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今日の一福

 2024/03/08

 
 朝に文旦。これ最高。
 ただし香に限ったお話。剥いたあとのそれは夫へヨロシク。

 まずは香。のちも香。すべてが香。
 パッと明るい、朝イチに見る君のスマイル。
 まるまるとしたホッペにお肌ツルツル。
 ずどんとしたボディはご愛敬。
 撫でくりまわして可愛がりたい。

 それが実際、指いっぽんでは到底太刀打ちできないマッチョなアニキよ。わたしの握力4(夫曰く)では見向きもされない。
 やっとこせ一皮剥いてもスポンジ状のダウンをお召しで、ガードは固め。ひと粒が重い。デカい。いつまで噛んでりゃいいのかわからないぜ。こいつは硬派だ。ひと口やふた口ではおさまらない。
 そのくせ果肉は光を透かす。果汁たっぷりに膨らんだそれ。キラキラの宝石の粒を見るようだ。

 デレか?
 それはデレなのか???

 もう惚れちゃう。ここで思い出したように酸味が効いて、ギュッとくる。
 指先の残り香には1日ひたれる。ふとほろ苦くなった頃には夜になってる。
 すでに虜。
 朝が待ち遠しくてたまらない。ところで―――

 ―――夜に文旦はオススメしないぜと、念のため一筆しておく。
 あの肉厚スマイルには圧がある。よって1日の疲労には負担超過。刺激つよめ。どうがんばってもムセちゃうんだぜ。
 香だけで十分でございますとやんわりたしなめたところで、彼にはてんで通じない。なぜなら彼には遠慮するという躾けがされてない。つまり彼のせいではない。彼はわるくない。が、ひと言で言うて息苦しい。ついでにまぶしい。目が、目があ。
 ちなみに昼は知らない。スキになさい。

 結論。「スキはスキでも加減ありき」で。
 また明日!

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