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なりたい人は、かわいいおばあちゃんと仙人

二人目はゆずちゃん。
そっと、ふわっと、何かを包み込むようなあたたかい優しさ。
いつもみんなの心を和ませてくれる彼女が大切にしているものとはー

一人一人が持っている、「今」のその人なりの想いをカタチとして残したくて始めた記録インタビュー。
テーマは「わたしが大切にしているもの」。
出会った人たちのストーリーをこれから言葉にのせていこうと思う。

今回語ってもらったのはシェアメイトのゆずちゃん!


原点は小学生のとき

大学4年生のゆずきです。
子どもが好きで、大学生になってからは中高生のキャリア教育に携わったり、幼稚園でバイトをしたり、オルタナティブスクールでインターンをしたりしていたよ。

子どもに関わりたいと思った理由は、
「こんな人がいたらいいな」
「こんな世界だったらな」
って自分が子どものときにほしかったものを、今大人になった自分がつくれたらいいなと思って。

その原点は、自分が小学生だった頃にあるんだよね。

知夫里島の崖でわぁぁあってなった


実は小学生の時に軽いいじめを受けていたことがあって、その時は学校に行くのがすごくしんどかった。
毎日泣きそうになりながら、吐きそうになりながら登校していて。
だから、自分の悩みや気持ちを何でも言ってもいい場所があったらいいなって思ってた。

今度は自分が、誰かにとって家族のような存在になれたら

幸い、自分はきつくても学校に通い続けることができたのは、家族の存在が大きかったからだと思う。学校にいると、例えば勉強がよくできるから、容姿がかわいいから、運動神経がいいから、面白いことを言えるからクラスメイト達に受け入れてもらえて、そうでなければ輪の中に入れないような人間関係があったんだよね。
でも、家族はありのままの自分そのものを受け入れてくれた。そんな家族は自分にとって、そのままの自分でいてもいいと思わせてくれた大切な居場所。だから大人になった時に自分も、当時の自分のように何か苦しい気持ちを抱えている色んな子どもたちにとって、そういう家族のような存在になれたらいいなって思うようになったんだ。

海岸の芝生で大の字になって寝っ転がって見えた青空

目指すは、かわいいおばあちゃんや仙人

そのためには、自分自身が人として良い人間であれるようになりたい。
もし、自分が人として幼かったら、目の前の子どもたち一人ひとりを心から受け入れることができない気がする。昔からずっと密かな夢があって、いつかはかわいいおばあちゃんや仙人になりたいって思うんだよね(笑)
自分の中でかわいいおばあちゃんのイメージは、何でもあたたかく、優しく受け入れてくれて、しかも人生に深みがある人。
仙人は、研ぎ澄まされていて徳がある人っていうイメージ。
人として自分はそういう人でありたいから、これからも自分を成長させながら人間性を磨いていきたいって思う。

もっと、「生きる」と向き合いたい

それから最近は、「生きる」ってことをちゃんと噛みしめながら生きていきたいなと思っている。それがこの島に来た理由でもあるかな。

島の日常の景色

というのも、大学3年生の時に、「生きること」について考えさせられる出来事が二つあって。
一つは当時インターン先のオルタナティブスクールで子ども達と体を動かしながら「わらべ歌」を歌ったとき。なんか心がすごくあったかくなって、帰りのバスで一人、涙がどんどん溢れ出てきた。
生きている心地がしなかった小学校時代を乗り越えて、今大人になった自分が小学生の子どもたちと関わって、ふれあって、心の底から笑顔になって、癒されて。なんだかすごくあたたかい気持ちで包まれたんだよね。しかもそういう経験は、自分がどん底だったところから着実に歩んだ先にあったことだったから、

「生きていてよかった。」

って本当に思えた。そんな風に思える経験をこれからも大事にしていきたいし、もっと噛みしめられるようになりたいんだ。

もう一つは、友達が「死にたい」って自分に言って来たとき。直接その言葉を聞いた瞬間、自分が子どもの頃に苦しかったことと、その子の今の状況がリンクしたんだよね。
自分は、大切な人には「死にたい」なんて思ってほしくない。でもどんなに大学で心理学を勉強していても、自分はまだまだ力になれていないなと、無力感をその時すごく感じた。それもあって、「生きる」ことについて改めてもう一回考えてみたいと思ったんだ。

島でのテーマを書いてみた

自分が生きるために必要なものを見つけに島へ

島に行くことを選んだのは、良い意味で島にはなにもないから。
地元だと色んなモノやコトがそろっているし、家族もいれば友達もいる。だからこそ、そうでない場所に行ってみたかった。

来島してから3週間目。島で暮らし始めてからは、来る前よりも自分の時間をどう使うかを大事にできるようになった気がする。例えば日記。今までは書こうと決めてもちゃんと継続できたことがなくて、続いてもせいぜい3日間だけ。でもここに来てからは、毎日夜は自分と向き合いながら日記を書けるようになった。

他にも、一面の広い田んぼの景色を眺めながら自転車を走らせたり、地元の人からいただいた野菜であったかいごはんを食べたり、シェアハウスのみんなとしゃべったり、「生きていてよかった」と感じられる瞬間が日々たくさんある。

シェアメイトが表紙を書いてくれたお気に入りの日記

海士町のキャッチコピー 「ないものはない」。
その言葉に
「生きるために必要なものは全てここにある」
という意味が込められているのを知ったとき、すごく心が動かされた。

自分が生きるために必要なものってなんだろう?

それをこの島で、これから存分に体験していきたいな。



話してくれた日:2024年4月16日

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