血と汗とチョーク汚れと土汚れ、そして2週間の垢と美しい日々の記憶(Bugaboos 遠征記2)
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登攀
Pigeon Spire West Ridge
8/12
腰に昨日の重荷によるダメージを覚えつつ、のんびりとシュラフを出る。快晴だ。昨晩の残りである不味いα米のようなものにチーズを入れて誤魔化した朝食を口に運び、今日の動きを相談する。せっかく晴れているのだからということで、概念把握がてらPigeon Spire ,West Ridgeに行くことにした。
モレーンと氷河を30分ほど歩き、さらに20分ほどクライムアップする急登をこなすとB-S colに出た。息を荒げながら顔を上げるとそこには雄大な氷河とPigeon Spire とHowser Tower が堂々と突き上げている。
コルからは1時間弱で取り付きに着く。余計な装備はデポし、重たい登山靴からクライミングシューズに履き替え、ロープを結んだ。
ひとまず見た目3級程度だったのでコンテで登り始める。30分ほどで1st top。難しい箇所はない。さらに30分で2nd top。ここも難しいところは無い。ここからクライムダウンを交えて、小コルに降り立ち、見た目4級−程度の箇所をスタカットに切り替え、登り始める。スラブ主体でほぼ支点はとっていない。終了点は懸垂点と共有しているボルトであった。30分ほど、計2ピッチ分ロープを伸ばすとsummit。Howser Tower 、Bugaboo Spier 、Snowpatch Spier と見渡すことができ、気持ち良い岩稜歩きであった。
最高のスタートだ。
30分ほどゆっくりして、下降に取り掛かる。バタフライコイルにして懸垂開始。1回目の懸垂で最初の1ピッチ目をきったボルトにたどり着き、そこからもう30m懸垂して、スタカットに切り替えた場所に着いた。
そこからはキツいシューズと格闘し、途中裸足を交えながら取り付きまで戻った。
また登山靴とピッケル、アイゼンを装備し、程よい疲労と充実感、足の痛みを感じつつ来た道を戻った。
Bugaboos Spire
Northeast Ridge
8/13 朝3:30に起きる。月明かりでヘッデンも要らないくらいだ。スクランブル区間の取り付きが曖昧ということで大人気ルートではあるが他パーティにルーファイさせて、そこを参考にさせてもらうために通例より30分ほど遅く起きた。
しかし、予想と反して最初の出発となってしまう。やはりアルパインは自力でやれということなのだろう。スクランブル区間手前まで歩みを進め、暗い岩場の中を必死にラインを見いだす。
50mを4p分伸ばした。グレードは、体感Ⅳ+ほど。後ろから来たカナディアンパーティはフリーソロ でガシガシ上がっていき、抜かされた。しかし、このパーティ後々書くが5.9のピッチで普通に落ちていた。よくわからない。
リッジに乗ると朝日が差し込んできた。太陽光で体が緩む。そこから30分ほどⅣ級程度の岩を同時登攀で上がり、ようやく取り付きに着いた。
1P目(5.9) 哲
若干のワイドからフィンガーのフレークへ移る。50mほど伸ばし、小テラスへ。ここでカナディアンパーティが落ちてた。わけわからん。
2P目(5.7)こーすけ
フレークが幾つも重なったような箇所を登っていく。50mほどでまた小テラスへ。
3P目(5.8)哲
小テラスから少々下りて、そこから40mほど登る。フェイスチックで意外と悪かった。
4P目(5.6)こーすけ
快適な浅いフィンガークラックが60mほど続く。背中に太陽の暖かさと雄大なカナディアンロッキーを感じつつ、登っていく自分に思わず酔いしれる。大テラスへ。
5P目(5.7)哲
ハンドからフィスト、オフィズスと広がり、突然フィンガーになる。僕の記録にはbeautiful‼︎と
6P目(5.7)こーすけ
体感5.9くらいの悪いフェイス。プロテクションも取れず緊張
7P目〜8P目(Ⅴ)哲・こーすけ
チムニーから徐々に広くなり、ルンゼに。ここでカナディアンパーティを抜く。
“See you at the top !!“と言葉を交わした。
9P目〜10P目(Ⅳ)哲・こーすけ
8Pの終了点から若干上がりリッジに乗る。そこからは簡単ではあるが高度感満載のリッジを限界まで伸ばす。
バガブー のトップが見えてきた。確実に、しかし大胆にロープを伸ばしていく。13:35、北峰に立った。哲を引き上げる。僕は笑顔で迎え入れ、哲は笑顔で上がってきた。記憶に残ってる瞬間のひとつだ。
5分ほど景色を目に焼き付け、南峰を目指した。終了点にしていたボルトにロープをかけ、10mほど懸垂する。そこからはコンテで両側キレ落ちたリッジを慎重に進んだ。途中、スラブを降りる箇所がありスタカットに切り替えて、クライムダウン。そこからは1Pほど簡単なクライミングで南峰に14:55に着いた。山頂に着いたとき、雄叫びを上げると後方からカナディアンの返事が帰ってきた。
また、10分ほどゆっくりした後、下降に取り掛かる。山頂の一段下にラペル点かあった。ここから計6回懸垂をした。全て綺麗なペツルのボルトが打ってある。懸垂を終えるとあとは簡単な歩き。定期的にあるケルンを参考に17:35、B-S colに着いた。
振り返る。でかい。大きな達成感・充実感が胸いっぱいに広がった。ここからはPigeonの下降と同じ。慎重に氷河を下り、ベースに帰った。
8/13レスト
連日の行動と異国での疲れが溜まっておりレストとした。映画見たり、リスをイジメたり、絵を描いたり思い思いに過ごす。
カナダではNetflixでジブリが観れる‼︎
つづく
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あつ〜い今にぴったりな沢登りです。
今回の視聴ポイントはテツのナレーションです。
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