夜の帳は下りて小鳥は揺蕩う 前編
「僕だ……ああ、今はまだ大丈夫……だが奴らはすぐそこまで来ている……ウッ! ほら、右腕が疼きだした」
「ママー! あのお兄ちゃん何してるのー?」
「っし。見ちゃいけません!!」
「分かっているよ……大丈夫。ちゃんと抑えているから、心配しなくていい……」
「ワンワン!! ワンッ」
「犬も邪悪な気配を感じ取ったようだね……ってうわ! なにす――」
「……はは、犬がおしっこで陰の気を浄化してくれたよ。野良犬にしては勘が鋭いね。って話が逸れたね、うん。また連絡するよ、じゃ