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伸こう福祉会が実践するワークシェアリング―稼働率と組織風土改善を両立した新しい採用手法の可能性とは

社会福祉法人伸こう福祉会
人材採用室
木下大輔 様

小規模多機能型居宅介護クロスハート幸・川崎
施設長
林田尭之 様

派遣コストの抑制と経験者採用の強化を目的として導入を検討

―本日はお時間頂きありがとうございます。早速ですが、カイスケ導入の背景について教えて頂けますか?

木下様:一昨年より人件費の高騰が法人全体の課題となっていました。利用者様へ価値のあるサービスを提供し続けるためには、一定の収益性を確保し続ける事も重要です。

これまでは事業拡大と並行して、採用の強化を図ってきたのですが、具体的な成果に繋げる事に苦労しており、人材派遣の利用率が高まっていました。

結果として、人件費が膨れ上がる構造となっており、なんとか状況を改善出来ないかと考えている時に知人の紹介でカイスケと出会いました。

カイスケは、1日毎にお仕事をお願いできるため、職員が充足している日は余分なコストが発生しないので、法人内で活用を進めやすいと感じています。

ー人件費の高騰は、多くの介護事業者様が直面している課題ですよね。コスト以外の面ではいかがでしょうか?

木下様:有資格者のみが登録しているため、人材の質の面でも満足しています。

例えば、無資格者や未経験者の場合、OJTに多くの時間を必要とします。もちろん中長期的な人材育成も重要ですが、本部としては、採用後にできるだけ現場の受入負担の少ない採用手法を模索し続けてきました。

カイスケは、最小限の引き継ぎでも、お仕事頂ける経験豊富な方が多いですね。人材派遣や紹介では、経験者の方が少なく、条件面が合わないケースが多いですが、カイスケでは、人材の質が高く、かつ、依頼のタイミングを柔軟に設定できるため、痒い所に手が届く新しい採用手法だと感じています。

林田様:現場のリアルな肌感覚としては、10人来て頂いたら、一緒に働きたいと思う方が5人くらいいらっしゃるイメージです。

また、5割という数字も自分が施設長を務める事業所の特性を考慮した数字なので、残りの5割の方も、法人内の他の施設であればフィットしそうだと感じる人も多いですね。全体的な印象としては、良い方が来てくれると感じています。

また、実際に働いて貰った上で、一緒に働きたいと思う人に継続的に来て頂ける点も気になっています。「合わないな」と思っているにもかかわらず、お仕事を続けて頂くのはお互いにとって良い事ではないですよね。

一方で、介護現場は、退職・休職で欠員が出た時の負担が大きいので、採用を急ぎがちな傾向にあります。採用が決まるまでの期間をスポット採用で繋ぎながら、お互いにフィットする事が確信できた方に中長期的にお仕事をお願いできるのは、カイスケならではのメリットだと思います。

また、小規模多機能型居宅介護ならではの問題として、利用者様のニーズに応じてフレキシブルなシフト組みが求められる点があります。アルバイトや人材派遣では、スタッフが対応できるシフトが固定されてしまい、利用者様ではなく職員都合のシフトになってしまうという問題がありました。

さらに、シフト作成業務自体も管理者にとっては非常に繁雑なのですが、こうした問題をカイスケであれば一挙に解決出来るという期待がありましたね。

労務・経理オペレーションの整備に苦労するも、関係者との地道な調整を経て導入に成功

ー現在は、法人内でも多くの事業所で活用頂いておりますが、導入にあたって苦労した点はありましたか?

木下様:法人本部として、最も苦労した点は、オペレーションの整備でしょうか。カイスケは、ワーカー様と日雇いの雇用契約を結ぶ仕組みですが、法人内にこれまで同様の雇用形態で採用する仕組みはありませんでした。

そのため、源泉徴収等を中心とした経理処理や、1度でもカイスケワーカーとして働いてくれた方の社内管理の方法について、関係者に何度も相談しなければならなかった点は苦労しました。

ーカイスケをこれだけ活用頂いているのも、木下様のお力あってこそですね。カイスケ導入を無事に成功に導けたポイントは何だと思いますか?

木下様:社労士事務所、会計事務所、経理部門へ繰り返し相談し、不明確な点を地道に解消しながらオペレーションを整備していった点でしょうか。

また、カイスケの担当者さんから、大手企業を中心とした他の法人でも活用が進んでいる点や法的な問題がない点を事前に共有頂いてた事や、こちらからの質問にも的確な回答を毎回頂けた事も大きかったと思います。

現場導入のカギは「スタッフへの丁寧な説明」と「施設長によるフォロー」

ーこれまで法人本部の苦労についてお伺いしてきましたが、施設側はいかがでしょうか?

木下様:林田さんの協力もあり、早期に成功事例を法人内で作れたので、あまり苦労はしませんでした。最初は派遣との違いを理解して貰うために、説明に時間を要しましたが、最近は法人内で口コミが広まっていって事業所側から本部に問い合わせがあるくらい浸透していますね。

林田様:現場側としても、それほど苦労する事はありませんでしたが、2つのポイントを押さえて導入を進めました。

1つ目は、スタッフに対して導入の背景を説明する事です。私の事業所では、カイスケとしてお仕事頂ける方の中には、将来的に一緒に働く可能性がある事を強調して伝えました。そのため、カイスケワーカーさんとコミュニケーションを取って貰い、事業所に合いそうかを判断して貰うようにお願いしていましたね。

木下様:林田さんの事業所には、「親切に教えてくれる人が多かった」というようなコメントがたくさん寄せられてますよね。

林田様:そうですね、スタッフの皆も趣旨を理解してくれていましたし、新しく来るカイスケワーカーの方を楽しみにしていましたね。

2つ目は、初めて事業所に来るカイスケワーカーさんは、施設長である私がフォローしていた事です。ただ、手取り足取り教えるという訳ではなく、大事にしている考え方や利用者様との会話の重要性を伝える事を重視していました。

個人的には、ゆったりとした時間の中で利用者さんと話が出来るという、小規模多機能であるうちの事業所ならではの面白さを多くの人に知って欲しいと思っています。そのため、詳細なマニュアル等は渡さずに、利用者様と楽しく過ごして頂く事を意識してお仕事をして頂いています。

ただ、このやり方は必ずしも全ての事業所に当てはまる訳ではないと思います。例えば、同法人内のグループホームでは、利用者情報をまとめたマニュアルをカイスケワーカーさんに共有しています。各事業所のサービス種別や考え方に基づいた受入体制を整備することが重要ですね。

コスト抑制と採用強化だけでなく、売上・稼働率の改善に貢献

ー林田さんの取り組みには高評価の秘訣が詰まっていますね!ここまでのお話でも何度かお話頂きましたが、改めてカイスケ導入によって得られた成果についてお伺いできますか?

木下様:本部視点では3つの成果が得られています。

1つ目は、導入の背景であった人材派遣の利用に歯止めをかける事ができました。もちろん、カイスケ以外の取り組みも要因として挙げられますが、元々90名だった派遣社員が現在は約50名程度となっており、健全な範囲で人材派遣を利用できる状態となりつつあります。

2つ目は、林田の話と一部重複しますが、休職や退職が発生した際に、職員の採用を急ぐ必要性が少なくなり、法人に合う人材をじっくり見極められるようになりました。早期離職は、現場にも利用者様にとっても負担がかかりますので、大きな成果であると感じています。

3つ目は、新規施設の人材獲得の強化です。幸いな事に、新たな施設を立ち上げた際には、多くの入居者様からお問い合わせを頂いておりました。一方で、直接雇用だけでは採用が追いつかずお部屋は空いているのに入居をお待ち頂くケースがあり、施設の運営面でも機会損失となっていました。

カイスケの利用を開始してからは、介護人材の獲得が強化され、より迅速な新規施設の立ち上げを実現しています。カイスケは、人員補填だけでなく、稼働率や売上の向上にも貢献していると言えるのではないでしょうか。

カイスケワーカーの積極的な姿勢が常勤職員への刺激にも

ー現場側の成果はいかがでしょうか?

林田様:私の事業所では、2つの成果が得られています。

1つ目は採用です。カイスケはこれまで30回ほど活用させて頂いているのですが、1名の採用が決定しました。また、採用に繋がらなくとも、スポットで繰り返してきて欲しいと思うようなカイスケワーカーさんにも複数名お会いする事が出来ています。

2つ目は、事業所の雰囲気づくりです。実は、利用者様から、「あの人良かったよね」とカイスケワーカーさんに対するコメントを貰うケースも少なくありません。

また、カイスケワーカーの皆様はスポットでお金を貰っているため、貢献意欲が強い方が多く、利用者様やお仕事に対して積極的な姿勢を見せてくださるケースが多いんですよね。そういった姿勢は、常勤の職員にとっては、勉強になります。

実際に、「今日はカイスケさんが来るから負けないようにいつも以上に頑張りましょう」というコミュニケーションも発生していて、常勤のスタッフに良い刺激になっていたんじゃないかと思います。

カイスケの利用を加速させ、介護業界の裾野を広げる

ー売上・採用・定着・組織づくりと多方面でカイスケが貢献できているお話をお伺いでき、大変嬉しく思います。最後に、今後のビジョンや展望について教えてください。

木下様:現在カイスケは10施設で利用しているのですが、さらに法人内で利用を広めていきたいと考えています。理想としては、「困ったら派遣」から「困ったらカイスケ」と法人内で想起される状態にしていきたいですね。

また、カイスケでお仕事頂いた方を採用に繋げていく取り組みも進めています。前提として、面接だけでは、人となりや事業所との親和性を見抜くのは非常に難しいものです。

私達も、入社頂くからには長く働いて頂きたいと考えています。カイスケワーカーとして既に何度もお仕事頂いており、お互いの仕事ぶりや考え方が擦り合っている状態で採用出来る仕組みを整えていきたいですね。

林田様:これまで介護業界で働くというのは、フルタイムに加えて、派遣・アルバイト・パートが一般的でした。個人的には、介護人材の需要がこの先高まり続ける一方で、働き手が減っていく事を危惧しています。

より多くの方に、介護職という働き方に興味を持って貰うためには、カイスケの様な働き方が世の中に広がり、人材の裾野が広がっていく事が重要だと思っています。副業・複業・スキマ時間でも、お仕事に来て頂ける事で、事業所を知って貰うと同時に、介護現場で働く事の楽しさを伝え、業界のファンを増やしていきたいですね。

ー素晴らしいコメントで締めて頂き本日はありがとうございました!

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