見出し画像

めったに無い連休の話(9/4の日記)

今まで長期休みになかなか連休が無かったのだが、今回はシフトの都合で二日とか三日とか連続のアルバイト休みがある。結構ある。何をして過ごそうか迷っちゃう。この日は昼近くになってやっと起きて、一日中本を読むことに決めた。

最初に読み終わったのは学生寮に残る夏休みの女子高生7人に、立て続けにいろんなヤバいことが起こる小説だった。私が大好きな学生×夏×大事件。こういうジャンルの小説にそろそろ名前を付けてほしい。あるのなら私に教えてほしい。そういうのばっかり読んでいたい。究極は。

そんなこと同じ日に同じ時に同じ場所でそんなにたくさん起こる?という大変さと、そのハラハラ感。きっと大丈夫だと思いたくてもどうしようも無さにどんどん焦らされる。登場人物の7人の女子高生のキャラクターがわかりやすく、どの人物も好きになる良さがあった。年頃の女の子という感じ。7人が関わり合って影響し合って、その事件を経てそれぞれが何か気づきを得たのだなという物語の大きな流れが、この小説の好きさをさらに大きくさせたように思う。イイ。描写が細かいから私も同じ学生寮にいるような感覚になる。私は制服を着るような学生生活になんらかの未練があるのかもしれない。

2冊目に読み終わったのは好きな作家のエッセイだった。この本を手に入れたのは小学生の頃、実に8年も前のことである。父に連れられて朝市に行き、フリーマーケットのようなブースで目に入った本だった。当時読み進めてみたのだが、小学生の私が内容を理解するのは難しかった。栞代わりのイラストを挟んだまま、最後まで読めずに今まで置いていた。やっと読み終わった。
当時内容がうまく理解出来ずに、出てくる「ソウ」や「ウツ」という言葉を誤字だと思っていた私が、このエッセイの面白さを理解して読み終われたことがとても嬉しかった。文字が小さいと思っていた文庫のこの本も、今ではなんとも思わない。

文章の中身もこの作者どうしようもない人だったんだなと分かったし、それでも言い回しが面白いし、一緒にいる家族の優しさや温かさがいいなと思った。株で大失敗しながらそれでも繰り返す作者と、娘の結婚式を語る作者。ツンデレのような文章にぐっとくるのだが、びっくりするぐらい周りを困らせているもんなこの人…と思う。小学生の何も分からない自分の確かなチョイスを褒めたい。読めるようになった嬉しさと相まって、より面白く楽しい読書だった。

もう一冊読み始めたのが「イヤミス」と言って真っ先に名前が挙がるような小説で、ずっといいよ、いいよ…と言われ続けてやっと読み始めた。心身が健康で余裕のある時にこそイヤミスは染みる。あっという間に読み進めた。

それぞれの語りで各章が進み、段々物語の真相が分かってくる。そこの人物繋がってたのか…!という驚きでさらに物語に没入する。段々登場人物の本性が分かってくるので、それぞれの人物に肩入れしても、本人や別の語り手が明かす主観や事実ですぐに覆されてしまう。ちょっとずつ上手くいかないことが増えてくる。かみ合わない歯車で、どんどんことが大きくなっていってしまう。最悪が最高。正しいとは何かとか判断は何かとか、すごく考える小説だと思う。面白かった。本当にどこかで起こってしまうんじゃないかという嫌さがある。

一日休みでも読める本はこんなものか~と思って寝た。一日がもっと長かったらもっと本が読めるのにな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?