【名盤伝説】”菊池ひみこ / Woman” 女性らしさを快活に爽やかに奏でるJ-フュージョンの好盤。
MASTER PIECE 80年代に日本のフュージョン全盛期を駆け抜けた女性ジャズ・ピアニストの菊池ひみこ1983年リリースのソロ4作目『ウーマン』です。
1980年アルバム『Don’t Be Stupid』でソロデューした彼女。ご本人は根っからのジャズ系ですが、リリースするいずれのアルバムも時代のフュージョン・テイストに溢れています。
この『ウーマン』も気心知れた旧知の国内メンバーと、リラックスした中に刺激的なフレーズで攻めまくる、ホントにナイスなフュージョン・アルバムだと思います。当時は人気爆発のT-SQUAREなどと共に、TVのお天気コーナーなど様々なシーンでBGMとして多用されていた記憶があります。
M1 目覚め爽やかな朝、女性ならではの時間をテーマにした曲。さぁ今日も元気だ、一日楽しく過ごすぞと鏡の前でメイクアップする心理…男性の私には想像するしかありませんが、女性はこうして1日に一度は自分自身と向き合う時間を持つのですよね。その時の思いを込めた彼女のピアノソロはアグレッシブで華やかで・・・まさに朝時間に相応しい曲です
M2 全編バックで奏でる彼女の超絶ピアノテクが堪能できます。途中のギターソロはまさに時代の音。スラップベースも彼女の持つファンキーな一面を表しています。後半のムーグシンセのソロなどは、まさにファンキー系キーボーディストのジョージ・デュークを彷彿とさせます。彼女のことを「日本のG デュークだ」と称するミュージシャンも多いです。「真夏のこんがり娘」というタイトルそのものの熱い曲です。
M8 これこそ女性の特権、乳児との触れ合いにおける幸せ溢れる時間を明るいサンバに乗せて奏でます。赤ちゃんの喜ぶ声のSEも素敵です。ここでは彼女は珍しくハモンド・オルガンのソロを聞かせてくれます。生ピでもなくムーグでもなく、オルガンの音色を選ぶあたりに優しさを感じます。アルバムラストで次作以降にまだまだ続くひみこワールドを予感させてくれます。
ジャケットは真夏の日焼けした女性、ここまで焼いている女性って今時はほとんど見かけませんね。そういう意味では時代のシーンなのかも知れません。とはいえ女性ミュージシャンが「私は女性ですけど、それが何か」と真正面から正々堂々とそんなテーマを扱う潔さ、今も衰えないひみこさんの底知れぬパワーを感じます。
女性は本当に強いなぁと。
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