見出し画像

SDGs(持続可能な開発目標)〜考察①

前半

まず、はじめにSDGs(エス・ディ―・ジーズ)とは具体的に何か?

貧困、不平等・格差、気候変動による影響など、世界の様々な問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定されました。

世界共通の17の大きな目標と達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

☆SDGsの本質
多くの人に知られている言葉ですが、実は国連でSDGsという名前で採択されたわけではありません。国連193ヵ国が全会一致で採択した文書の正式名称は、「我々の世界を変革する」といいます。

SDGsは、採択された文書の1部に記載されているものであって、文書全体に書いているものでもなければ、文書のタイトルでもないのです。

つまり、我々の世界の在りようそのものを根本的に変革する、ということです。逆に言えば、SDGsは、変革するための手段でしかなかったのです。

それでは、169のターゲットを見てみましょう。

☆サンプルとして、「15.陸の豊かさも守ろう」を考察しようと思います。

これ以外に17目標それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

☆絶滅の危機にある生き物たち
全世界には175万種の生き物が暮らしています。
そのうち約4万4000種の野生生物が絶滅の危機にあります。さらに今後、数十年間で、約100万種の動植物が絶滅の危機に陥るともいわれています。かつてない速さで絶滅危惧種が増えています。

☆なぜ、そのような状況になってしまったのか?
人間の活動の影響による気候変動をはじめ、環境破壊や生物の乱獲などがおおきな原因です。そのせいで「生物多様性」が失われてしまっています。

☆生物多様性とは?
生物多様性には、動植物の「種の多様性」や、
生物と環境を含む「生態系の多様性」などがあります。生物も自然も、すべてつながって成り立っています。一つの生物が絶滅すると、他の生物や環境に、
多大な影響をもたらします。

☆日本では、シカが爆発的に増えています。これはオオカミがいなくなったことが一つの理由といわれています。「種の多様性」が破壊されてしまった一例です。

最近、イノシシやクマが市街地に出没することが多くなっています。これは、山間部と都市の中間にある「里山」が、過疎化や高齢化で、管理されず荒れてしまったことが原因の一つです。

昔ながらの里山は、多くのすみかでもあります。
里山が荒れると「生態系の多様性」も崩れることになります。生態系でいうと、世界では、「土壌劣化」と「砂漠化」も大きな課題です。これも気候変動をはじめ、森林伐採や過放牧など、人間の活動が原因です。

☆世界でどれくらい砂漠化が進んでいるのか?
年間、日本の3分の1の面積のペースで砂漠化が進んでいます。砂漠化の影響により、今後10年くらいで、5000万人が移住を余儀なくされるという予測もあります。

☆日本でも、野生動物の保護が課題となっています。
かつて日本に生息し、絶滅してしまったニホンオオカミやオキナワコウモリ。森林伐採や土地開発といった人間の活動により、日本国内の絶滅危惧種の数は年々、増加傾向にあります。

環境省は、国内で生息・生育し、絶滅の恐れがある
野生動物、海洋生物をまとめた一覧を発表。それによると、現在、3772種が絶滅の危機にあるとされています。一覧の中には、ラッコやコウノトリなど私たちになじみのある動物のほか、イリオモテヤマネコやアオウミガメなどの生物がいます。

評価対象となった種のうち、絶滅危惧種に挙げられている生物の割合は、サンショウウオやカエルなどが両性類で最も多く、52%に上ります。次いで、汽水・淡水魚類で42%、は虫類で37%、維管束植物で
26%、哺乳類で21%、鳥類で14%となっています。

これらの現状を踏まえ、「生息域外保全」の取り組みを推進。専門家のアドバイスの下、絶滅危惧種を保護し、動物園や水族館、植物園等で育てて増やしています。

☆世界の取り組み 緑輝く未来のために
アフリカのワンガリ・マータイ博士(2004年に環境分野で初のノーベル平和賞受賞)は、ケニアで5000万本以上の木を植えた「グリーンベルト運動」を創設。

☆グリーンベルト運動は、レストレーション経済(森林回復による経済発展)の先駆的存在です。ただ、木を植えるだけではなく、人々の人生と生活を変革する運動です。種子の生産、苗床の管理、植樹、果物などの収穫、商品の売買まで、その一連の過程がうまくいき、地元地域が潤うようにしてきたのです。

〈グリーンベルト運動には、女性を中心にのべ10万人が参画し、貧困からの脱却、女性の地位向上にも寄与してきました〉

木を植えることは、自然の景観を変えるだけでなく、人々の人生をも同時に変えます。
グリーンベルト運動によって、劣化した土地に木々が生い茂り、川が再び流れるようになりました。
そしてまた、その活動を通して、人生を変えていった人々も多くいます。

森林を回復させ、収益も得ることができる。それだけではなく、人間としての尊厳を取り戻すことができたのです。

長くなったので、記事は②に続きます。













この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします!頂いたサポートはクリエイターとして活動費に使わせて頂きます!