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住宅ローンで煮詰まってしまったアナタへ#3<変動金利との正しい付き合い方>



変動金利が上がる時

前回は「変動しない変動金利と変動しがちな固定金利特約」についての説明をしました。
*前回の内容についてはコチラ

今回は「変動しない変動金利」の説明をします。
アナタは変動金利という名前だから、いつかは変動するに違いないと不安に思っているはずです。
当たり前です。
変動金利は変動するから変動金利なのです。

それでは何故、14年間も変動しなかったのか?
それは「世の中が変わらなかった」からです。
具体的に言えば、ずっと不景気のまま14年が経過したからです。

前回、景気と金利についてこう説明しました。

金利が上がると不景気になり、金利が下がると好景気になる。
そこで不景気が続いていた日本を好景気にするため、日本銀行は金利が上がらない様に頑張りました。

そうです。
日本の景気を良くするために日本銀行が頑張っていたのです。
それでは景気が良くなれば金利は上がるのか?
基本的にはそうなります。

景気が良くなるということはモノが売れるということです。
購買意欲が高まると商品の値段は高くなります。
モノが沢山売れて売る商品の値段も高くなると会社が儲かります。
会社が儲かると社員の給料も高くなります。
更に購買意欲が増して、もっとモノが売れて値段も高くなります。
そうしたら給料も上がり、今後も上がり続けると「期待」します。
それならばと借入してでもモノが欲しいという「気分」になります。
会社も借入してでも設備投資して、どんどん商品を作ります。

この「期待」や「気分」の上げ下げが「景気」です。
今の話だと「景気」が上がれば「物価」も上がります。
それがエスカレートすると「インフレ」という状態になります。
同時に「インフレ」はお金の価値を落としてしまうので行き過ぎた「インフレ」は、好ましくありません。
それで日本銀行は借入をし難くするために金利を上げるのです。

現在、物価は上がっているので金利も上がるのでは?と心配なところですが、インフレにも「良いインフレ」と「悪いインフレ」があります。
今のインフレはモノが売れてないのに、材料代や燃料代が上がったので商品の値段を上げざるを得ないという「悪いインフレ」です。
「コストプッシュ型」と言われています。
なので政府は企業に「給料を上げろ」と働きかけています。
給料が上がらないと景気が良くならないからです。
景気が良くならないと税収が増えないので政府も頑張ってます。

一般的な考えでは変動金利の金利が上がる時は景気が良くなった時です。
言い方を替えると給料が上がり出した時です。
個別の会社の業況で差はありますが、給料が物価と連動している公務員あたりは、そういう考え方でほぼ大丈夫です。
日本国民の生活のために頑張ってきた日本銀行です。
国民が路頭に迷うような利上げをしないことを祈っております。

それでは次は私たちはどのように金利と付き合っていくべきかという説明をします。

変動するのは金利だけじゃない

小難しい金利の話にお付き合い頂きありがとうございます。
前回でもこのような話をしたのですが、

「金利の決まり方や変動の動向に詳しくても意味が無い」

ここまで話を進めてきて身もふたも無い話ですが、知っていても知らなくても勝手に金利は決まりますし、金利の動向も自分の努力でどうすることもできません。
金利の決まり方や変動には金融機関共通のルールがあるので、目先の金利が多少違っても、住宅ローンは35年で組むのが一般的です。
10年くらい前なら金利の高い全期間固定金利型の住宅ローンを金利の安い住宅ローンで借り直す「借り換え」というのが、有効でしたが最低金利で落ち着いた現在では、全期間固定金利では無い限り結果的には同じような金利に落ち着きます。

それを分かって欲しかったので、長々と金利について説明しました。

それでは何が重要なのか?

それは「金利との付き合い方」です。
「インフレ」の説明をした際、「物価」や「給料」、「景気」という言葉をあえて使用しました。
それらの言葉は関連しています。
「金利」が上がり月々の返済金額が3,000円増えたとします。
しかし同時に給料も30,000円増えていたらどうでしょうか。
また購入した土地の価格が500,000円上がっていたら。
土地・建物を売却した際、当初金額より高く売れたとしたら。

「金利」の上がり下がりだけで一喜一憂することは無いという事です。

大切なのは自分のライフサイクルの中で住宅は、自分の人生をどの様に彩ることが出来るのか。
将来の自分や自分の家族をイメージしてみた時、その金利に妥当性はあるのか、それは人生の満足度に貢献しているのか。
そのように金利についての考え方を別の角度から見直して、単純に「高いから安いから」という事のみに囚われ無いことが肝要です。

それでは本当に大切なことは何なのか。
それは住宅ローンを通じて「お金について考える」事です。
今まではウサン臭さを払拭するために専門的なお話をしてきましたが、それが私が一番伝えたかった事です。
その話は次回に。

不定期に更新します。
気に入って頂いた方は引き続きお付き合いください。




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