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m_oonote
1番じゃない
友人は多くいる。
きっと、多分、多いほうだと思う。けれど、その誰にとっても1番じゃない。そのことをひどく切なく思う時がある。
親友、という言葉を、私事として聞いたことがない。私には親友はいないし、私を親友と呼ぶ人もいない。先日友人と呑んだ時に、当たり前のように「結婚式に来てね」と言われた。嬉しかった。お話も下手で、友人のことをなんの気なしに振り回す私が。結婚式に呼んでもらえる友人の数に入った。そのことは誇らしかった。
この間流れてきた動画に、結婚式に呼ばれすぎてお祝儀で首が回らなくなっちゃった人のやつがあった。多分その人はめちゃめちゃにいい人なんだろうなと思う。学生の頃から、他人の苦しみを一緒に苦しみ、他人の悲しみを一緒に悲しみ、他人の喜びを分かち合う人のできた人なんだろうな。
いいなあ。
いいな、と簡単に羨むものでもない。そういう人にはそういう人なりの苦しみがもちろんあって、努力があって、手放しに彼らが友人を手にしているとは思わない。私はそこの努力を常に面倒くさがって怠った。だから、当たり前の結果でも、当たり前の事実ってなかなかボディーブローのように効くものだ。
彼女は、さらりと隣りに座った恋人と自分の友人代表スピーチを読んでくれる人について話す。親友、とその子を彼女は呼ぶ。みんなそう。
私は1番じゃない。結婚式にはきっと呼んでもらえるだろう。でも私が、友人代表スピーチを読む日は来ない。
だいすきなともだち、高校時代に一緒に死ぬほど恥をかいた友人。彼らが幸せでありますように。
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