見出し画像

縄文の人々を想う ~中飯降(なかいぶり)遺跡~ 【和歌山・かつらぎ町】

6月29日土曜日、ライター部員5人でかつらぎ町の中飯降遺跡を取材しました。
案内してくださったのは、かつらぎ町役場職員・和田大作さん。
私はかつらぎ町に30年以上住んでいますが、中飯降遺跡は全く知らないままでした。 
この日は和田さんに詳しくご説明していただき、とてもありがたかったです。

中飯降遺跡では縄文時代から中世までの集落の、大型堅穴建物の遺跡が四棟発見されました。
そのうち一棟が京奈和自動車道橋脚建設の為、発見地東側に移設されました。 この移設するための現代の技術もとても素晴らしいです。
簡単に言えば、遺跡に特殊な溶液を流し込み型を取って、それをそのまま東側に移設するのです。

この西日本最大級の大型竪穴建物は出土した土器から、縄文時代後期前葉のものと推定されています。柱の基礎をしっかり石で固めて、墓と考えられる埋設土器も多く伴っています。

建物を復元すると、周堤をもち、外壁が立ち上がる壁立ち式で、平面積約180平方メートル、高さ約12mにもなる立派な建物です。

家の中には地床炉があり、堅穴内周にはテラス状の段があります。
その構造から、大家族の住居とも、また集会所であったとも考えられています。
関東や九州など他の地方の特徴を持つ土器も出土しているため、中飯降遺跡は大きな拠点の一つであったのかもしれません。

私の頭の中では色々と想像が膨らみます。
「縄文時代、この辺りはいくつかの集落の人々が集まって賑やかで、遠く離れた土地からの人々とも交流もあり、豊かな場所で平和に日々暮らしていたのかな……」
そう思うとなんだか嬉しくなりました。

和田さんには、部員からの色々な質問に丁寧に対応して頂き、とてもありがたかったです。
梅雨のさなかで雨の心配もしましたが、明るい曇り空でそんなに暑くもなく、時間がとても早く過ぎてゆきました。
和田さん、また機会がありましたら、是非よろしくお願いいたします。

                           (森田真智子)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?