ファンタジー考つらつら
ねほりんぱほりんの震災で家族が行方不明の人回を観た。
思い出したのは
『この世界の片隅に』だった。戦死したお兄ちゃんが姿を変え生きているかもというファンタジー。あの時の不思議な体験は夢じゃなかったかもというファンタジー。あの箇所。
ファンタジーがこの世界に必要な理由が表されているようで大好きな映画です。
単に現実逃避じゃない、目の前の現実から目を背ける為の装置じゃなく、もっと言うと心慰める為の方便でも激励でもなく『見方を変えよう』『捉え方を変えてみよう』という提案で、ユーモアだから。
って言っても実際そんなことあるわけないじゃん空しいだけじゃん、と言いたくなるかもしれないけれどあの映画(漫画)では『いや〜それはそうなんですけどしかしそれが…あるかもしれませんよ?(ニコニコ)』という返答をしている感じが、すごく好きです。優れたフィクションは結局嘘じゃない。優しく生きる人たちに訪れた優しい現実。観客はそれをみる。
仕方ないと思うしそれはそうとして受け止めているものの戦争映画の在り方は悲惨すぎて、しかしそれが戦争映画の役目だと言わんばかりの現実を変えてくれたのはあの映画です。現実は所謂現実だけで成り立ってる訳ではないと切に思う。
ファンタジーの発想が人の心を温めたり、今を生きる助けになっていきますように。
そしてやっぱり、最高のエンターテイメント装置でもありますように。
(現実を『逃避』することなく現実を『凌駕』してしまえばいいんですよ、とほくそ笑んだり)
(これにはテクニックが必要だけどまず『逃避』を覚える所からだったりするのがキケンです)(おわり)
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