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妖精の時間

人の相談ほどセンシティブなものはない。

仕事や恋愛、お金や近所のこと。聞かされているこちらは何を言えば、この人は納得するのかをチラチラ考えていたりする。

そもそも解決策を聞きたい案件と共感して欲しい案件に分かれているが、大抵後者の方が多い。
厄介だ。極めて厄介だ。

相槌も適当には打てない。私は大体3パターンを駆使する。

①へぇーそうなんだ
②なるほど
③わかるかも

この3つしかないので、相手に申し訳ない。
しかしそんなことよりも聞いて欲しい、共感して欲しいが勝つのだ。
そこまでして聞いて欲しい悩みなのかと聞かれると、どうなのか。共感が明日の糧になるのか不思議である。


ハッキリ言って私にはどうでも良い。
冷たく聞こえるだろうが、昔から楽観的な私にはどうにかなるんじゃなーい。それよりさ、隣のメチャクチャ怖い顔のおじさんがさ、プリンアラモードのさくらんぼ先に食べるか、後に食べるか迷ってソワソワしててすごく可愛かった。食べた後のこよりを白いペーパーに丁寧に包んでいたとかの話の方が気になるわけで。


目の前で真剣に話している人には申し訳ない話です。そんな中最近私は④つ目の手法を編み出した。
それは

④妖精ポジション

妖精ポジションとは、いるのか、いないのかわからないように気配を消し、話を聞いているフリをしながらも同意も反対もしないこと。
頭の中ではW&WのRave After Raveなんか流したら完璧。

妖精なので、軽やかに聞いているフリもする。
適当な相槌なんかもっての他。
相槌にもアクセントをつけよう。
妖精は公正中立な機関なので、聞き流すことも大切。絶対に誰かに加担してはいけない。


この妖精ポジションはふざけている訳ではない。
お互いに嫌な時間を与えることも無い。
これが良いかと言われたら、それまでだが聞かされているこちらにとっても貴重な時間だ。
音楽くらい好きなものを流したい。


④つ目は見つかったが、相談についてわかったことがある。
話す前には相手に聞いて欲しいだけなのか、解決策が欲しいのか明確にする。
人の悪口は極力避ける。
相手の時間を搾取していることを忘れない。



そして何より相談相手をきちんと選ぶべき。

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