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あなたは わたしを 固結びの紐、と喩え 一本一本 解いていきたい と語る 固結びの紐の中に …
しあわせですかと 自分自身には もう問わない 答えのない問いは 果てのないループに 絡め取ら…
しあわせですか と問いかけられて なぜ こんなにも 涙が溢れるのか 忘れていた とても大事な…
葦舟で届く手紙は いつも 真っ白で 初めのころは 言葉が流れてしまったのだろうかと 思い悩み…
行間を読め、と 語られないものが そこにあるかのように 教えられた 行間は単なる空白でなく …
まっさらな夜空に まっさらな月が 貼り付いて 一筋の迷いもなく 真っ直ぐに 届く輝き あまり…
わたしのポストは 湖の中 配達員は 向こう岸から 手紙を葦舟に乗せて 送り出す 葦舟は 月の道を 滑るように辿り あなたからの言葉はそうして 届く 今夜の 風はどこを吹いているのか 雲はどこを流れているのか 静かな月夜でないと あなたの言葉は届かない 鎖編みの糸を 指に絡めたまま、 目を閉じ 耳を澄まし わたしの心も 葦舟のように 頼りなげに震える やがて、また、雨が零れる 心が震えると なぜ、溢れてしまうのか 湖面に漂う 葦舟に 濡れかかると あなたの言
昼月の 褥に降りる 霧の帳 みだれし髪に 濡れかかりたり
ほんのすこし むかしのこと 見つけて欲しいから 隠れてみた 誂えたような窪みに すっぽり収…
脇道が好きだ 通りから脇に延びる 細い路地 連なる軒が 手を差し伸べるように 影をつくり …