二次障害予防!二種のアセスメント
教育において精神論は宗教です。
しかも排他主義の。
私は上下関係に厳しく教えられました。
「先輩の言うことを聞くものだ。」
その結果、子どもにも同じことを求めました。
「当たり前」に。
疑うことなく。
結果、二次障害を助長してしまったのかもしれません。
教育者が精神論の洗脳から解き離れる手段。
それは「アセスメント」です。
今回のテーマはアセスメントです。
子への誤った対応を防ぐためにアセスメントを行います。
アセスメントとは「分析と評価」。
大きく分けて二種類のアセスメントがあります。
「フォーマルアセスメント」と「インフォーマルアセスメント」です。
以下二種類のアセスメントについてまとめていきます。
フォーマルアセスメント
課題となる行動の背景に、「能力の低さ」があるかを調べる。
それがフォーマルアセスメントです。
WISCなどの知能検査は、本人の持っている複数の認知能力を図ります。
具体的にはWISK(現WISC™-V知能検査)で測れる力は以下のものです。
これらの認知能力を測り児童の特質を把握します。
分析する際は、全体的なIQよりも各能力のバラツキをよく見ることが大切です。
このように児童の数値から支援を客観的に考えます。
☑︎アセスメント
↓
☑︎得意な力と苦手な力の把握
↓
◎強みを生かして活躍の場面
◎苦手な能力のカバースキル
フォーマルアセスメントのメリット。
それは本人の状態を「数値」で表せる点です。
数字という客観性。
保護者、学校教員立場、状況が異なる人でも、同じ物差しで支援を考えられます。
しかし、検査で測ることのできない特質もあります。
🔺モチベーションの能力や不安の強さ
🔺こだわりの強さ
🔺不注意 多動性 衝動性など
これらの検査では図ることができません。
あくまで一部の能力であり、本人のすべての力を数字にすることはできないと言う前提に立つことが大事です。
検査で測れない特質はインフォーマル(行動観察等)が頼りになります。
インフォーマルアセスメント
検査で測れない特質を考慮するためにも生活学習の様子を記録する行動観察が必要となります。
しかし、行動観察は評価が主観的になることがあります。
(、、、これが精神論の洗脳です)
人によって評価が違うと、チームでの共通認識も難しくなります。
人の価値観によって、「過小評価」 or 「過大評価」が起こりやすいです。
フォーマルアセスメント
➕ 数字の客観性
➖ 測りきれない特質
インフォーマルメント
➕ 検査では測れない特質理解
➖ 観察者による主観性
主観を防ぐための観察手法として有名なものがABA(応用行動分析)です。
「行動」とその前後を合わせた「原因」「結果」を記録するのがABA (応用行動分析)です。
ABA【ABC分析】
発達障害支援の中でも、エビデンスレベルが特に高く、世界中で活用されているのがABA(応用行動分析)です。
原因、行動、結果の3つを記録分析し行動を変える考えです。
AとCがあり、初めてBの行動が起こります。
行動だけを変えるのではなく「A原因」と「C結果」含めて観察し記録することが大切です。
アセスメントA【時・場・人】
行動の原因(A)は、「時間・場所・人物」などの状況に影響されます。
特にショックを受けたことや、精神症状などが背景にあるとき、
(苦手な人がいるところで、不安になるなど)
問題となる行動につながりやすくなります。
「時間・場所・人物」などの状況を整理すると以下のようになります。
①「特定の時間」に発生する問題行動例
②「特定の場所」で発生する問題行動
③「特定の人物」で発生する問題行動
④「特質・時期」で発生する問題行動
実際の記録では「B 行動」に具体性をもたせます。
行動を変えるためにもAの原因状況をしっかりと観察してアセスメントしましょう。
アセスメントC【強化・弱化】
食事をしたらおいしかった人、いまいちだった人もいます。
結果が良ければ、次も同じ行動を取る可能性が高まります。
結果から行動頻度が高まることを「強化」といいます。
一方、結果が悪かった場合、同じ行動を取る可能性が減ります。
結果から行動頻度が下がることを「弱化」といいます。
人間は、「強化」と「弱化」を繰り返し「行動」が変化していきます。
子どもはある行動を周りから褒められるとその行動を「強化」します。
反対に叱られると「弱化」します。
辞めさせたい行動には「弱化」をしますが、弱化をしすぎると無気力・反抗になり二次障害につながります。
「弱化」よりも「強化」
弱化ばかりしていないか記録分析しましょう。
以上、
検査によるフォーマルアセスメント。
ABAを用いたインフォーマルアセスメント。
2つを組み合わせた包括的アセスメントを進め支援をしていくことが大切です。
ABCを言い換えると、
A原因 =「過去」
C結果 =「未来」
B行動 =「今」
と捉えることができます。
「今」を中心に据えて「過去」と「未来」をみつめる。
それこそ子どもを導く手段なのかもしれません。
一神教で排他主義にならぬよう、博愛精神でアセスメントしたいですね。
次回、ABA (応用行動分析学)をさらに深く解説していきたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
【参考 引用】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?