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自己主張はわがままではない

1.私たちは、誰もが自分らしくあってよい
これは、私たちは自分の気持ちや考えを持ち、個性を大切にしてよいということです。
2.人は誰でも自分の気持ちや考えを表現してよい
これは「自己表現の権利」といわれ、アサーションと密接に結びついています。

アサーション入門
平木典子 著

#最近の学び

最近、平木典子先生の「アサーション入門」という、アサーティブコミュニケーション(自分も相手も大切にする自己表現)の本を読みました。そこで、「自己主張はわがままではない」ということを学びました。これまで、自己主張というと、わがままを言っているというイメージがあり、なかなか自己主張できなかった私にとって、新たな発見であり、気づきでした。そして、今までの自分をふりかえりつつ、自己表現の大切さについて考えてみました。

どうして、自己主張できないか?

以前、スーパーのATMコーナーに、泣いている子供とお母さんが並んでいました。そのお母さんが泣いている子供に「周りをみて、誰も泣いてないよ」と言っていました。
そうやって「なぜ泣いているのか」は聞いてもらえず、「誰も泣いていないから、泣くのをやめるように」と言われていると、「泣くほどつらい自分の気持ち」は表現してはいけない、あるいは、表現してもわかってもらえない、と思ってしまいます。

私たちの多くは、謙虚であることや、人に合わせること(人と同じであること)を求められ、幼い頃からそう教育されてきました。
「あれが、ほしい」と言うと、
「わがままを言わないの」と言われ
「これは、やりたくない」と言うと
「みんなやっているんだから、やりなさい」と言われてきました。

そこで、自分の気持ちを言うことは、「わがままでいけないこと」と認識し、「人と違うことをしてはいけない」と学んできたのです。

だから、心のどこかで、自己主張をしない私は、
謙虚で協調性のある「いい人」だと思っていて、自己主張しないことは
いいことだと思っている節があったのです。

これが、大きな間違いでした。

たしかに、なんでも相手も言うことを受け入れて、相手に合わせていたら
相手からみれば、「いい人」あるいは「都合のいい人」と思われるかもしれません。ですが、自己主張をしなければ、相手に自分の気持ちが伝わることはありません。自分が、我慢をして相手に譲ったとしても、その気持ちは伝わらないので、感謝もされません。そして、最悪、自己主張しない自分は、相手から、軽んじられて、無下に扱われたりします。
例えば、DVを受けている人は、「やめてほしい」と自己主張できない人が多いと言われています。また、いじめやパワハラを受けている人も「傷ついている」と言えないために、やっている方は、その人がそこまで傷ついていると気づかず、行為がエスカレートする場合もあります。

そこまでいかなくても、普段の生活の中で納得できなくても、譲ってしまうことがありますよね。嫌われたくないから。いい人だと思われたいから。

譲っても感謝されない、相手は自分の気持ちを察してくれない、そのことがストレスになってしまいます。些細なことでも、何度も続けば、大きなストレスになります。
「あんなにおとなしい人が、こんな事件を起こすなんて」の原因はこれです。

1.私たちは、だれもが自分らしくあってよい
2.人は誰でも自分の気持ちや考えを表現してよい

人と同じでなくてもいいんだ、と思っていいのです。自分の考えを押し付けてくる人に「私はそう思わないけど」と伝えていいのです。
そして、それはわがままではなく、自分の権利「人権」を守っているに過ぎないのです。

そうはいっても、「謙虚」と「人と同じであること」を教え込まれた私たちは、その「自分の思いを伝える」ことがなかなかできません。

そこで、かの有名なアドラーの「嫌われる勇気」が必要になるんです。

「嫌われる勇気」というと大げさですが、こういう法則があります。
「2:6:2の法則」
これは、2割の人は自分を好き、6割の人はどうも思っていない、残り2割の人には嫌われるという法則です。

どんなに我慢していい人を演じていても、2割の人には嫌われてしまうんです。所詮、全人類に好かれることなど、不可能なんです。だったら、必要以上に嫌われることを恐れなくてもいいですよね。

そして、相手に気持ちを伝えず、相手のいいなりで生きていると、自分ではなにも決断できない人間になってしまう恐れがあります。自分で決断していないから、なにか悪い結果になった時、相手の責任にしてしまう、責任転嫁してしまう人になってしまいます。

自己主張はわがままではない

自分の気持ちを大切にして、それを表現することは権利であり、だれもがやっていいこと、です。

ただ、気を付けないといけないのは、自分の気持ちや意見を押し通すこと。
これをやると「わがまま」になります。

自分の自己主張と相手の自己主張がぶつかり合ったら、お互いに関心を寄せあって、譲れるところは譲り合って、結論に持って行く作業が必要になります。これが、アサーティブコミュニケーションです。
自分の気持ちを伝えたら、相手の反応を観察して、受け止め、また相手から受ける主張にも関心を寄せること。それがコミュニケーションにおいては、大切です。

アサーティブコミュニケーションができれば、自己主張の苦手な私も、臆することなく、自分の気持ちを伝えることができるようになると思うのです。

アサーティブコミュニケーションは、その考え方を理解しても、トレーニングを積まないと、なかなか実践できないものです。これから、もっとたくさんのアサーティブコミュニケーションや、アサーティブコミュニケーションのトレーニングに関する本を読んで、自他尊重のコミュニケーションを身に着けたいと思います。

そして、多くの人がアサーティブコミュニケーションを身に着けたら、人間関係の悩みがものすごく減って、今よりもっと生きやすい世の中になるだろうと期待せずにはいられません。

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