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最後のふたり暮らし

2人でこれをやるのは(一旦)最後だね。
妊娠中、ことあるごとにそう思っては少し寂しいような、悔いのないように楽しもうという決意のような、欲張りな気持ちが生まれていた。

それもあって、比較的アクティブに動ける安定期をワクワクしながら待っていた。「安定期 いつから」「いつからいつまで」を検索しては自分の週数と照らし合わせていた。
大きなお腹と息切れしがちな重たい身体で、あらゆることをやれたと思う。温泉や遠方へのドライブ、街歩き、帰省を兼ねた旅行、ディズニーランド、音楽フェス、野球観戦、結婚記念日のディナー・・・。

なんだかんだ臨月までアクティブに動けたことは本当にありがたい。お腹の中でも何か感じていたのかな。お出かけするのが好きな子だったらいいな。
お酒は飲めないけど、美味しいご飯もたくさん食べに行けた。
「次は3人で来れたらいいね」とか「いや、この店は子連れは厳しそう」とか「生まれたらどこどこに行こう」なんて話をよくしていた。
そこには2人しかいないのに、もう1人の存在をちゃんと感じていた。

ただ、矛盾してしまうけど。
家族が増えることにわくわくする一方、もう少し2人の時間を楽しみたい、寂しいと思ってしまう。正直、今は後者の方が大きいと思う。なんなら、もうちょっと妊婦でいたい(笑)。
唐突だけど、やはり夫と2人の暮らしが大好きだ。寝る前のくだらないやりとりや、朝起こしに来てくれるとき、一緒に料理をしたり、夜にふらっと散歩をするとき。
ちょっとしたことでイライラすることもあるけど(主に私)、それでも隣にいることがなによりも居心地がよいのだ。
子供が生まれるとそれぞれパパとママになるんだけど、夫と妻というポジションを大切に、もっともっと強固にできたらいいなと思う。

3人家族となった私たちはどんなところに行っているのかな。
夫と2人で出かける日は、密かな楽しみとしてとっておこう。









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