見出し画像

二次障害予防!二種のアセスメント

教育において精論は宗教です。
しかも排他主義の。

私は上下関係に厳しく教えられました。
「先輩の言うことを聞くものだ。」

その結果、子どもにも同じことを求めました。
「当たり前」に。
疑うことなく。

結果、二次障害を助長してしまったのかもしれません。

教育者が精神論の洗脳から解き離れる手段。
それは「アセスメント」です。

今回のテーマはアセスメントです。



子への誤った対応を防ぐためにアセスメントを行います。
アセスメントとは「分析と評価」。

大きく分けて二種類のアセスメントがあります。
「フォーマルアセスメント」と「インフォーマルアセスメント」です。

・フォーマルアセスメント
 →検査ツールを使った問題形式の分析

・インフォーマルアセスメント
 →日常生活などの行動観察など

以下二種類のアセスメントについてまとめていきます。


フォーマルアセスメント

課題となる行動の背景に、「能力の低さ」があるかを調べる。
それがフォーマルアセスメントです。

WISCなどの知能検査は、本人の持っている複数の認知能力を図ります。
具体的にはWISK(現WISC™-V知能検査)で測れる力は以下のものです。

 ・全体の知能を表すIQ
 ・言語理解指標(VCI)
 ・視空間指標(VSI)
 ・流動性推理指標(FRI)
 ・ワーキングメモリー指標(WMI)
 ・処理速度指標(PSI)
(詳しくは私も勉強して今後記事にしようと思います!)

難しい用語がいっぱい💦勉強しときます。。


これらの認知能力を測り児童の特質を把握します。

分析する際は、全体的なIQよりも各能力のバラツキをよく見ることが大切です。

(例) 
言語理解得点:80
視空間得点:120
→平均:100

❌ 平均が100だから問題ない。。。?
⭕️ 言語理解は苦手かぁ。
  視空間が得意だから視覚支援を中心に行おう!

平均に騙されるな😅


このように児童の数値から支援を客観的に考えます。

 ☑︎アセスメント
 ↓
 ☑︎得意な力と苦手な力の把握
 ↓
 ◎強みを生かして活躍の場面
 ◎苦手な能力のカバースキル


フォーマルアセスメントのメリット。
それは本人の状態を「数値」で表せる点です。
数字という客観性。
保護者、学校教員立場、状況が異なる人でも、同じ物差しで支援を考えられます。

しかし、検査で測ることのできない特質もあります。

🔺モチベーションの能力や不安の強さ
🔺こだわりの強さ
🔺不注意 多動性 衝動性など

これらの検査では図ることができません。
あくまで一部の能力であり、本人のすべての力を数字にすることはできないと言う前提に立つことが大事です。
検査で測れない特質はインフォーマル(行動観察等)が頼りになります。


インフォーマルアセスメント

検査で測れない特質を考慮するためにも生活学習の様子を記録する行動観察が必要となります。

しかし、行動観察は評価が主観的になることがあります。
(、、、これが精神論の洗脳です)

人によって評価が違うと、チームでの共通認識も難しくなります。
人の価値観によって、「過小評価」 or 「過大評価」が起こりやすいです。


 フォーマルアセスメント
➕ 数字の客観性
  ➖ 測りきれない特質

インフォーマルメント
      ➕ 検査では測れない特質理解
   ➖ 観察者による主観性

数字 VS 精神


主観を防ぐための観察手法として有名なものがABA(応用行動分析)です。
「行動」とその前後を合わせた「原因」「結果」を記録するのがABA (応用行動分析)です。

A:原因 状況

B:問題行動

C:結果


ABA【ABC分析】

発達障害支援の中でも、エビデンスレベルが特に高く、世界中で活用されているのがABA(応用行動分析)です。
原因、行動、結果の3つを記録分析し行動を変える考えです。

例.  駅前のレストランで食事をする行動

A(原因):お腹が空く
↓ だから
B(行動):食事をする
↓そして
C(結果): お腹がいっぱいになる

AとCがあり、初めてBの行動が起こります。
行動だけを変えるのではなく「A原因」と「C結果」含めて観察し記録することが大切です。

行動は原因と結果に影響する💡

アセスメントA【時・場・人】

行動の原因(A)は、「時間・場所・人物」などの状況に影響されます。
特にショックを受けたことや、精神症状などが背景にあるとき、
(苦手な人がいるところで、不安になるなど)
問題となる行動につながりやすくなります。


「時間・場所・人物」などの状況を整理すると以下のようになります。

①「特定の時間」に発生する問題行動例

A「特定の時間」→ B『問題行動』
 ☑︎学校の国語の授業中→教室を飛び出す
 ☑︎家でゲームするとき→切り替えられず怒る
 ☑︎薬切れる時間→特質症状再発する
 ☑︎疲労、空腹、週始め→やる気出ない
 ☑︎ショッキング出来事→興奮状態など

時間が影響⏰

②「特定の場所」で発生する問題行動

A「特定の場所」→ B『問題行動』
 ☑︎臭い、騒音→机をたたく、癇癪
 ☑︎負の記憶ある場所→興奮、泣き出すなど

場所が影響🏠

③「特定の人物」で発生する問題行動

A「特定の人物」→ B『問題行動』
 ☑︎先生に怒られる→教室逃亡
 ☑︎いじめ→不登校
 ☑︎大人の対応が不一貫→対人不安
 ☑︎人が多く騒々しい→遊び出す
 ☑︎甘えられる家族→わがまま言い出すなど

人が影響👦

④「特質・時期」で発生する問題行動

A「特質・時期」→ B『 問題行動』
 ☑︎多動性→離席
 ☑︎LD→文章が読めず困っている
 ☑︎思春期→大人への反発 など

特質が影響👶
原因をつきとめろ🔍


実際の記録では「B 行動」に具体性をもたせます。

 ❌パニックが多い
 ↓
 ⭕️3日に1回パニックが起こる

 ❌授業がつまらなくなりふざけていた
 ↓
 ⭕️国語の教科書を音読するとき、窓の外を5分見ていた

数字を入れると具体性⭐️

行動を変えるためにもAの原因状況をしっかりと観察してアセスメントしましょう。


アセスメントC【強化・弱化】

食事をしたらおいしかった人、いまいちだった人もいます。
結果が良ければ、次も同じ行動を取る可能性が高まります。
結果から行動頻度が高まることを「強化」といいます。

B:レストランで食事をする
↑ 強化!(また今度も来よう❤️)
C:おいしかった

再行動🔥
行動の再現率が高まる!😀


一方、結果が悪かった場合、同じ行動を取る可能性が減ります。
結果から行動頻度が下がることを「弱化」といいます。

B:レストランで食事をする
↑ 弱化…(もう来るの辞めよう💦)
C:いまいち

非行動☠️
再現率さがる😭

人間は、「強化」と「弱化」を繰り返し「行動」が変化していきます。

子どもはある行動を周りから褒められるとその行動を「強化」します。

(例1) お皿を運ぶ手伝い行動
B:お皿を運ぶ
↑ 強化!(また手伝おう❤️)
C:「ありがとう」=褒める

ほめるは強化❤️

反対に叱られると「弱化」します。

(例2) お皿をわってしまう行動
B:お皿を運ぶ途中でわる
↑ 弱化!(もう手伝いやめよう💦)
C:「なにやってるの!」=叱る

怒るは弱化💀

辞めさせたい行動には「弱化」をしますが、弱化をしすぎると無気力・反抗になり二次障害につながります。

弱化の副作用💊


「弱化」よりも「強化」

弱化ばかりしていないか記録分析しましょう。


以上、
検査によるフォーマルアセスメント。
ABAを用いたインフォーマルアセスメント。
2つを組み合わせた包括的アセスメントを進め支援をしていくことが大切です。

今日のまとめ
☑︎アセスメントには「検査によるフォーマルアセスメント」と「行動観察のインフォーマルアセスメント」の二種類がある。
☑︎フォーマルアセスメントは客観性があるが発達特質の全てはカバーできない。
☑︎インフォーマルアセスメントは主観性に偏らないようABAを用いて分析する。

ABCを言い換えると、
 A原因 =「過去」
 C結果 =「未来」
 B行動 =「今」
と捉えることができます。

「今」を中心に据えて「過去」と「未来」をみつめる。

それこそ子どもを導く手段なのかもしれません。

一神教で排他主義にならぬよう、博愛精神でアセスメントしたいですね。


次回、ABA (応用行動分析学)をさらに深く解説していきたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。


【参考 引用】


この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?