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高校生の時の・・・

懐かしいアルバムを見ていたら、30年以上前に高校生の頃の思い出を新聞に投稿した時の記事が貼ってあったので、ここにに記録しようと思いました。

くらしの作文 タイトル  ’’桜’’

桜の花を見ると思い出す。
高校二年の春のこと、咲き始めた桜を見ながら、ふと、入院中の数学の先生のことを思い出し、きっと花が咲いたことも知らずに寝ているんだろうなぁ、と思い、友と二人で部活の帰りに校舎の近くの桜を一枝ずつ無造作にもぎ取り、そのまま自転車で病院へ行った。
担任でも 部活の顧問でもなく、特別、世話になっていたわけでもなかった。厳しく、こわい授業をする先生で、数学が大の苦手、いつも赤点すれすれ、補習授業の常習犯の私にとっては、廊下ですれ違っても小さくなっていたくらい苦手な存在であった。
でも、入院して見かけなくなると妙に寂しく廊下が広い。進級報告を兼ねて行ってみようということになった。
 病室に入ると先生は驚いた
「まさか、お前たちが来るとは思わんかった」
と目を丸くし、桜の花を見て
「ほう、もうそんなに咲いたか」
と目を細め
「このお見舞いが一番うれしい」
とにっこりした。
こわい先生だと思い込んでいたから意外だった。優しい一面を見つけ、花をもってきて良かったと思った。


当時通っていた高校

その先生が亡くなった。
退院して元気にこわい授業をしていたのに、寒い冬、突然逝ってしまった。
告別式の日、先生が人一倍花を愛して職員室に花を飾り、植木鉢を置いていたことを初めて知って、あの日届けた桜の花と先生の笑顔を思い出し、たまらなくなって号泣した。

あれから14年、毎年、桜をお墓にお供えしていたが、就職、結婚で故郷を離れたあとは機を逃している。今年は届けよう。そして、相変わらず数字に疎く、家計簿で苦労していること、先生みたいに花を愛する気持ちがわかる年齢になってきたことなど、積もる話をしたいと思う。
(平成7年春)

アルバムには当時の新聞の記事を切り取り張り付けてありました。
このころ四日市市に住んでいて、三人目をおなかに宿し育児の真っただ中だったけど、家の前の桜を見て、毎日新聞を読んでいたこともあって、載ったらいいなぁとか思いながらふと投稿したような記憶があります。

もう、高校を卒業して40年以上・・・。