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歩行の心理的影響

『歓びで胸が躍ると怠慢な農耕馬のようにだらだらとは歩かない。
       不安にさいなまれた者は英雄のように歩いて来られない』

                       (Samy Molcho 1988)

こんにちは。すけです!

このノートでは専門学校時代の同級生3人と日々感じたことや勉強したことを発信していくアカウントです。

初投稿で緊張していますがどうぞよろしくお願いします。
では早速本日のテーマ「歩行の心理的影響」です。


感情=動作?

世界中を席巻しているK-POPアイドルだったり、まるでアニメの中から、出てきたかのうようなディズニーランドのキャラクターたちを見ていると

動作の表現者だと感じませんか?


日本では、2012年から中学校保健体育の一環として、男女ともにダンスが必修化されました。

当時、中学生だった私は初めて導入されたダンスの授業で、全くと言ってよいほど無いリズム感や思春期真っ只中に、女の子の前で全身で踊るということが大の大嫌いでした。「なぜ踊らなきゃなんだ。」と授業中に絶望していたのを思い出します。


この授業が追加された目的は、表現力や想像力など、それぞれの持つ力をダンスという身体を使うことで表現し、伸ばすことだったのです。

音楽に合わせ、激しくも調律のあった圧巻の様は、血がにじむような努力を感じ、身体で表現をするというダンスを通して感動を与えました。
まさにK-POPアイドルは全世界を巻き込んだ感情の動作的表現といえるでしょう。


また楽しい空間を提供する「夢の国ディズニーランド」はみなさん一度は行ったことありますよね。
僕は彼女の影響で最近ハマりまして、、、新エリア楽しみです。

さて、ランドで一度は見かけるキャラクターたちは、着ぐるみのため表情や声は出しません。(着ぐるみは怒られそう)

しかし、個性的なディズニーキャラたちの所作や手振り身振りを使用することで、まるで目の前に出てきたかのような感情を伝えています。

それは非言語な表現により、キャラクターを通してディズニーという世界観への没入感を提供しているのだと思います。

このように動きは感情的な構成要素をもっているといえます。

感情・意図そして特徴は動作に流れ込み、もしくは動作によって呼び起こされ、動作と同時に観察されます。


人の歩行を観察する際にも、これらの感情に関する情報が、場合によっては動作として現れているにもかかわらず、日々の臨床において機能的な問題点ばかりに注力してしまい、

動作の心理的バックグラウンドはほとんど考慮されていないのでは?と感じます。



動作から感情をコントロールできる?


普段私たちが自然に歩いている姿は、何を考えて、何を表現して歩行しているのでしょうか?
また動作を制約するとどうでしょう。

・普段の慣れている歩幅をあえて小さくしたり大きくしたりすると、精神状態と感情は、それぞれどのように反応もしくは変化するのだろうか。


・下を見ながら歩いていれば考えが暗〜くなるのではないか。


・もし首を動かさないように固定して生活したら、生き生きと笑えるか。


これらは動作を制約することで、感情にも影響をしてくるのではないのかというものです。みなさんも試してみると考えや感じ方のはっきりとした変化があるのかもしれません。



非言語で伝わる?ボディランゲージとは


これらの動作と感情の関連性を、ボディランゲージをキーワードとしてコミュニケーションに利用することができます。


ボディランゲージは、
言葉を使わずに体の動きや表情、姿勢などで伝える非言語的なコミュニケーションの方法です。

これには、目の動き、顔の表情、手や腕の動き、立居振る舞いなどが含まれます。

例えば、目をそらすことで不安や嘘を、または微笑を浮かべるることで喜びや同意を示すことができます。


例えば
・小さな歩幅で、肩を落としてすくんだ雰囲気で歩いてくる人を見て、今日も元気だなっと思う人はいないでしょう。

・きょろきょろ周りを見て早歩きで歩いている人は、せっかちな性格なのか 
 もしれません。



文献を見ると、
人の全体的印象は55%がボディランゲージ、38%が声、そしてたった7%が話している内容で決まる
と言われています。   
                         (Mehrabian1972)

つまり、喜んでいる歩容と落ち込んでいる歩容を見分けるのは、誰でもできるということです。
重要なのはそれを治療にどのように生かすのかだと思います!



臨床では?

普段の臨床では、立脚終期で股関節伸展不足だから股関節伸展筋の関節可動域制限や筋力低下だ!と機能面に着目してしまう。

しかし、
力強く踏み込んで痛みが出たら嫌だな、

そもそも大股で歩いて平気なのかな、

このままだと趣味だった散歩が続けられるかな、
その患者さんは受傷後の部位に違和感を抱いているのではないか、

友達とは月に一度の交流で、外出も買い物くらいで基本は家で過ごしていたよ。」と内気な性格の方なのか、


趣味が多くて習い事もやっているから、家にはほとんどいないね。外出したら友達といることが多かったよ。」と交流的で活発な方なのか、

どのような性格の方で、元々はどんな日常生活を送っていたのか、


このような視点を持つことで、患者さんへの受傷部位への説明不十分なのか。理解の程度により恐怖心なのか、不安なのか、心配なのか
それによる動作の制約をしてしまっているのではないかと考えてみてみることも重要だと思います。


まとめ

患者さんに起きている身体的現象が機能面の問題なのか?
心理的な影響のものなのか?

例で出した立脚終期での股関節伸展制限は内気で小股で歩いていた元の性格によるものなのか、障害による不安感からなのか、

患者さんの日常での様子を観察するなかで、各個人の無意識に表現させる心理的な状況を読み取ることで何か見えてくるかもしれません。


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