感します。

子供は、意外なところで傷つき、思いもよらない不安を抱えているものです。
自分の思い込み、「似てなくてよかった」を捨てて、もっと似ているところを探して、伝えてあげればよかったと思います。

足の形の悪いのとか、アトピーだとか、似ているところでいところが見つかりませんが、そんなことでも、親子を感じられるなら、いいとしましょう。

あ、ちなにみですが、娘は正真正銘、私と夫の子供です(笑)

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