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お酒を飲むとは何かを考えてみた

コロナ禍での在宅勤務、会食の自粛要請、飲食店の時短要請、などなどの影響ですっかりお酒を飲む機会が少なくなった。
そのせいでめっきりお酒が弱くなった。

これまではほぼ毎日晩酌をし、350ml缶2本は必須、時々1晩でワイン1本ひとりで空けちゃうぐらい飲んでた。ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウィスキーからテキーラまでなんでも飲めた。
それだけ飲んでも、翌日二日酔いになることもあまりなかった。

そんな私が缶ビール半分で酔っ払い、頭が痛くなるようになった。

自分でも驚いてしまい「何かの病気なのかもしれない...」とそっちの方向に考えが及んだ。
そこで、健康診断の医師による問診の際に状況を説明してみた。

「加齢ですね」と言われた

そうか、そうなんだ。よくあることなんだ。加齢でよくあることなんだ。
そうですか。。加齢ですか。。

歳を経る毎に出来なくなることがどんどん明るみになってくる日々を送っている中で、この『お酒が飲めなくなる』というのは、私には上位に組み込むぐらいにショックな事であった。

お酒飲むのも日々の生活の楽しみのひとつだったのにな。。。

と、そんなことを考えていたら、よほど私がショックで落ち込んでいた様子だったのだろうか、問診した医師がこんなことをいってくれた。

「まぁ、トライアンドエラーですよ」

加齢で体質に合うお酒、合わないお酒が出てくる。だから、何が合うようになっているか、トライアンドエラーで見つけていけばよい、と。

あー、なんていい先生だ。これこそ患者のQOL(Quality of Life)を大事にしてくれている医師だ。
女性で、見た目も話し方もサバサバした感じだったのだが、その先生が加えて一言、

「私も白ワインは大丈夫なんですけど、赤ワインはダメですね」

あぁ、なんて親しみが持てる先生なんだ。やっぱお酒いいですよね。先生はワイン派なんですね。美容にはポリフェノールが云々とか言いますけど、先生は呑む優先ですね。
と、勝手に親近感を持ったのであった。


そしてその素敵な先生に言われた通り、”トライアンドエラー”を繰り返し、自分と相性が良くなったお酒を探してみた。

どうやらビールやサワーはダメで、ハイボールや日本酒は大丈夫だった。規則性はまったくわからないがとりあえず何度か繰り返した結果、そんな感じになった。

ただ、私にとって『〇〇後の一杯のビール』は楽しみと幸せの象徴であるので『ビールが飲めなくなった』とはなんとも悲しい。
そこで、ノンアルコールビールを試してみた。

いくつか飲んだ中でおいしいと思ったのは『オールフリー』だった。
オールフリーを仕事後に飲んでみると、これまでの『仕事後のビール』と同じ体験と気分を味わえている。

そしてふと思った。私にとってビールとは何なのか?

ノンアルビールをもってまでしてなぜビールの類を飲みたいのか?
ハイボールではなくなぜノンアルビールが勝るのか。
『味』?『アルコール』?『雰囲気』?

そもそも私にとっての『お酒』とはなんなのか。

若い時は飲み会の"雰囲気"が好きで飲んでいた部分もある。これは若い人がお酒が好きな理由のあるあるだ。
お酒が好きな理由がそれだけの人は一人では飲まない。しかし私は30代になってから一人でも飲むようになった。お店でも家でも一人で飲む。
歳を経てからはむしろそっちの方が好きである。飲み会は気を遣わなくてはいけないので面倒。そんな和気あいあいとした"雰囲気"はいらないものになった。

それであれば、私は純粋に『お酒』というものを飲みたいのだろう。
それはなぜか。

お酒を飲むと、アルコールの影響でちょっとふわふわした感覚になり、良い気分になる。楽しくなる。色んな事がどうでもよくなる。苦しいことや辛いことから一時逃れられる。
それを求めていたような気がする。毎回しっかり酔うまで飲もうとしてた行動はこういうことだと思う。

じゃあ今、酔っぱらうこともないノンアルビールを飲んでいるのは、何を求めているのか?

うーん、、、
「ビールを飲んでいる」という"雰囲気"に浸りたいのかもしれない。

20代は『みんなで楽しく飲んでいる雰囲気』を求め
30代は『辛さや苦しさから一時だけ逃れられること』を求め
40代は『ビールを飲んでいる雰囲気」を求めている。

今になって、若い時と同じように"雰囲気"を求めるようになった。
そして『ビール』にこだわるのは、恐らく20代と30代に経験した『ビールを飲んでいた時みんなでワイワイと楽しかった』と『仕事後にビールを飲んで嫌な事忘れられていた』という記憶が体に染みついているからなのだと思う。

ただ現在は、アルコールで科学的に気分を麻痺させて自分を心地良くさせなくても、体に染みついた『ビール飲む=気分が良くなる』という記憶で自分を心地良くさせられている。パブロフの犬である。

こんなことで気分が良くできるようになったのは、自分のことを自分でコントロールできる力がついたのか、それとも以前より感情や気分の浮き沈みが少なくなったのか、、そういう状況も加味されてはいると思う。


そして、アルコールを飲めなくなったのは健康面で非常に良いことである。実際肝臓の数値も1年前に比べると劇的に良くなった。

経済的にも良い。外飲み家飲み含めてアルコール代がほぼかかっていない。ノンアルビールも毎日は飲まないし。

ハイボールとかウィスキーは飲めるので、また飲み続けて鍛えて(?)いけばお酒がどんどん飲めるようになるかもしれないが、、

それはやめておこう。パンドラの箱は閉じておこう。


ところで、家でベロンベロンになるまでよく飲んでた私にとても心に刺さった動画がある。

大爆笑だった。
気持ちも行動もそれはそれはとても理解できる。過去の自分を観ているようだった。

この動画は笑えるだけではなく、オススメ日本酒について語ってくれてるし、視聴者からの情報がコメント欄にあるので、日本酒好きにもオススメの動画である。

とりあえず悲しいことがあったら見る動画にノミネートした。

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