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夏の思い出。妊婦真っ盛りも夏だった。ママのお腹に戻りたいけど、戻れない。

我が家の男児は乙女座と蠍座、秋生まれ。

どちらもお腹の大きな夏を過ごした。
上の子のときはつわりはほぼなしで元気にオフィス出勤し、下の子のときは夏に入るまでつわりがありコロナ禍をいいことに寝そべりながら在宅勤務した。

この2人、かなり異なるキャラクターの持ち主。お腹の中でもかなり異なる性質を感じさせた。夏の思い出は妊婦の思い出が満載だ。

上の子は、とにかく足癖が悪かった。グイーン、と飛び出しそうになる足をお腹の肉の上から掴む遊びをした。そして、自意識が強く赤ちゃんの話をしていると「なになに?ぼく?」と言わんばかりに動き回った。

下の子は、とにかく食いしん坊だった。私がお腹がすくと「早く、ママ!ご飯食べて」と言わんばかりにお腹を蹴ってくる。そして、私がご飯を食べるととたんにしーん、と静かになる。栄養が届いて満たされて寝てるのかな?と思いを巡らせた。

2人とも、お風呂に入ってるときや寝ようと横になってる時によく動いていた。隣に夫がいたり、下の子の場合は上の子がいるからお腹の外で何が起きてるか気になっていたのかもしれない。

思い返すと、妊娠中って幸せな時間だと思う。早い会いたいな、でも、お腹の中に赤ちゃんがいるのもまた嬉しいな、そう思って過ごしていたような気がする。

これからずっと一緒だよ、なんて思っていたけど、産まれてきた子どもの成長の早いこと。お腹に子どもたちのいた日々がどんなに幸せだったか、たまに上の子には伝えていたけど懲りずにこれからも伝えていきたい。

上の子と家に帰る途中、夏の通り雨に捕まった。急げ〜!そう言いながらきゃっきゃと屋根の出っ張ったドラッグストアの軒先で信号待ちする。

「あーあ、ママのお腹の中に戻りたい。濡れずに帰れるのに」

ふいに息子が言った。

そうだ、歩くのイヤイヤ、でも抱っこももう重いし恥ずかしいなんてお年頃に、お腹の中にいたら運んであげられるのにねぇ、なんて言ったことを思い出す。ああ、ほんとにママはお腹の中にいたきみも大好きだったよ。もう重くて抱っこで街を歩けなくなった日も、夜寂しくて泣いたんだよ。

ただ、息子よ。
お腹の中の赤ちゃんは水の中にいるから濡れちゃってるよ?

そう教えて「しまった」と思った。

これでもう「ママのお腹に戻れたらいいのに」って言ってもらえなくなるのかもしれない。

そんな、嬉しくて、でもちょっと泣いちゃいそうな今日もまた、大切な夏の思い出になった。

#夏の思い出

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