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【D-102】『地面師たち』を見た

見ました!

楽しみにしすぎて期待値上げすぎてないかと思いながら見始めましたが止まらなくなりました。(ドラマ一気見するのってなんでこんな気持ち良いんですかね)

正直うーん…と思うところもありましたが良かったです!
以下ネタバレしまくりです。


・悪い奴らだいすき!

悪い奴らが悪いことするダークな作品がめちゃくちゃ大好きです。悪い奴がいっぱい出てきてデッカい悪いことするの最高にたのしい。

クライム作品におけるチームプレーの好きなところは、それぞれの行動理念が「仲間のため」ではなく「己の欲のため」なので、必然的にわたしの大好きな"スタンドプレーから生じるチームワーク"になるところです。("引用元"は警察官なの皮肉ですね)

アホすぎて全く使えないオロチくん(アントニー)も、スリル要素として一興でした。アントニーって浅いチンピラ役似合いますね。噛ませ犬にしてはだいぶ良いほうの死に方だったのでは。

ハリソンが最後に皆殺しにしちゃったのは、ハリソンの美学として正しくて良いとは思います。

が、この物語の視聴者としては、あのチームの仕事ぶりをもっと見たかったなあと思います。それぐらいキャストもキャラも最高のチームでした。


・怖いオジさんたちかっこいい

6話でボコボコにされて笑ってる北村一輝、最高でした……

『疫病神』シリーズのクワハラ=北村一輝がほんっとに大好きなんですが、命の危機ほど笑っちまうみたいなイカれたチンピラの北村一輝を2024年にまた見ることができてかなり幸せでした。

トヨエツの顔面に血吐くシーン、ほんとにたまんなかったです。前後のセリフ含めて4回ぐらい見直しました。

こんなにボッコボコで血だらけで、5分後に命あるかわからないという状況で、思いついた悪口全部言って笑ってる顔すらカッコよくて、どうかしてます。

あと、ピエール瀧とリリーフランキーといえば『凶悪』ですが、あの映画のときの2人のような鬼畜を一手に引き受けていたトヨエツ、すごかったです。

怖いシーンいっぱいありましたが、小池栄子の髪の毛引っ張ってるときかなり怖すぎましたね。『SAW』始まるかと思いました。

山本耕史も凄まじかったです。ある意味、ハリソンチームの地面師たちよりも全然ハリソンと肩並べられる変態性と情熱を兼ね備えてました。

拓海くん(綾野剛)よりも青柳くんを育てたほうが、ハリソンの最高傑作完成に近かったかもしれないですね。なにせ土地で勃起する男なので……


う〜ん

それまでの6話全部がおもしろかっただけに、最終回は正直かなりがっかりでした。

ハリソンに魅入られて地面師になった辻本拓海というキャラクターの動機・使命を"復讐"という言葉であっさり納得させようとしてくるのが、単純すぎてなんだかなぁと思いました。

そして池田エライザの役。
明らかに主要キャラと空気が違いすぎるし、キャラクターの存在意義がよく分からなかったです。大根仁が作ったドラマオリジナルキャラと知って「なるほどな…」と思いました。

ああいう"社会正義"みたいなのを、強くて美しい女性キャラ(ポリコレの典型)としてクライム作品で押しつけられると、池田エライザの背後に大根仁の顔が浮かんで気分悪くなりますね。そういう意味では胸糞でした。

あとは、ハリソンが自分の手で殺したアントニーを見ながら「こんな低脳の猿が〜」と言うセリフ。

なんとなくサイコパスっぽくないというか、わたしの思うサイコ野郎が言わなそうな文章で、それも残念でした。

最後の最後の搾りカスまであますとこなく使い切ってボロボロになったら捨てることに抵抗も気持ち良さも感じてないみたいな、鉛色の血が通ってそうな雰囲気がなく、"普通の人が想像で描いたサイコパス"の域を出なかったように思います。

その結果、サイコパスというよりはただのキモい殺人マニアにされてしまったハリソン…。サイコパス犯人を描く邦画でありがちなダサさに収まってしまって残念です。

トヨエツの怖すぎる落ち着きと迫力でかっこよかった分、めちゃくちゃもったいないなぁと思います。もっと魅力的なヒールになりそうだった。。


・まとめ

最終回を除けばめちゃくちゃおもしろいドラマでした!

個人的には傑作というよりは良作くらいですが、石野卓球のかっこよすぎる音楽とともに怖オジさんの悪い表情がいっぱい見れてたのしかったです!

人が殴り殺されるときの音が「グシャ❕コポポ…」なのもよかったですね〜〜

『狐狼の血』『凶悪』『疫病神』シリーズもひさしぶりに見返したいな〜と思いました!