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「ドア閉まります」の話(2024.3/26の日記)

 腕時計のベルトを交換してもらうために一人で時計店に行った。父と母が心配そうに「一緒に行こうか?」と言ってきた。私は今年21歳になります。

 時計店に行き、大層な買い物ではないのにお茶菓子をいただき、時計の豆知識をたくさん吸収して帰ってきた。父がいると凝り性を発揮してなかなか帰られないだろうので、やっぱり一人でちょうど良かったなと思った。

 時計店を後にして普段乗らない路線の電車に乗り、大型の書店に向かった。今日のお出かけ第一の目的はこれだと言って過言ではない。

 父は、私がこの乗り慣れない電車に乗ることを心配していたようだった。事前にどこ行きのに乗るか、どうやって乗るかをメールしてくれていた。私の方は「乗ったらどうにかなるっしょ(鼻ほじ)」という感じだった。他の人がやるようにやれば大丈夫だろう、同じ目的地に下りる人がいるだろうと思っていた。
 実際乗ってどうにかなった。目的の駅で降りられたときの私の顔を見せてあげたい。しかし小学生くらいの子が乗り慣れた様子でスマホを見ながら立っているのを見て、私はなんておめでたくて世間知らずなんだろうと思った。もっといろんな経験をするべき。

 書店は大きくて、品揃えがすごかった。自分の好きな小説家の単行本が全部揃っていた。嬉しい。とっても嬉しい。持ってるけどまた買っちゃいたい気分だった。
 探していた本を棚の端っこからじっくり探したり、いつもなら素通りするジャンルの棚を眺めたり、PCの検索昨日を使って本を探したりした。ほしい本を見つけながら1時間ほど滞在した。本当はもっといたかったが我慢した。いろんな人がいろんな本を探していて、自分もゆっくり本を探せる空間がいいなと思った。楽しかった。

 帰りに満足して駅ビルに寄り、気になっていた服屋さんを探したのだが、私があまりに方向音痴過ぎて見つけることができなかった。嘘だろ。神隠しレベルの見つからなさだった。諦めて帰った。自分の方向音痴がショックすぎて昼食を食べるのを忘れた。

 帰りの電車で買ったばかりの本を一冊読んだ。短歌集。題名が不思議でずっと気になっていたものだった。一つ目の短歌が題名の元になったもので、はーんそういうこと!となった。どれも情景が綺麗で、言葉遊びが楽しくて、電車の中で想像を膨らませながら楽しく読んだ。会話の文章やカギ括弧のついた短歌もあり、よく気にしてみると身の回りに五音や七音の言葉はたくさんあるのだなと思った。

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