ひとり暮らし、始めました

先月、ひとり暮らしを始めた。

社会に出て少し落ち着いたら始めたいと、ずっと憧れていたひとり暮らし。
内見で惹かれた部屋に思い切ってその日に申し込み、そこから2~3週間で引っ越しするまで、それはもう怒涛の毎日だった。

あんなに思い描いていた憧れの生活だったのに、本当に今の自分に出来るだろうかと不安になったり。
ちょうど仕事でも色々あったので、自分で自分の体調が心配だったり。

そしてついに迎えた入居日、引っ越し作業を手伝ってくれた弟と彼が帰って、誰もいなくなった瞬間、予想外の寂しさで一杯になった。
こうなりたくて選んだのに、何故こんなに寂しいのか。今まで周りの人に囲まれて大事にされていたことに気が付いた。

そこから1か月以上、今はこの生活にだいぶ慣れた。
ひとり暮らしをして学んだこと。

家に帰って誰かの声がすることは、当たり前のようで当たり前じゃなかったということ。しんとして寂しいので、今もついテレビをつけてしまう。

家事をこなすのは大変だということ。母は偉大である。

シャワーの蛇口の切り替えを忘れずにすること。
私の部屋はお風呂と洗面台が一緒になっている(トイレは別)2点ユニットバスで、ひとつの蛇口に切り替えのツマミがあり、お風呂の時はシャワーヘッドから、それ以外は洗面台から水が出るように手動で切り替えている。
その切り替えを忘れて蛇口をひねると、今きれいに拭いたばかりのバスタブが水浸しになる。
忘れてた〜と思いながらバスタブをもう一度拭き、また切り替えずに蛇口をひねって水浸しになり、自分で自分にバカなの?と思ったことがある。

植物があると、部屋が明るく、居心地が良くなること。
雑貨屋で買った観葉植物の緑を、テレビの前と本棚の上に置いている。自分以外の世話もする余裕が出てきた。2日に1回水をやるだけだけど。

きちんと食べることが一番だということ。
野菜も肉も魚も、美味しいだけじゃなくて、自分の体になっていくことを考えて選ぶようになった。

計画は立てすぎない方がいいこと。
生まれた時から真面目な人間なので、SNSでバランスのとれた美味しそうな食事の作り置きをしている人などを見ると、「こんな風にちゃんとやらなきゃ」と意気込んで、色々計画を立てていたけど、考えすぎて続かない。
生活も向き不向きも人によって違う。この人みたいに!と他の例を目指すより、とりあえず自分の思うようにやってみて、試行錯誤しながら、自分に合う方法を少しずつ探せばよし。

思えば私は今まで誰かを理想として、誰かを目指して頑張ることが多かったのかもしれない。
自分の考えや行動に自信がなかったから。
でも自信とか全然必要なかったと気付いた。
今のこの場所は、自分だけの生活に染められた、マイライフが詰まった部屋だ。正解も不正解もないから自信とかなくていいんだ。自分が決めたことが正解だから。少し心が軽くなった。

朝、鳥のさえずりを聞いてカーテンを開ける時。
ガタンゴトンと走っていく電車を眺めながら、川の上の小さな橋を渡る時。
これは間違いなく私の人生の新しい章が始まったんだな、と感じている。

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