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子どもに教えられたこと。いつか蒔いた種から芽が出て花が咲く。親はそれがいつか知る由もない。

こんにちは!

曖昧に挨拶をしかけた私の隣で、元気な声で挨拶したのは6歳の息子。

んんん!?
またしても、私は息子のマイペースな成長に面喰らっていた。

保育園時代、私は毎日すれ違う息子のお友達のママパパに挨拶をしていた。そのとき、息子に「ママが挨拶をする人には一緒に挨拶しようね」としつこく言っていた。

マンションで会う人たちにも同様に、ママが挨拶する人には一緒に挨拶しようね、ともしつこく言っていた。

当時の効果は激薄。

もはや、親の働きかけになんの意味があるか分からなかった。

幼児教室の先生が「自転車の前の席に息子を乗せて近所の人に挨拶していたら息子も挨拶するようになった」と話すのを聞いて、親のふり見て自然と子どもが挨拶をするようなるのは当たり前のように語られるんだけも実際は違うよなと思ったものだ。

愛想のない息子がせめて挨拶だけはできるようになってほしい、という一心で、息子を伴って誰かに挨拶するときは息子に一緒に挨拶しようと言い続けた。

ちなみに、下の息子は、愛想良く誰にでも手を振るタイプだったのでそこまで心配しなくても親の真似をして挨拶してくれるといいなと思ったりしている。

時は流れて。

家族で近所に出掛けた先で、夫が知り合いに出くわした。

「こんにちは」
挨拶する夫。

下の子の暴走を食い止めようと気を張る私は、不意の出来事に反応できず一歩遅れて「こんにちは、夫がお世話になっております」と言いかけた。

その瞬間。
「こんにちは!」

どこからともなく軽快な挨拶が!
なんと上の息子が自ら挨拶をしたのである。
まぐれかな?と思って目をぱちぱちする私に息子が振り返ってひとこと。
「ぼく、挨拶できたよ」

挨拶しようね、と何度言ってきたか分からないけどできなくて叱ったことはなかった。
それでよいのかは分からなかった。
けど何ヶ月も後になって「また言えなかったのか」と落胆することすらなく期待もしなくなった頃になって息子は自分で挨拶するようになった。

私は忘れかけていたけど、息子は覚えていたんだ。一緒にに挨拶しようね、と言われたことを。そして、やる気になったようだ。

その後も、マンションを出る時すれ違った住人やエレベーターで同乗する人などに息子は次々と挨拶をするようになった。

親はつい、子どもにかけた言葉がすぐ響くことを期待してしまう気がする。
姿勢を正して。
大人しく座っていて。
宿題を自分でだして始めて。

もちろん、直ぐ聞いてもらわないと困ることもある。

なかなか、待つと言うのは難しい。
周りの目もあるし、批判を浴びたり人に迷惑をかけることはすぐにやめさせないとならない。

でも、子どもが自分で行動を決めて自分を変えることができる姿を見ると考えてしまう。

自分で決めて、自分で動く力が子どもにはあることを。

私は大人の言うことを聞くのが難しい子どもだったから、キツく言われて叩かれて育ってきた。その分、息子が言うことを聞かないとモヤモヤする。逆ギレされたり当たられたりする度に、なんで言うことを聞かないの!と怒鳴りたくなる。でもグッと我慢する。

私は待っている。
息子が自分で善し悪しを判断できて行動できる日を。

親にそうしてほしかったことを息子にしてあげたいと思う。

今は息子に響かなくても、いつか息子自身が理解して実行する日が来る可能性があることを息子から教えてもらったから。

(ただし、家の外での行動についてはそううまくいかないことが多く、苦戦しています)

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