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【詩】祭囃子と思い出の迷路

少年時代
ランドセルを”ぱかぱか”して、歩いていたあの頃

すべてが大きくて 歩きにくい街だったから
未熟な足は何度も躓いて転んだ

痛いのは、日常で
絆創膏は、親友だった

暗くなるまで、遊んだ
飽きるという言葉は辞書になかった


夕焼けの空
まるで映画館で見るような薄い影が町を覆う

今日も終わり
そんな夜の帳をかき消す音が響く

『祭囃子と人の声』

幽霊商店街に人々が集まる
シャッターばかりの道に屋台が並び、提灯が燈る

かき氷
チョコバナナ
金魚すくい
射的
綿菓子

たくさんの屋台と人々が歩いている

目を引くものはたくさん
笑い声も呼び声も 僕の耳に響く
これじゃ、家に帰るのは遅くなりそうだ

少年時代
好奇心旺盛で寄り道ばかりして、
歩いていたあの頃の僕には

夏祭りは『迷路』だった


大人の僕は、少し羨ましく思いながら、
夏祭りを見ている

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