子育て。最後の日が過ぎてから、もう過ぎたんだよと教えられるさみしさったらもう。
上の子の保育園の送りはあと2ヶ月を切って
私の中ではカウントダウンだ。
月曜日は土日に止まっていたカウントダウンが動き出す。
小学校に上がったら電車通学なのでしばらく送りはするけど、自転車の後ろに乗せて送るというスペシャルな体験に終わりが近づいている。
けれどまあ、終わりに向けて、
気持ちの準備ができるのはありがたい。
なにせ、年少さんになった頃から心の準備をしてきているのだ。
あるYouTuberが言っていた。
終わりゆく時間を体験することで
切り替えがうまくいくというような内容だ。
スーパースター、安室奈美恵さんが
引退に向け5年も準備してきた例をあげていた。
でも、子育てには、終わりの時が知らされないこともよくある。
例えば、上の子はある日突然おっぱいから離れてしまった。彼は、起きた時私が隣に寝ていなくても泣きも怒りもしなくなった。それもある日突然。
「もう、どこへでも一緒についてきてくれることはなくなっちゃったのかな」
唐突に夫が言った。
そういえば、上の子は、最近、パパのどこかに行こうという誘いを退け続けている。
下の子が体調を崩して家に篭りがちの日が続いたのもあるけど、そういえば私が一緒に誘っても釣れないことが増えた。
夫はひどくがっかりしていた。
電車が好きだった上の子。
毎週、土曜も日曜も、あてもなく電車に乗って新幹線の駅や跨線橋や、ありとあらゆる電車ビュースポットへ出向いた。
コロナでお出かけが減っても、なんだかんだ、お出かけはパパの声かけで始まることが多かった。
それがなんということか。
上の子は、保育園が大好きになり、早く迎えに行くと言ってもいつもと同じ時間まで保育園にいたいと言う。
休み日は習い事のほか、自分の好きなことをしておうち時間を存分に楽しみ、ひとりの意思を持った人間になっている。DSにタブレット、ボードゲームに、お絵描きや折り紙、家にいても飽きることはない。お出かけしなくても、楽しいことが山のようにある。
外食より私の作るご飯を食べてくれることは、私は少し嬉しい。電車の窓に貼り付いて話しかけてもまるで返事がないより、遊びの片手間にポツポツしてくれる会話が嬉しい。けど、しょげてる夫を見るといたたまれない。
きっと、もう、親の誘いを無条件に喜び、ついてくる小さな息子はいなくなっちゃったんだね。そう思う。だって、息子がのってくる根拠のない誘いは間違いなく撃沈するもの。
誘えば喜んでついてきた最後の日はいつだったんだろう。ショックなことに、思い出せない。
ある日突然、もう最後の日が過ぎたんだよとお告げがある、と言うか過ぎたんだなと気づく、こんな寂しいことってあるだろうか。気づかなければよかったとすら思う。
これからは、魅力的な誘いを企画して絶好のタイミングで提案しないとならない。演出が必要なんだ。
よく考えたらでも当たり前のことだ。子どもは毎日のように、新しくできることが増えている。箸を使った日、石鹸で手を洗った日、鉛筆を削った日、親のスマホのパスコードを勝手に覚えてロック解除した日。始まりの日だってたくさんあるし、これからもあり続ける。最後の日は成長の証でしかない。それでもやっぱり…。
週末に6歳の上の子と1歳の下の子が同時に抱っこをせがんで、腰が壊れるかと思いながら抱っこして、ぐるぐる回って、ヨロヨロになって、3人でケラケラと笑った。これが最後になっても文句は言うまい、と思いながら全力で抱っこした。
ほんとは、毎日毎日、何かが最後なんだろうな、今日と同じ日は未来に一日たりとも存在しないんだな、と強く思った。
だから今日も、明日も、自転車の後ろにのるきみとの時間の幸せをかみしめよう。
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