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血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記5)

つづき

8/18
9:30に起床。
寒い。シュラフに入ったまま昨日の残りのチーズを食べて10:30ほどに出発。

10:50B-S colに着く。他のパーティと少々英会話を楽しみ、さらに下降。

12:30にapple bee domeに戻った。 
不思議とこの日は全く振り返らず、登ったルートなんかは見向きもしなかった。それどころか「明日どこ登ろうか」などと話していた。

コーラを差し入れてくださる偉大なるT先輩。
この場を借りていっぱいよいしょしておきます。神!

Crescent Towers
Ears Between 5.10-

8/19
結局昨日の話し合いの結果近くて楽しそうなルートへということでEars Betweenを登ることにした。

9:20にベースを出て、ガレ場と少しの残雪を40分ほど歩き取り付きへ。先行パーティがいたが彼らは“僕らは未熟だから”と譲ってくれた。

(1P目哲(5.10-))僕がジャンケンで負けた。ワイドから小ハングを超え、ハンド・フィンガーを登る。哲が楽しそうで羨ましかった。くそっ。


(2P目こうすけ(5.7))簡単な岩が乱立するところを60mほど伸ばす。あまり記憶にない。
振り返るとGlacier Lakeが美しい

(3P目哲(5.8))フェイスを左上し、TOPへ抜けるチムニーへ向かう。

(4P目こうすけ(5.9))ハンドクラックから、薄被りの¹チョックストーンを超えワイドクラックを登る。このルートで一番記憶に残るピッチ。


(5P目哲(5.6))階段状のチムニーを登り、両耳の間の²コルに。そこから右耳へ登り終了。

Becky-Chouinardと比べれば随分と短いが程よい難しさが散りばめられたいいルートだった。

下降は右耳から20mほど懸垂したのち、また15mスラブを懸垂して後はケルンに沿って歩く。僕は1P目で落としたカラビナを拾いに取り付きに戻って回収してから、ベースに戻った。

途中、インドからカナダに移住した老夫婦と30分ほどお喋りして15:00ベースに着く。

ベースでゆっくりしていると仲良くなったWill Stanhopeが帰ってきた。大事だからもう一度。友達になったあのWill Stanhopeが帰ってきた。なにやらSnowpatchの18ピッチの12bをフリーソロして来たとおもむろに大麻を吸い始めた。やっぱりカナディアン狂っている。もちろん褒め言葉。

8/20
流石にレスト。またまた、キャンプサイトにいる³リスをいじめたり、周りをウロウロして気になった岩をボルダリングして、ゆっくりと過ごした。途中、カナディアンパーティが“Becky-Chouinardはどんな装備がいるのか”と尋ねてきたため、拙い英語で教えた。上手く伝わっているかなぁ








1.チョックストーン
:岩の割れ目に挟まった岩。小石から体より大きいものまで様々。
たまに動く。邪魔。

2:コル
:ピークとピークの間にある最低部。場所によっては兎に角風が抜けて寒い。

3:リス
:別名小さい悪魔。兎に角人の食べ物を狙っており、テントに置いておいたピーナッツをテントごと食い破られ荒らされた。遠征後半は常にリスに対して殺意があふれることになる。


WEBサイトあります。
今までの写真や動画を載せてます。見て!とにかく見て!

YouTubeやってます。
今回はむかしクラックというルートの完登映像です。
かっこいいですよ!!

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