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ケアサービス社が実践するワークシェアリング―事業拡大を支える人材採用と見極めの秘訣とは

株式会社 ケアサービス
デイサービス・訪問入浴事業部
事業部長
井上 寛人 様

事業成長に耐えうる採用強化に向けてカイスケを導入

―井上さん、本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。早速ですが、カイスケを導入頂いた背景からお伺いさせて頂けますか?

井上様:お客様に優れたサービスを継続的に提供するためには、介護職の働き手を安定的に採用していく事が非常に重要です。一方で、ご存知の通り、介護業界は人材の獲得が難しいと言われており、私どもも例にもれず、常に採用には頭を悩ましてきました。

もちろん、これまで求人広告・人材紹介・人材派遣などの様々な採用チャネルを活用し、改善を繰り返す事で一定の成果を挙げてきたと自負しています。

ですが、ケアサービス社は、より市場を開拓し、事業所を増やす方針を掲げています。したがって、事業の成長スピードに耐えうる採用の仕組みを作るためには、新たな手法に取り組む必要があると感じていました。そんな折に縁あって紹介を受けたサービスがカイスケでした。

派遣は人材の質、紹介は採用単価と見極めが課題に

―ケアサービス様の事業所はいずれもカイスケワーカーの評価が高く、採用活動に相当に力を入れてこられたと感じています。カイスケを使用する以前は、採用人数の確保以外に課題はあったのでしょうか?

井上様:採用チャネル別の課題を申し上げると、まず、人材派遣については、人材の質にも課題を感じていました。良い方も一定数いるのですが、お客様とのコミュニケーションや介護度の高い方への対応、スタッフ間同士のチームワーク等が上手く行かないケースについて現場から報告を受ける事がありました。

受け入れた派遣社員さんの約7割は有資格者の方ではあったものの、売り手市場という事もあり、弊社が求めるサービス水準に達していないと感じることもありましたね。

もちろん、現場側としては、どの様な方がお仕事に来て頂いてもしっかりとお仕事頂けるような仕組みやマネジメントを徹底しています。

ですが、いらっしゃる方が「良い方」に越した事はありませんし、お客様に喜んで頂くためには、いかに優れた人材を獲得するかには、採用目標人数の達成と同じくらい関心を払ってきました。

次に、人材紹介の課題についてですが、1つ目はとにかくコストが高い事です。ただ、人がいなければ施設の運営が成立しないため、使わざるを得ないというのが実態でした。

2つ目の課題は「見極め」です。これも業界あるあるですが、現場は1日でも早く人手を増やして欲しいと考えています。

ですが、採用の意思決定を急ぎすぎてしまう事で、求める水準に合致しないスタッフを雇用する事で、中長期的に既存のスタッフにしわ寄せが行き、結果として良い人が辞めてしまっては本末転倒です。

ですので、弊社は、採用時にできるだけミスマッチ防止に取り組んできました。コアメンバーとのコミュニケーションの機会を設けたり、職場の現実を伝えたり、実際に現場見学に来て貰う事もありました。

―選考プロセスも工夫を凝らしたものを用意されていたんですね。実際に、見極めの精度は向上したのでしょうか?

井上様:もちろん、一定の成果はありました。それでも、入社した後に「こんなはずではなかった」と感じ、離職に至る方も一定数いらっしゃいます。

こうした問題を解決するためには、候補者の方の「仕事に対するスタンス」や「人柄・人間性」を正確に見極める事が重要なのですが、実際に仕事をして頂かない事には、判断が難しいものです。

特に、弊社が提供するデイサービスや訪問入浴事業は、チームプレイが重要視されます。介護技術や経験はもちろん重要ですが、色んな価値観や考え方のスタッフと協力しながらパフォーマンスを出す事が何より重要です。

これらの要素は、面接だけでは、中々見極めきれないものです。そのため、実際の働きぶりを確認できず、かつ高コストな人材紹介は、採用手法として極めて博打姓が高いという課題感がありました。

優良施設の選定→導入準備→定期的な振り返りでカイスケが浸透

―人材獲得における量と質、そして採用コストについて課題感を持たれている中で、カイスケの導入を進めて頂いたという事ですね。実際にカイスケの導入を進める中で、どの様な点に苦労されましたか?

井上様:元々、弊社では単発の人材派遣を活用していましたので、外部から新たな人材を受け入れる事には慣れていました。ですので、導入を推進する本部側としては、特に大きな苦労はなかったように思います。

あえて苦労した点を挙げるとすれば、カイスケワーカーさんからの評価を現場が気にしすぎて、「お客様扱い」をしてしまう時期があった事でしょうか(笑)。

もちろん、担当課長がすぐにその事に気づき、受入時のスタンスについては修正を図りました。カイスケワーカーさんは、有資格者で経験豊富な方も多いので、お互いプロとしてしっかりサポートして、しっかりお仕事して頂こうと。その後は、お互いより良い関係を築けていると感じています。

―職員の皆様への伝え方のニュアンスって難しいですよね。一方で、大きな導入時の苦労はなかったとの事でしたが、現在導入が円滑に進んでいる秘訣はどの様な点にあるのでしょうか?

井上様:1つ目は、特に施設内のコミュニケーションやチームワークの優れた事業所からカイスケの導入を始めた事です。

初めて弊社の施設でお仕事される方としっかり意思疎通して頂ければ、スムーズにお仕事を進められますし、一度来て頂いた方に好印象を持って頂き、継続的に弊社のお仕事に応募頂くことも期待できました。

2つ目は、現場がカイスケワーカーさんを受け入れるためのナレッジの落とし込みを徹底した事です。資料もよくまとめられていた事もあり、受入体制をすぐに整える事ができたと感じています。

3つ目は、事業所間でカイスケの活用状況について定期的に振り返っている事です。各事業所の定量的な応募状況や、ワーカーさんからのコメントを共有した上で、求人原稿や受入体制の改善策についての議論を月1で行っています。

良いワーカーさんに継続的に来て貰えるかは、事業所の受入方法とターゲットに合致した方が来て貰えるかどうかが肝です。法人内の成功事例を横展開しつつ、組織としてPDCAを回していく事はかなり意識していましたね。

コスト改善・スタッフの負担軽減・現場の課題抽出に成果

―これまで弊社も多くの法人様を支援して参りましたが、まさにお手本のような運用だと感じます。実際に、導入後の成果についてはいかがでしょうか?

井上様:定量面の成果としては、定期的にお仕事に来て頂ける方が着実に増えており、事業所によっては10名以上のリピートワーカーさんの獲得に成功しています。

結果として、必要な日にちに必要な分だけお仕事を依頼できる状態となり、これまで以上に事業所運営のコスト構造をより筋肉質にできると考えています。

上手く運用している事業所では、人材派遣と上手く併用する事で、1時間あたりに発生するコストを約10%改善しているので、インパクトの大きい取り組みだと思いますね。

定性面の成果としては、弊社の施設についてしっかりと理解しているカイスケワーカーさんが増え、所長や常勤スタッフの負担が軽減出来たことです。

これまでの単発派遣では、毎回異なる方が勤務されるため、メイン業務やレクリエーションなどを依頼する事が出来ませんでした。特に、レクリエーションは、事前の準備が必要なため、「その日だけ」お仕事する方にお願いする事は出来ません。

その点、カイスケのリピートワーカーさんには、様々な業務に対応頂けているので、来て頂いた日には、常勤スタッフが1名増えるようなイメージで、大変助かっています。

加えて、先程申し上げた相互評価の仕組みも、ポジティブな意味で機能しています。これまで、自分たちの取り組みを第三者から評価される仕組みはなかったので、現場のスタッフにとっては良い刺激になっていると思いますね。

また、カイスケワーカーさんからのコメントで、施設の問題点に気付けた事もありました。

例えば、事業所の清掃状況に関するコメントを参考に大掃除をしたり、申送りに対するコメントを参考に、業務マニュアルや申送り方法を見直すなど、施設の情報伝達を見直すきっかけにもなっています。

生活意欲の向上から重度化予防までカバーする優れたサービス提供者に

―カイスケを使い倒して頂いて嬉しい限りです。最後になりますが、カイスケ活用の今後の展望について教えて頂けますか?

井上様:1つ目は、とにかく継続的に弊社の施設でお仕事頂ける方の数を増やしていく事です。リピートワーカーさんの数が増えれば、サービスの品質とコストが両方改善される実績が既に出ているので、より多くの事業所でカイスケを活用している状態を作っていきたいですね。

2つ目は、将来的な話になりますが、介護職以外の様々な専門職がカイスケ上でお仕事を依頼出来るようになって欲しいなと思っています。

これまでは、生活意欲の向上を目的としたレクリエーションや教室活動等に注力してきましたが、今後は国が重点的に取り組んでいる「重度化予防」領域への対応強化も図っていく予定です。

一方で、加算取得のために歯科衛生士などの専門職の方を常勤で抱えるのは、必ずしも得策ではありません。そのため、月に数回などのスポットでお仕事を依頼できるようになると、お客様に対してより幅広いサービスを提供できるようになると感じています。

―ケアサービス様のカイスケ活用の取り組みは非常に洗練されていて、大変勉強になりました!本日はありがとうございました!

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