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鏡に映る自分の話(2024.4/10の日記)

 早起きして大学に行こうと思ったがなかなか起きられず、気がついたら二度寝して昼近くになっていた。早く大学のリズムに慣らさなくてははいけない。

 もう3年生になったためか、全く授業の無い日が週に二日もできた。全休というやつだ。大学生活初めて。今度からバイトを入れたり、遠出の計画を立てたりして有効に活用したいと思っている。早速アルバイトのお誘いが来ている。

 全休だったのでゆっくり過ごした。せっかくの晴れだと思って毛布を干した瞬間、隣の田んぼでゴミを燃やし始めてふざけるなと思った。急いで取り込んだ毛布から燻製肉の匂いがする。

 私の住む部屋には洗濯機を設置するスペースがあって、キッチンから窪んだ正方形の空間になっている。普段は簡易カーテンで区切って脱衣所として使っているのだが、いつかここで本を読みたいと思っていた。今日はそれを実行した。
 ちょうど良い明るさとちょうど良い狭さ、外の世界を綺麗に断絶するので時間の経過が曖昧になる。かなり居心地の良い場所だ。淹れたてのコーヒーと本を数冊持って籠もった。一冊読み終わる頃には日が暮れていて、部屋が真っ暗だった。私の最高が実現したと思った。

 今日読み終わったのは短編小説集で、うち一つの話は高校生のとき教科書で読んだものだった。この小説家はファンの愛称があるほど人気で有名な人で、高校のときの現代文の先生も好きだと言っていた。この先生の好きをもっと知りたいと思い、知っている話が入ってとっかかりやすい短編集に手を出した。

 カタカナ2単語以上の名詞に「・(中点)」を打つ独特の表記も含めて、ああこの人の文体や作風はこんな感じなんだなと知るのに最もな一冊だと思った。結末が曖昧に終わる話のその後を想像するのも、そのままで終わらせて読み取るのも面白いと思った。

 やっぱり教科書で読んだ話が一番好きだと思った。読み進めるうちに教科書を音読した記憶や、話の意味を考察した記憶など、授業の様子を思い出して懐かしい気持ちになった。無い記憶かもしれないけど。本当に音読したかどうかは確かではない。あのときの現代文の先生が好きで、賢くて優しい姿に憧れながら授業を受けていたな~、とそういう空気を思い出した。いい記憶だ。

 お腹が空いてどうしようもなくなって、夜中にレトルトのカレーを食べた。寝る前に新しく海外のSF小説を読み始めた。最近翻訳小説にチャレンジしている。

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