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【名盤伝説】 AOR系まとめ

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AOR (アダルト・オリエンテッド・ロック) なミュージシャンやアルバムを紹介しています。
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#アルバムレビュー

【名盤伝説】 "Boz Scaggs" AOR四天王のアルバムを聴くなら先ずはこれから。

お気に入りのミュージシャとその作品を紹介しています。 AOR四天王の一人Boz Scaggs。1944年アメリカ・オハイオ州出身。今年(2024年)の6月で何と80歳になります。 1960年代から活動を続けていますが、ブルース色の強い作風で、個人的には好みではありません。初めて聴く方にはベスト盤『HITS』も良いとは思いますが、お薦めアルバムは『Silk Degrees』と『Middle Man』の2枚です。 まずは『Silk Degrees』(1976)。後にTOTOを結

【名盤伝説】 “Gino Vannelli ” 見た目と音が一致する熱唱ボーカリスト。

MASTER PIECE カナダ出身の暑苦しい系ヴォーカリストの第一人者、ジノ・ヴァネリの代表的なアルバム2枚を紹介します。 当時のジノは、毛髪もじゃもじゃ、胸毛わさわさ、ツバキと汗を周りに撒き散らしながら、そこまで歌い上げなくてもいいのにという位の熱唱スタイル。音楽もポップチューンからバラードまで、ここまで詰め込まなくてもいいのにと思えるほどの音の渦・・・これほどまでに見た目と出す音が一致しているのも珍しいです。プロのシンガーの中でも熱狂的に支持している人が多いと聞きます

【名盤伝説】 ”Marc Jordan / Blue Desert” 吹き抜けるLAの乾いた風を感じるAORの定番

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。US生まれのカナダ人シンガーソングライター、マーク・ジョーダンの2nd『ブルー・デザート』(1979)です。 78年にスティーリー・ダンのプロデューサーとして有名なゲイリー・カッズによる1stアルバム『マネキン』をリリース。その多彩な作風と硬質なアレンジで話題になりました。続くセカンドアルバムでは売り出し中のLA敏腕プロデューサーのジェイ・グレイドンを迎えて、AORテイスト全開の作品となりました。 参加ミュージシャンは

【名盤伝説】 ”Michael Ruff / Girl Like You” 優しさに溢れるボイスが魅力のメロディ・メーカー。キャリアベストの作品集。

MASTER PIECE US出身のソングライターマイケル・ラフが1996年にリリースしたコンピレーションアルバム『Girl Like You』です。 ラフは西海岸でボズ・スキャッグス、ディオンヌ・ワーウィックなどとの活動の後に、リッキー・リー・ジョーンズのミュージカル・ディレクターを務めたり、チャカ・カーンのバンドメンバーとして来日したりするなど、幅広いジャンルで才能を発揮していました。 1984年に1stアルバム『Once in a Lifetime』をリリース。物優

【名盤伝説】“Byrne & Barnes / An Eye for An Eye” (1981) 日本のAORファンの心を掴んだスィートでメロウな究極のラヴソング。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。本国では全く評価されなかった作品が、日本では隠れた名盤とされたバーン・アンド・バーンズ名義での唯一のアルバム『アン・アイ・フォ・アン・アイ (邦題: スィート・リヴェンジ)』です。 ロバート・バーンのソロ・アルバムがリリースされた1979年、伝説の輸入レコードショップ南青山のパイドパイパーハウスでは、このLPはベストセラーになっていたそうです。ところが本国での評判はさっぱりで早々に廃盤に。輸入盤の入荷見込みが立たないとい

【名盤伝説】 ”Roby Duke” サウンドで勝負!実はChristian MusicだったAORの名盤。

MASTER PIECE AORテイスト満載のクリスチャン・ミュージック(CCM)の代表選手の一人Roby Duke です。 AORファンにとってロビーといえば、まずはこの1stアルバム『Not The Same (邦題: ロング・アフタヌーン)』(1982)です。国内盤もリリースされているだけに、爽やか系AOR路線として人気になりました。 ↓実はオリジナルジャケットはこちら。差し替え作戦は大成功ですね。 当時は、このアルバムがCCM (Contemporary Chr

【名盤伝説】 ”Wilson Brothers / Another Night” AORの定盤。兄弟デュオの絶品ハーモニーが魅力の名作。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。AORの定盤『Another Night』(1979)です。 AORブーム真っ只中、当時の最大の情報源は輸入レコード店の推薦盤のコーナーでした。情報通のお兄さんのお薦めなら一度は聞いてみたいなと思いつつも、その全てを購入する余裕などありません。裏ジャケのクレジットをガン見して、その音に思いを馳せます。勇気を出して(笑)購入し、家でターンテーブルに載せる時のドキドキ感は半端ありません。そして出てきた音に納得がいった時の喜び

【名盤伝説】 ”England Dan Seals / Stones” どこか懐かしいAORアルバム。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。フォーク・デュオの片割れ、イングランド・ダン・シールズのソロ『ストーンズ』(1980)です。 ジョン・フォード・コリーとのデュオで活躍していたダン・シールズが、主にカントリーのジャンルで活動していたカイル・レーニングのプロデュースで制作したソロアルバムです。時代はAORなサウンド全盛、アダルトなロックテイストのアレンジにチャレンジする気持ちはよく分かります。歌い方や節回しなどは、カントリーそのものですが、バックのアレンジ