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デザインの価値

こんにちは、こんばんは、X共創デザイン部でマネジメントさせていただいてるルイです。
共創の部署のためお仕事や社内でデザインのレクチャーをさせていただく機会が多いのですが、筆無精の為しばらく記事を書いていなかったこともあり、デザインって何?と大きめのテーマを一度まとめてみようと思います。有識者の方々も色々書かれていますので今更ではありますが、自身の解釈で書きますので読んでいただいた方の一つの気づきにでもなれば幸いです。


デザインとは?

デザインのレクチャーをさせていただいた際、

「デザインってそんなこともやるのですね」
「そんなところまでデザインの対応範囲だとは思いませんでした」

という感想をいただくことがよくあります。
デザイナーではない多くの方にとってデザインとは「絵を作る技術」という印象があるかと思いますし、自身も芸大でグラフィックデザインを学んだ身ということもあり、ほんの十年前までは「視覚情報を用い見ている人の心理を操作する技術」だと思っていました。もちろんそれも間違いではないのですがITやスマホが普及する昨今、デザインが再注目されデザインの定義がより広義になってきているのが今の業界事情です。

デザインの対応範囲は一般に思われているよりもずっと広く、私の部署が業務で行なっていることも、調査・分析・企画・要件定義・UI・フロントエンド・ビジュアル作成・コミュニケーションデザインなど、マーケティングや商品企画と言われる分野から一部エンジニア領域までカバーします。もちろん一人のデザイナーでその全てを対応できる人は稀で、それぞれの専門スキルを持つデザイナーが連携を取り合い対応することが多いですが、「デザイン」という言葉は、「人」が抱える「本質的な課題」を「発見」しそれに対する「解決策」を考え「計画」し「課題解決を行う」というのが昨今の、特にIT界隈ではデザインの新常識になりつつあります。

「人が抱える本質的な課題を発見しそれに対する解決策を考え課題解決を行う」ってそれって会社経営のことだよね?
と感の良い方は思うかもしれませんが、経済産業省・特許庁が2018年に出した「デザイン経営」宣言ではまさにそのことに言及しデザインの考え方を経営に導入することを企業に勧めています。
会社経営と同じ定義を持つ昨今のデザインですが、デザインってそんな力があるの?と疑問を持たれる方も多いと思いますが、自身がデザイナーということもありその効果を理解している者としては、デザインは世の中を変える力が確実にあります。
例えばデザインの力を使ったサービス/プロダクトではApple社のiPhoneが有名で今の時代スマホを使わない人はほぼいないと思います。他にもUber、スターバックス、airbnb、Instagram、Slack、ダイソンなどはデザインの力をうまく使ってサービスを展開していますし、そういったサービスを使われているかたも多いのではないでしょうか。またこれは何もIT界隈だけの話ではなく、古くは女性が働きやすい服を作り女性の社会進出の一つのきっかけを作ったと言われるリトル・ブラック・ドレスで有名なシャネルのココ・シャネルはファッションデザイナーであり、まさにデザインが社会を変えた事例と言えます。

デザインの活用方法

デザインの初歩的なレクチャーを受けた方から、

「デザインを実際の業務に使うにはどうしたら良いのかわからない」

というお声をよくいただきます。
デザインのフレームワークとしてもっとも有名なのは、共感・問題定義・アイディア・プロトタイプ・テストの5つのプロセスを繰り返すデザイン思考があるかと思いますが、その構造は非常にシンプルです。
その分抽象的が高い為捉え所がないと感じる人が多いように感じますが、上記デザインの定義に当てはめるならば「人」に対し上記のプロセスを踏みその人の課題解決を行うならばそれはデザインと呼べる行為となります。上記定義に当てはまってさえいれば良いので仕事以外でもデザインは行えますし、生活する上でも役に立ちます。例えば、お誕生日会などイベントを企画する、営利非営利問わず組織を運営する、料理を振る舞い来客に喜んでもらう、などなどその使用用途は発想次第で無数にあり、まさにこの適応させる力がデザイナーの技量とも言えますし経験や教育が必要になるところかと思います。デザインも1つの技術ですのでデザイナーの技量により成果は変わりますが、人が悩みや課題を抱えているならば何らかのアプローチができることがデザインの最大の強みですし、適応性・応用性が非常に高い技術です。

しかし例えば、道に迷っている人に道を聞かれ教える、という行為があるとするとそれはデザインと呼べるでしょうか?
確かに困っている人を助けその人の課題を解決しているので一種デザインと呼べるかもしれませんが、あまりその行為をデザインだと思う人はいないでしょう。また1人に聞かれるだけならまだ良いですが、100人に毎日同じ道を聞かれたらどうでしょうか?
1,000人では?
道を教えるという行為でも解決はできるかもしれませんが、相当な労力がかかり本質的ではありません。1,000人に同じ道を聞かれるなら目的地に導く標識を立てる、とかそもそもその道に迷っている行先が同じなら、その行先の責任者に教えてあげて訪者にわかりやすい地図を配布するとかするほうが本質的な解決につながるのではないでしょうか?
この標識を作るとか地図を作成することがみなさんがイメージされるデザインですし、文字通り標識は英語でSignといい、デザインの英語である
De"sign"
の語源の一部となっています。

デザインの価値

上記のようにデザインを行う以上必ず目的があり、その目的を達成するために我々デザイナーはデザインを行います。そのためデザイナーがパリッとした綺麗で格好いい絵を作っているだけに見えても、そういう絵を作るには理由がありますし、人がどう感じるかを意図してプロのデザイナーは制作している為、伝わりやすさを心がけると必然見た目も綺麗で格好良くなります。
これは設計と言えますし、その結果デザインの力は人の心と行動を動かすことができます。
上の1,000人の人を標識を作り立てることで例えば500人は迷わずに目的地に行くことができたのなら、この標識を作ったデザイナーは500人の行動を操ったと言い換えることができます。500人の人を動かすのは一人一人道を教えていてはとても大変なことですが、これを一つの標識のみで行うことがデザインの価値と言えるでしょう。

ビジネスに置き換えると、例えばECサイトがあるとして、ある商品が1,000個しか売れていなかったのをデザインが介入し見た目がよくなることでその商品を欲しいと思わせることができれば何倍、上手くいくと何百何千倍の売り上げを狙うことができてしまいます。
あるサブスクリプションサービスでアクティブユーザーの10%が課金しているサービスがあり売り上げが10億円だったとして、デザインが介入し非常に使いやすいサービスになった為12%に課金ユーザーが増えたとすると、売り上げは12億円、つまりデザインの価値は2億円となります。それがたった一人のデザイナーによって行われたとしたら費用体効果は抜群です。
デザインの力をうまく使っている上記企業はこの点に気がついているため、デザイナーを経営の中核に添え、サービスやプロダクト開発、社内組織のデザインに参画させているわけです。ただこの人の行動を変えることができてしまうデザイン技術を悪用する企業やサービスは昔からありダークパターンと呼ばれていますが、最近ではデザインの悪用を防ぐ研究もすすんできています。

デザインへの理解

世の中を変えうる可能性のあるデザインの技術ですが、企業の中でデザインの効果を最大限活用するにはデザイナー1人ではできません。自身も苦労してきた口ですが、自社でデザインのアプローチをしたいと思いできるデザイナーを一人雇えば問題解決!というほど簡単なものではなく、それだけでは上記の会社のような大きな効果は生まれません。デザインは定性の技術となる為必ず周囲の理解と協力が必要となり、ビジネスやエンジニアなどの方達がデザインの特性を理解していることがデザインのアプローチを最大化させる要因になります。経営者のデザインへの理解またはデザイナーへの全幅の信頼が必須であり、前記のデザイン経営宣言でも言及されていますが、まさに経営にデザインを入れるとはどういうことか?に繋がってきます。
またデザイナーにもビジネスサイドやエンジニアにデザインを理解してもらう働きかけや強い巻き込み力、課題解決力が必要とされる為、そのポジションで活躍できるデザイナーはまだまだ少ないのが現状で、デザイン経営でも高度デザイン人材育成ガイドラインの中でこれからの時代、デザイナーに求められることについて触れられています。

おわりに

弊社もデザイン人材育成のサービスを提供させていただいていますが、その背景にはデザインの力をビジネスサイドの人やエンジニアの方々にも活用して欲しい、という想いがあります。
初歩的なデザイン教育プログラムから、弊社デザイナーがしっかりと並走しながらレクチャーする形でも対応できますので、もしデザイン人材育成に興味のある企業様がいましたら、サイトやこちらのフォームからご相談ください。

またマネーフォワードでは様々なデザイン領域があり様々なデザイナーの募集も行っていますので、一緒に働くメンバーを募集しています。
少しでも興味をお持ちの方はカジュアル面談を実施していますのでお気軽にお申し込みください。


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