見出し画像

2022年のわたしと仕事。仕事との付き合い方を人生に重ね合わせてみたらまさかのストーリーが見えてきた!

初めてのバイトは高校生のときの年賀状仕分け。次は同じく高校生のときのマクドナルドクルー。スマイル0円を売っていた。大学生になると結婚式場でバイトをして結婚式の現場を見た。学業とサークルもしつつ、まあまあよく働いたと思っていた。

しかし、田舎に生まれ育ち、自然豊かな土地で大学生生活を送り、心地よい人々に囲まれて世間知らずのまま社会人になってしまったことを私はまだ知らなかった…

2022年が終わる今、産休育休を除くと15年正社員をやってきた節目に仕事と私の関係を俯瞰してみた。すると、驚愕の真実が浮き彫りになった。

インターンシップ時代


大学3年生のとき、企業でお仕事を数日体験できるインターンシップなるものをやってみた。選抜試験もあり、ちょっとした就活の練習にもなる。ありがたくも、大手企業が受け入れてくださり、私は開眼した。早く社会人になってみたい!と。そして、じきにその情熱は失せてしまう。

企業活動って、矛盾だらけだな、大企業って欲の渦巻く恐ろしい場所だなと感じた。そう、この時点で何もわかってない。頭の中はお花畑だ。少女漫画の世界にいて現実の恋を知らない少女のようだ。

今思い返せば、その会社で会った方々は皆親切だったし、明るく楽しく喧嘩もできる素敵な職場だったではないか!ボタンのかけ違いは仕事人生が始まる前に始まっていた。

新入社員時代

せっかく、インターンシップで大人の世界の難しさと面白さを垣間見たのに速攻で目を背けた私。会社の理念と製品に惹かれ入社したのはザ日本の伝統的な企業。社会に役立つ製品、なくてはならぬ製品、それを生み出す会社で持てる力を発揮しようと息巻いていた。

インターンシップで、企業人になっても汚い大人社会で汚れていくだけさと自暴自棄になったのに、1番早くに内定をくださった会社に疑いもなくするりと入ってしまった。なぜ!?

たまたまカッコよく見えた男子に盲目的に入れ込む少女のように、電撃が走って突進してしまったようだ。ちなみに、内内定が出て「御社に行きます」と言っても後から志望度の高い企業から内内定が出たら蹴るのは普通のこと。私はなんとそれができなかった。二股、三股、タコ足していいような人間じゃないと思っていたのかもしれない。

痛過ぎて泣きたい。恋をするには良いところもそうでないところも受け入れた方が良さそうだ。

石の上にも三年を過ぎ没頭する時代へ

故郷の父母に心配をかけたくない一心でどうにか3年は勤めた。お茶汲みに類するような雑用や、年配の男性社員からの屈辱的な発言やお局様と呼ばれる方からのお諌めも経験した。おそらく社会人の基礎はクリアした。もう少し仕事そのものの楽しさに触れられないか?そう考え始めた。

慈悲深く、温厚な職場の方々に恵まれ、ありがたいことに新しい仕事をやらせてもらえるようになってきた。言ってみるなら一人前としてカウントされるようになったのだろうか?私もいい感じに不純に、そして器用にもなっていた。そして5年が経つとどうにか自分の足でよちよち歩き始めた。やりたい仕事を提案して異動し、創出した仕事を実施するようになったのである。

ピュアな少女から雑味のある大人の女へ変貌した私。三十路に入り独立した女性になれるのか?!

初めての転職

新卒からお世話になった会社を8年半勤めて辞め、外資系企業へ転職した。きっかけはヘッドハンティングの会社からの電話。と言っても、正確にはヘッドバントではない。外資系の転職エージェントの営業対象は裾野が広い。ようやく社会人の世界の端っこを理解し始めた。

業務がより専門的になり給与も上がり、やり甲斐はうなぎ昇り。そしたら大変。どっぷり浸かって私は仕事の虜になってしまったのである。寝ても覚めても仕事仕事仕事。カリカリしたり、尽くしたり、かなり恋愛体質でかつ依存体質でもある。仕事に恋するメンヘラな女になってしまった。女帝のようなフランス人上司にお仕えし社畜となった私。どうにも止められない。

2度目の転職


31歳を越えさすがにいろいろやべえなと人生を見直した。友人の多くは結婚し、子供のお祝いをすることも増えた。女帝も昇進がちらついたのか、自己統制が取れたスマートで包容力のある性格に変容した。徐々に頭が冷えてきた私は婚活に着手し、結婚したら仕事とどう付き合うべきかを考え始めた。

嗚呼。結婚しても子どもが産まれても働ける会社を就活の時点で選ぶ学生が多いというのに!やっと気づいたがかなり出遅れた。

どうにか結婚はした。さあ、家族がいても持続可能性のある職場を探そう!転職エージェントの力を借りて理想とする職場へ、骨を埋める覚悟があるかわからないが平和裏に人生2度目の転職をした。また外資系、でも今度は業界最大手で余裕がある社風の会社だ。

ほぼ定時に帰り食事を作る。そんな生活が始まった。仕事は家庭と同じくらいの大切さをもって存在し、近過ぎず遠過ぎず良い塩梅になった。やっとこさ、仕事と適切な距離を築いた。それはまるで心地よい恋人のように。

2度目の育休復帰の2022年


人生のステージが目まぐるしく変遷し、プライベートに夫や義理の家族という背景が設定されると、仕事は私が自分でいられる居場所、アイデンティティになっていた。子どもが癇癪を起こしても夫にメシがまずいと言われても、仕事をすると元気になれた。

予想通り、子どもができると仕事時間はかなり圧迫されたが幸運にも2度の育休を経ても無事に、そして楽しく仕事を続けさせていただいている。離れては戻り、また離れては戻る。でも関係は良好。これはもう、愛で固く結ばれた夫婦のよう。しかも子どもがいるので離れるわけにはいかない。どうやら、不器用な恋愛のようだった仕事と私の関係は夫婦まで昇格したらしい。

生活のために嫌な仕事を歯を食いしばってやる。これが昭和のサラリーマンのイメージだった。令和のいま。好きな仕事を続けるために、家族が健やかに笑っていられるように努める。家族との時間を幸せなものにしたくて、仕事に精を出す。そんなふうに生きることができるなんて。昔の自分に教えてあげたい。

そして2023年はどうなるか?

社会はどんどん変わっていくけれど、変わらないものもある。人の役に立つ喜び。家族とのかけがえのない思い出。世界が広がるワクワク感。仕事はそのどれもを支えてくれる。

2022年の終わりに仕事との付き合い方を振り返ってみたら、何も知らないピュアな少女が恋をして、愛を知ってこなれた夫婦になるまでのストーリーが描けてしまったことに驚いた。ちゃんと人生の主人公をしている。

これから円熟した老夫婦のようになっていくのか?それとも激しく恋に狂うのか?いや、生まれたての恋のような仕事に出会うのか?楽しみに2023年を迎えたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?