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ひとの人生にも責任を感じる必要はないと思う。

『私、あんまり結婚結婚って言われるのきついんですよね』

『結婚しようって約束すれば、結婚しなかった時にその約束を破ったことになるじゃないですか』

『不確定な未来を”言葉”によって、制限するのってなんか嫌です。今幸せな思い出を作っていても、ああ、あの時の約束破られたなって、見え方がまるで変わってしまう』

こんなことをバイト先の後輩が話していた。21歳のその子は、一歳歳上の男の子と付き合っていて、半年になったばかりだった。

『それに、私別に住むのはどこでもいいんですけど、彼氏はすぐにでも結婚したいって言ってて、就職先だって東京か福岡か選べたのに、私と付き合うためにわざわざ福岡選んでたんですよ!?しかも、付き合う前に、そう決めたって言うもんだから』

『もし結婚しなかったら、私が彼の人生を大きく変えたみたいで、それもあって、、、』

彼女以外にも、その瞬間に付き合っている相手がその子と離れたくないことを理由に、職さえも変えようとしているなどの話はよく耳にする。
それを聞くたびに、彼らたちは、彼ないしは彼女の人生を大きく変えてしまった様だからと、情とも罪悪感とも取れるような気持ちを抱えているように見える。僕にはそれが、罪悪感なのか情なのかは分からないが、少なくとも、自分の人生をそれ以外のもののために狭めている気がしてならない。

「他人の人生にまで責任を感じる必要はない。」

冷たい言葉だろうか。けれども、僕は大事な人が僕のために人生を狭めることを決してしてほしくない。相手にとっての最大の幸福を選択し続けて欲しい。

他人の気持ちや行動は決して操ることは出来ないが、自分の人生は自分でコントロールできる。それは相手も同じだ。決めたのは他でもない自分であって、それは相手も同じこと。

『来る』といったのは彼。『やめる』と言ったのは彼女。「する」と決めたのは私。「諦めた」のは僕。

もし今、誰かの選択までも慮って、自分の心を削っているのなら、その荷物を下ろしてみてはどうだろう。

難しいことだとはっきり分かる。相手と時間を過ごしたのは他でもないあなただから。
それでもきっと今よりは体が軽くなったと感じられるように。

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