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#7 ランジェリーにおけるインポートブランドの強み

こんにちは、Callaです。
今日ははじめに、五感の”触れる”にまつわるフランス語の小ネタを1つ…
フランス語に「A fleur de peau(ア・フレール・ド・ポー )」という言葉があります。これは「皮膚の表面」のことを指すのですが、身体をそっと触られたり、撫でられたときに思わずゾワッとするときのようなあの感覚のことを、「A fleur de peau」と言うそうです。感性豊かなフランスでは、こんな表現があるのですね!

前回は、日本ブランドとインポートブランドのランジェリーにはそれぞれ強み弱みがあるということ、特に日本ブランドの強みについてお話しました。今回は、インポートランジェリーの強みについて、詳しくお話したいと思います。

●インポートブランドの強みは洗練されたデザイン

私の私見では、”インポートブランドの強みは洗練されたデザイン”だと感じます。日本ブランドのブラジャーは、胸を型にはめるような”寄せて上げる”というニュアンスが強く、フランスやイタリアのインポートブランドのブラジャーは、自分の胸に装飾を乗せるようなニュアンスが強いと感じます。私はこの違いについて、各国のボディファッションに対する捉え方や、精神的要素、価値観の違いが影響しているのではないかと感じます。

ボディファッションに対する考え方の違いとしては、前者は下着の役割として、ファンデーションと称される、体型補正・機能性を重視する傾向が強く、後者はランジェリーと称される、デザイン性を重視する傾向が強く反映されています。

また精神的要素、価値観の違いとしては、前者は”人からのウケ”を気にして媚びたり、型にはめようとするような価値観が強く反映されており、後者は”自分のウケ”に関心があり、ありのままの自分自身に自信と誇りを持ち、自分に正直な価値観が反映されているように感じます。

●ランジェリーライクなアパレル ⇄ アパレルライクなランジェリー

 デザイン性を重視するインポートブランドでは、下着という枠にとらわれない、自由なデザインが魅力です。その魅力を、実際のブランドと交えてご紹介します。

『La Perla (ラペルラ)』

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ランジェリー界のトップオブトップブランドとして君臨する、”La Perla”。1954年、一人のイタリア人女性 アダ・マソッティーが小さなコルセットメーカーとして創業した、イタリア・ボローニャ発祥のブランドです。60年以上の歴史を持つ”La Perla”の最高級ランジェリーは、たくさんのランジェリーデザイナー、ランジェリーラバーの憧れ的存在となっています。
そんな老舗ランジェリーブランドは、ランジェリー特有の透け感、素材感、繊細なディティールデザインを生かした、ドレスラインを展開しています。これは、下着という枠にとらわれず、”ランジェリーライクなアパレル”へと昇華させた模範例と言えます。

『Chantal Thomass (シャンタルトーマス)』

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こちらはランジェリー界の女王と称される、”Chantal Thomass”。ランジェリーをモードに変えたブランドとして有名です。フランス人デザイナーのシャンタル・トーマスは、もともとはプレタポルテ(既製服)デザイナーとして、パリコレクションで作品を発表していましたが、1999年、ランジェリーブランドを立ち上げました。モードでコケティッシュな”Chantal Thomass”のランジェリーの中には、ボタンがあしらわれているものや、テーラードの襟がデザインされているものなど、アパレルデザイナーが作ったことを彷彿とさせるディティールが散りばめられています。今までのランジェリーにはないクリエイティブなデザインで他を圧倒する、”アパレルライクなランジェリー”の先駆者です。


今日は代表的なインポートブランドを例にお話しましたが、日本人デザイナーでも、インポートブランドのように洗練られたデザインのランジェリーをつくっている方々がいらっしゃいます。次回は、私が憧れる日本人デザイナー達のブランドの一部をご紹介したいと思います。

ではまた。


Calla

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